技術/研究開発 メッセージ

技術研究開発部門統括 代表取締役副社長 山口 正登技術研究開発部門統括 代表取締役副社長 山口 正登

「P&I」の強みとパートナーとの連携による知的資本の強化

DNPは、グローバルに通用する商材を増やし、継続的に成長するため、長年培った独自の「P&I」(印刷と情報:Printing & Information)の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めて、知的資本を充実させていきます。
そのために、新規事業の創出、新製品・新サービスの開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けて、事業活動の原動力としています。

研究開発方針

私たち自身が「より良い未来」の姿を描き、それを起点とする「未来シナリオ」の実現に向けて、独自技術を強化し、新製品・新サービスの開発・提供につなげることを研究開発の方針としていきます。2023-2025年度の「中期経営計画」では、「新規事業創出と強み技術の強化」 「強み技術のグローバル展開」 「基盤事業の強化と風土改革」 「DX基盤の高度化」といったテーマを推進しています。研究開発関連の投資では、毎年300億円を超える規模を継続的に実施しており、事業の成長戦略に応じて増額しています。
例えば、生成AI(人工知能)などDX(デジタルトランスフォーメーション)の役割がますます大きくなるのは確実です。デジタル技術を活用して生産性をいかに高めるかが社会の重要な課題になっています。その鍵を握るのが半導体であり、重点分野と位置付けて研究開発に力を入れています。
私たちはこの方針を軸に、多様な知的資本をより効果的に掛け合わせて、製品・サービスの開発・事業化を加速させています。

DNP独自の強み「P&I」

私たちは、独自の「P&I」の強みを常に磨き、新しい技術・ノウハウも開拓しながら、さまざまな製品・サービスを生み出しています。AI技術を駆使した業務効率化や、製造装置も自ら開発する革新的な生産システム、MI(マテリアルズ・インフォマティクス)を活用した材料開発など、先進的な技術を組み合わせて競争力を強化しています。こうした強みをさらに持続可能な強靭なものにしていくため、知的財産の獲得と拡大を重要な経営課題の一つと捉え、数多くの特許の取得などを進めています。
これらの取り組みにより、世界トップシェアを誇るリチウムイオン電池用バッテリーパウチやディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクなどの事業を展開し、グローバルに価値を提供しています。

  • MI(MATERIALS INFORMATICS):AIなどの情報科学を活用した材料開発手法

社外の多様なパートナーとの連携強化

DNPは、多様な分野の強みを掛け合わせるため、オープンイノベーションによる産官学連携を国内外で進め、技術の獲得と事業開発を戦略的に推進しています。
環境負荷低減やウェルビーイング強化といったニーズがグローバルに高まるなか、海外に向けたマーケティング・研究開発・事業展開も強化しています。特許等の知的財産をはじめ、社内外の強みを積極的に掛け合わせる組織風土を醸成し、多様な事業で新しい価値を創出していきます。

DXによる価値創出

近年は、事業拡大と生産革新の両面で、DXも強力に推進しています。
「DNPのDX」は、アナログとデジタル、リアルとバーチャル、モノづくりとサービスなど、両極にあるハイブリッドな強みを融合し、独自のビジネスモデルや価値を生み出すことだと位置付けています。こうしたDX戦略に沿って、新規事業の創出と既存事業の変革、生産性の飛躍的な向上、社内の情報基盤の革新などを進めています。特に、社内のDX人材の育成と必要な外部人材の獲得、パートナー企業との連携など、DXによる価値創出のリソースの拡充に注力しています。

「より良い未来」を実現するために

私たちは、こうした事業化の推進、技術・研究開発と、その活動を支える知的財産の戦略的獲得を事業部門/研究開発部門/知財部門が三位一体となって強力に推進しています。常に変革に挑戦し、「オールDNP」で相乗効果を高め、新しい価値の創出による「より良い未来」の実現に取り組んでいきます。

技術研究開発部門統括
代表取締役副社長
山口 正登