製品の安全性と品質

DNPは、製品・サービスを社会に提供する企業の責任として、安全性と品質がすべてに優先すると考えています。そのため、絶えず製品やサービスの使用場面をイメージし、「求められる品質は何か」「どのように安全性を確保するか」「どうすれば使いやすいか」といったことを顧客視点・生活者視点で考え、改善を繰り返しています。また、企画提案から納入まで、さらに原材料の調達から製造・使用・廃棄・リサイクルまで、サプライチェーン全体における人々の満足を考慮し、社会から一層の信頼を得ていくことを製品・サービスの安全性と品質の取り組みの基本としています。

中長期ビジョン

製品・サービスを社会に供給する企業の責任として、安全性や品質の確保を最優先することで、社会の信頼を獲得する。

対応するSDGs

  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12 つくる責任つかう責任

達成状況を測る指標および実績

中長期ビジョン達成状況を測る指標 目標値 実績
  • 製品・サービスにおける重大な事故 ※1 発生件数
  • 新規開発品の製品安全リスクアセスメント実施率
  • 品質システム検査 ※2 実施率
  • 発生件数0件
  • 対象製品・サービスに対する実施率100%
  • 対象サイトに対する実施率100%
最新年度実績へ
  • ※1重大な事故:当社製品・サービスの欠陥によって、製品使用者の生命、身体に重大な被害を及ぼした場合、製品以外の財産に重大な影響を及ぼした場合が対象。
  • ※2品質システム検査:本社品質保証統括部門により対象サイトに対して、品質マネジメントシステムの運用状況の確認を年1回実施する検査。

マネジメントシステム

社内体制およびマネジメント

DNPの「品質経営」の基本方針は、製品・サービスに関して、必要な規格や法の規制に適合させることはもちろん、顧客企業や生活者のニーズと期待を上回る安全性と品質を提供し、企業としての社会的責任を果たすことです。こうした「品質経営」を推進する全社の統括組織として、本社担当執行役員を委員長とする「DNPグループ品質保証・製品安全委員会」を設置しています。製品・サービスの安全性と品質の確保のために実施すべき事項を全社ルールとして定めるとともに、品質マネジメントシステムと製品安全管理の体制を構築しています。また、事業主体となる各事業部・グループ会社に品質保証・製品安全委員会を設置しています。

DNPグループの品質保証・製品安全管理体制を図式化した画像です。委員会の下、各事業部・グループ会社・工場との間に事務局を設置しています。

こうした全社ルールに基づいて、本社品質保証統括部門は年2回、全社の活動状況や課題などを「DNPグループ品質保証・製品安全委員会」に報告し、方針・目標の見直しや活動の改善を図っています。また、より高い安全性と品質の確保をめざし、本社品質保証統括部門は委員会での審議結果を踏まえて、事業部・グループ会社を指導するとともに、重大品質事故の未然防止や事故発生時の対応の適正化を図るための活動を展開しています。

DNPグループが安全性と品質を確保するための仕組みを説明した図の画像です。基準に従った製造・検査・管理を行い、設計や製造プロセスの見直しを継続しています。

DNPは顧客企業や市場の要求を先取りし、品質マネジメントの国際規格であるISO9001をはじめ、食品包装分野の食品安全マネジメントシステムFSSC22000、自動車分野の自動車産業品質マネジメントシステムIATF16949といった、品質保証に関連する各種認証を積極的に取得しています。

規格取得状況

DNPの主な取り組み

製品・サービスの安全性と品質の確保に向けた取り組み

DNPは、自社が提供する全ての製品・サービスに対し、設計段階からリスクの抽出・評価を行い、検出したリスクの低減を図っています。安全性と品質の両面から、顧客企業や生活者等が安心できる製品・サービスを継続的に提供しています。
提供開始後も、年に2回、安全性に関するリスクチェックを行い、監視を継続することで、社会的・技術的な環境変化に対応しています。リスクチェックの結果、安全性と品質の確保のため、設計の変更や製造技術の改善などが必要になった場合は、的確に実施するとともに、社内基準の見直しも図っています。
また、品質マネジメントシステムの運用状況確認や品質不正防止の観点から、本社品質保証統括部門による「品質システム検査」を年1回実施しています。この検査内容は毎年見直すことで、有効性の継続的な確保を図っています。点検結果は「DNPグループ品質保証・製品安全委員会」および「企業倫理行動委員会」に報告し、指示に基づく改善を進めています。

従業員教育

DNPは、グループすべての社員が製品・サービスの安全性と品質の確保に真摯かつ厳格に取り組むため、教育計画に基づき職務経験や階層等に応じた必要な教育を実施しています。従業員研修は1994年にスタートし、2000年度からはeラーニングとしてグループの従業員が受講しています。
また、より専門的な知識が必要となる業務においては、高度な専門教育も実施しています。

実使用環境での検証と変更管理の徹底

DNPは、自社が提供する製品・サービスを安全に安心して使っていただけるよう、設計からリリースまでの各段階でリスクの高さに応じて、顧客企業や生活者が実際に使用する環境や一層厳しい条件を想定した試験・評価・検証を実施して、リリースの可否を判断しています。
また、顧客企業や生活者のニーズや社内外の環境の変化にともなう製品の材料・形状・製法およびサービスの内容などの変更に際しても、同様の審査を行い、変更の可否を判断しています。

内部/外部監査

  • 内部監査:ISO9001認証取得の有無に関わらず、DNP独自の取り組み事項とISO9001に準拠した内部監査を定期的に行っています。
  • 外部監査:顧客企業からの監査や、外部認証機関などによる監査については、適正に受審しています。その結果は各事業部・グループ会社の「品質保証・製品安全委員会」で経営層まで報告され、本社品質保証統括部門とも共有し、適切にフィードバックしています。

品質不正防止に対する取り組み

DNPは、法令を遵守するとともに安全性と品質の確保に努めています。法令違反や品質不正に対する危機管理を十分に行い、その未然防止に取り組んでいます。
国内外で品質不正等が相次ぐなかでも、DNPは同様の問題を自社で発生させないため、ISO等の外部による認証・診断に加え、本社品質保証統括部門による品質マネジメントシステムの妥当性確認を行うことで仕組みの強化を図り、各事業部門への是正・指導を行っています。
また、顧客企業との仕様の取り決め、検査の信頼性確保などを含む全社ルールについて、各社員の役割に応じた部門別教育や、品質不正を抑制する風土を醸成するための事例研究・啓蒙活動を継続的に実施して、品質に関する不正の発生防止に努めています。

サプライチェーンでの品質管理について

DNPは製品・サービスの品質を安定的に維持・向上させるために、サプライヤーの協力のもと、品質マネジメントシステム等に基づく定常的・定期的な評価やモニタリングを実施し、検出された課題や不具合に対してはサプライヤーと共に解決を図っています。また、DNPグループの各社に対しても、全社ルールに基づいた品質管理を実施し、サプライチェーン全体で顧客企業や生活者が常に安心して使用できる製品・サービスの提供を進めています。