自然共生社会

DNPは、事業活動が生物多様性に影響を与えることを認識し、自然との共生を維持していくことが企業としての持続的成長に不可欠であると考えています。自然共生社会の実現に向けて、バリューチェーン全体での生物多様性への影響の最小化と、地域生態系との調和をめざしています。

自然共生社会 目標・実績

2050年目標
バリューチェーン全体での生物多様性への影響の最小化と、地域生態系との調和を目指す。
項目 2025年目標 2023年度実績
VOC排出量削減 2015年度レベルを維持(国内) 2023年度排出量 : 4,056トン
(2015年度排出量 : 4,581トン)
2015年度比:11.5%減
大気 規制基準の70%以下を維持 目標達成率 : 98%
排水 目標達成率 : 99%
臭気 目標達成率 : 100%
騒音 目標達成率 : 100%
振動 目標達成率 : 100%

DNPの環境に関する主要データ

DNPは2024年4月、温室効果ガス(GHG)削減目標を国際基準である「1.5℃目標」に適合するように上方修正を行いました。また、資源循環率や水使用量削減等の目標も2030年度に向けて上方修正し、活動を進めていきます。

DNPグループ環境中期目標(2024年度更新)

生物多様性への取り組み

DNPは、事業活動が生物多様性に影響を与えることを認識して、生物多様性に対する社会的責任を果たすことにより、持続可能な社会の実現を目指して、2010年3月に「DNPグループ生物多様性宣言」を定め、本格的な活動をスタートしました。製品開発、原材料調達、製造、販売、使用、廃棄などの事業活動における生物多様性との関わりを検討し、重点テーマとして「原材料の調達」と「事業所内の緑地づくり」の2点を選定し、取り組みを強化しています。

原材料の調達

DNPの事業を継続する上で欠かせない原材料である「紙」の調達について、「DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン」を定めており、森林破壊ゼロに向けて、間伐材の利用や森林認証紙の積極的な使用などにより、持続可能な森林資源の利用を進めています。また、原材料として調達する紙の全品目について、「DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン」適合品の調達比率100%を目指し、製紙メーカーや販売会社などのサプライヤーの皆様との連携の強化、トレーサビリティの確保を進めています。

また、2023年には包装材を製造するグループ会社、株式会社DNPテクノパック京田辺工場で、国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得しました。同認証制度を通じて、マスバランス方式によるバイオマス材・リサイクル材のサプライチェーン全体での使用拡大を促進します。

事業所内の緑地づくり

DNPは、周辺といきものがつながる「事業所内の緑地づくり」を進めています。事業所緑地は、出入りが管理されているため、動植物の盗掘や乱獲を防ぐことができ、また、天敵や外来種の侵略による食害のリスクも少なく、生物多様性保全に大きく貢献できます。DNPは各拠点の敷地内で、絶滅危惧種の保全や地域生態系に配慮した緑地の創出など、地域に根差した活動を展開しています。

全国の拠点・工場における生物多様性の取り組み事例を紹介する画像です。本社所在地における緑化プロジェクト「市谷の杜」の他、減少が危ぶまれる生き物の保全活動等22か所での取り組みを紹介しています。

新しい価値の創出拠点として、本社がある東京都新宿区の市谷地区で都市再開発を進めており、その一環で「都市における新しい森づくり」として「市谷の杜」を育てています。
2023年10月には、環境省が30by30※1目標の実現に向けて推進している「自然共生サイト※1」として「市谷の杜」が認定されました。
また2024年8月には、「OECM ※2」として国際データベースに登録されました。

OECM認定ロゴ

※1 30by30:国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で世界目標として採択された、2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な状態に保全するという目標 ※2 OECM(Other Effective area-based Conservation Measures):民間等の取り組みにより保全が図られている地域や保全を目的としない管理が結果として自然環境を守ることにも貢献している地域

環境汚染物質の削減

自社の事業活動に関して、温室効果ガスや化学物質の大気への排出、廃棄物の発生など生物多様性への負のインパクトを最小化する取り組みを進めています。

環境汚染物質の削減に向けて(環境報告書) 626KB(PDFを開く)