DNPの基盤技術
DNPは創業以来、社会のニーズに応える製品やサービスを開発し、提供し続ける中で培われた幅広い技術を有しています。印刷プロセスから生まれたDNP独自の技術に最新の技術を加え、それぞれを高度化して掛け合わせることでDNPの基盤技術を発展させています。
情報(Information)技術
企画
「何のために、何をつくるのか」
そもそもを考え、
対話を通じてプロジェクトを推進する技術
出版ソリューション
紙、電子、ネットなど、あらゆるメディアから最適なコンテンツを選定し、静止画、動画、CG、AR/VRなど、効果的な表現方法の提案ができる。また、出版物のキャラクターをイベントなどのリアルな世界で展開させるなど、複合的なクロスメディアソリューションを実現させている。さらに、版権の管理や系列書店による販売などのバックエンド支援も可能。
ブランディングデザイン
企業や製品の調査から、経営における強み・弱みを洗い出し、目指すべき姿を提案。理念の策定やマーケティング戦略立案のコンサルティング、ネーミング提案やロゴマークのデザインなど各種施策の提案・制作が可能。3万社以上との取引実績も強みのひとつ。
セールスプロモーション
マーケティングリサーチから各種プロモーションツールの企画、制作、納入、効果測定まで、トータルな設計・実行が可能。パーソナルからマスマーケティングまで対象は自在。
設計
「どのようにつくるのか」
実現に向けて堅牢・精緻な設計を行う技術
パッケージデザイン
「人にやさしく、製品にやさしく、地球にやさしく」を目指し、ものを包むことに関する研究開発、商品企画・デザイン、用途開発などを行っている。製造を知りつくしているからこそ、機能との兼ね合いがカギとなるユニバーサルデザインの提案も可能。
住空間デザイン
住宅、オフィスや医療施設、自動車や鉄道車両などの内外装材の製造実績から、快適な「空間」づくりのための多様な製品・サービスへと展開。ITとの融合により、快適で便利な未来の空間もデザイン可能。
光学設計
光の進む方向や色を精密にコントロールし、製品の機能を引き出す。製品の表面形状や層構成を、製造工程の誤差を含めて、マイクロメートル、ナノメートルオーダーでコントロールする技術。 エレクトロニクス、エネルギー関連、加飾用途製品の機能設計などに利用されている。
情報処理
あらゆる情報を「安全に」収集・整理・分析・加工し、
新たな付加価値と活用方法を生み出す技術
情報セキュリティ技術
通帳やATMカード、証券といった重要性・機密性の高い印刷物を扱ってきた実績から、個人を特定する認証や、安全にデータを授受するための暗号化などの技術が発展した。ICカードやリーダーライターといったハードと、ソフトの融合により、堅牢で安全・安心な取引ができる環境をつくっている。
データ分析技術
生活者の情報サービス利用動向や購買記録、気候変化などのデータを抽出、整理し、一定の目的に沿って情報を加工する技術。加工した情報から一定のパターンを見つけ、予測あるいは、改善につなげることが可能。
画像処理・認識技術
静止画や動画に対し適切な処理を加え、精緻化する技術。また、対象の画像を読み取り、人物や景色を識別する技術。人物の特定や写真撮影などに利用されている。
メディア変換技術
紙や電子書籍、インターネットやDVD、通信など、さまざまな媒体にあわせ、テキストや動画などの情報データをそれぞれに最適な形式に変換する技術。
フォント技術
明治期から続くDNPのオリジナル書体「秀英体」。時代とともに変遷するメディアにあわせ、金属活字から電算写植、デジタルへとリフォームを行ってきた。本格的なデジタル時代に対応するため、2005年から7年にわたり、のべ12万字を本格的に改刻。映像向けなど、メディアにあわせて書体を開発する技術。
印刷(Printing)技術
微細加工
金属、ガラス、樹脂などの基材に高精度・緻密な加工を行い、
目的の実現に必要な効果・機能を付与する技術
写真製版技術
基材表面に塗布した感光剤に光や電子線を使って原画像を描画露光することで、複製像を形成する技術。印刷プロセスにおいては文字や画像の写真フィルム原稿から各種印刷版を製造する技術として活用され、エレクトロニクスなどの高精細分野に展開されている。
精密彫刻技術
凹版印刷やグラビア印刷で用いられる凹版は、文字や絵柄などを面積と深さを替えて彫刻した凹部の集合体として形成、製造されている。この彫刻は職人による手彫りから、ミクロンオーダー、ナノメートルオーダーの精密切削装置を使うものまで、目的に応じて使い分けられている。
賦型(ふけい)技術
文字や幾何学的パターンなどの凹凸形状が形成された金属、ガラス、樹脂製の型を使って印刷基材にその凹凸形状を複製する技術。印刷絵柄に同調して行うエンボス加工や3D印刷用レンチキュラーレンズの加工などから発展してきた。
エッチング加工技術
材料を化学的腐食、除去することで所望の構造に加工する技術。印刷プロセスにおける樹脂活版やグラビア版の製造技術から進化してきたもの。写真製版技術と組み合わせることで、微細かつ高品質な版の製造が可能となる。
ホログラム技術
立体像を記録、印刷する技術として研究と開発が進められてきた。レーザー光の干渉性を利用して、実物模型からレーザー反射光の強度と位相を感光材に直接記録する方法と、コンピュータで計算した光学干渉縞データを電子線描画で直接記録する方法がある。
精密塗工
紙・樹脂・金属・ガラスなどの基材表面に、
単層あるいは多層でさまざまな材料の塗布膜を均質・均一に形成する技術
印刷技術
文字や画像を含む原稿から作成したハンコ(刷版)にインキを付着させ、紙などの基材に転移させるプロセスの総称で、原稿を高速・大量に複製することができる。近年発達してきたトナー印刷やインクジェット印刷はハンコを必要とせず、インキの転移量を制御することで、原稿のデジタルデータから直接印刷を行う。
真空製膜技術
材料を真空中で気化させてフィルムなどの基材に薄膜を形成する技術。これにより半導体製造分野でもとめられる超微細なパターンを描くことが可能な高精度なガラス・金属薄膜原板を製造できるようになった。
コーティング技術
材料を基材表面に薄く均一に付着させて覆う処理のことで、インキ化した材料を塗布して行うウェットコーティングや、金属蒸着のようなドライコーティングがある。この技術を、基材の設計技術と組み合わせることで、光学特性・バリア性・耐熱性など、多様な機能を持つ塗膜を形成できる。
EB・UV硬化技術
樹脂や塗膜材料にEB(電子線)やUV(紫外線)を照射し、瞬時に硬化させる技術。印刷プロセスにおけるインキの乾燥時間を大幅に短縮できる技術として進化してきた。生産工程の省エネ化やCO2削減、無溶剤塗工が実現でき、環境負荷の少ないクリーンな塗工が可能となる。
後加工
製品の使用環境や目的に合わせて必要な
安全性・耐久性・利便性を実現するための技術
製本技術
印刷した紙を本のカタチに整える技術。折り、綴じ、断裁を基本として、それぞれに各種方法がある。また、ポップアップや袋綴じなどの加工もある。
転写技術
材料を直接塗布するのではなく、フィルムなど、別の基材上の文字や絵柄を熱でプラスチックやガラス、金属などに押し付け写し取る技術。
加飾フィルムとして幅広く利用されており、車の内装部材や容器などの意匠付与に使われている。
ラミネート技術
フィルム、金属、樹脂などを均一に貼り合わせる技術。用途に応じ、複数の機能性材料を貼り合わせることで高い性能を持たせることが可能。
プラスチック成形技術
プラスチックをはじめとする樹脂製品を成形するための技術。自動車用の大型のものや液体の注ぎ口に使われる小型のものなど、さまざまなアイテムに対応している。
無菌充填技術
無菌の環境下で食品や飲料などの内容物の充填を行う技術。熱殺菌などによる内容物への影響がなく、デリケートな風味をそのまま封止し、出荷することが可能となった。充填直前に試験管サイズのプリフォームをボトル成型するため、物流のコスト低減にも貢献している。
材料開発、評価・解析
材料開発
新たな材料を合成あるいは分散・混合する技術であり、
インクや接着剤、感光性材料、コーティング材料などを設計・製作する技術
色材・感光材
色を表現するための材料や、光がつくる像や影を固定するための材料。ミクロン単位の精度が要求されるフォトリソグラフィーなどでも利用できるように高精度な加工をしている。DNPではほとんどの色材・感光材を独自に開発・製造している。
高分子材料
金属、セラミックスなどのような無機と並んで、日々の生活で重要な役割を果たしている材料のひとつが高分子材料。プラスチックや繊維などに代表される。DNPが製造する食品パッケージや住宅内装材などの主成分となっており、コンバーティング技術(材料加工技術)と組合せて、基材用フィルムや光学機能樹脂などの用途別に開発されている。
有機合成技術
有機材料を合成し、各種製品に適した材料にするための技術。機能性コーティング材料、最先端フォトマスク用レジスト剤、医薬品の原薬材料などを作っている。
分散/配合技術
材料の性能を左右する重要な技術。素材が持つ機能が高いパフォーマンスを発揮するための原材料成分の配合を設計し、その材料をムラなく均一に分散させることで安定した品質を確保している。
評価・解析
ナノレベルの精度が求められるエレクトロニクス部材の製品保証や
歩留まりを上げるための欠陥修正にも欠かせない技術
解析設計
評価方法や分析装置、処理システムの組み立てなどを最適化した設計を行う。いかに迅速かつ正確に結果を出せるかがカギ。
分析技術
高度で先端的な分析機器を駆使して成分の構造などを解析する技術。DNPでは大規模な評価・解析センターを設置してこれに対応している。
シミュレーション技術
生産ライン上の材料や気流の挙動などを目的に応じてデータベース化・分析し、ライン動作の結果や、製品・材料の性能、品質を予測する技術。これにより、高品質な材料の設計や、効率的で安定した生産ラインの設計を最適化する。
データベース解析技術
各種分析機器で解析したデータと、自社で保有する分析データベースを照らしあわせ、短時間で高精度に製品欠陥などを特定している。