- DNP RECRUITING
- DNPでスペシャリストとして生きる

挑戦の物語
DNPでスペシャリスト
として生きる
DNPには、キャリアを自発的に選べる環境があります。多様な選択肢の中から「自分の専門性を確立し、磨いていく」というスペシャリストの道を選んだ2人が対話をしました。
Introductionストーリー概要
DNP流
“スペシャリティの磨き方”
Specialist
Talks
DNPには、スペシャリストやゼネラリスト、マネジメント層など、様々なキャリアを自発的に選べる環境があります。多様な選択肢がある中で、「自分の専門性を確立し、磨いていく」スペシャリストを選び取る人は、どんな思考をしているのでしょうか?
分野の異なる2人のスペシャリストが、「なぜ専門性を極めようと思ったのか」という背景から、「何の専門家として活躍しているのか」「どんなことに挑戦しているのか」まで語り合いました。あなたがスペシャリストの道を選ぶかどうかの、参考になれば嬉しいです。
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- 知的財産本部コーポレートスタッフ平塚 貴子
2009年、新卒で入社。技術開発センターで技術者として10年間、機械設計やプロセス設計に携わる。働きながら「弁理士」の資格を取得し、2019年に知的財産本部へ異動。「元エンジニアの弁理士」として活躍中。
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- ファインデバイス事業部研究開発吉川 真吾
NECに新卒で入社し、経験を積んだ半導体製造用フォトマスクの事業がDNPに譲渡される2009年に、DNPへキャリア入社。両社合わせて約20年間、フォトマスクの研究開発に携わる。2017年からマスク技術部長、現在は副本部長。
元エンジニアの弁理士と
しゃべれるエンジニア

お二人はそれぞれの専門性を活かして、
どんな仕事で活躍していますか?- 平塚
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私は技術者としての10年間の経験を活かしながら、現在は知的財産本部で特許の出願申請や他社対応などを行っています。詳しい商材や具体的な仕事内容はお話できませんが、主にディスプレイ用光学フィルムや有機ELディスプレイ関連製品等のオプトエレクトロニクス事業を担当しています。知的財産の専門知識は、働きながら2020年に弁理士の資格を取得する中で学びました。
- 吉川
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私は「EUV(極端紫外線)リソグラフィエンジニア」です。半導体製品をつくる際に用いる「フォトマスク」で、現在は開発責任者をしています。社内では「ミスターフォトマスク」と呼ばれています(笑)。最近は対外的に「DNPのフォトマスク」について説明する機会も多く、業界内でそこそこ「ミスターフォトマスク」の知名度があるのではないかな。
1年の約3分の1は国外にいます。2024年は8月下旬から10月にかけて、韓国→アメリカ→台湾→アメリカ→中国→アメリカ→2週間空けてベルギーへ行きました。社内でもここまで長く海外にいる人は珍しいと思います(笑)。
現在までのお二人のキャリアが気になります。
詳しく教えてください。- 平塚
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2009年に入社して、技術開発センターに配属されました。東京の本社にいながら、九州、岡山、東北、埼玉と、DNPのいろんな製造拠点に出張しながら、機械系、材料系、プロセス系の仕事をしていました。
- 吉川
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技術開発センターにいらしたのですね! 具体的にはどんな仕事を?
- 平塚
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最初は、住宅・非住宅の内外装材をつくる生活空間関連の事業で使用する「梱包機械の設計」をしていましたね。学生時代の専攻は化学だったのですが……。入社4年目からは、印刷したフィルムを加工する「プロセスの設計」を担当しました。吉川さんはどんなキャリアを歩んだのですか?
- 吉川
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私は2009年にDNPにキャリア入社しました。新卒でNECに入社して、配属されたフォトマスク部門をDNPがM&Aしたことで、DNPグループと出会いました。
DNP入社後も含めて、一貫して20年近くフォトマスクの開発に携わっています。専攻が電子顕微鏡を用いた分析工学だったため、最初は「保証技術の開発」を専門に行っていました。その後は主にフォトリソグラフィ技術を活かした製造工程の開発・改善を担当し、営業もやることになって、気づいたら副本部長になっていました。
- 平塚
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NECからDNPに移った時、ギャップは感じませんでしたか?
- 吉川
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大変でしたよ!NECは電気屋さん、DNPは印刷屋さんで、カルチャーが全然違うのです。例えば、設備投資の考え方、備品の使い方、技術至上主義かどうかなどいろいろ……。でも、二つの会社にいたという経験が、私の強みになっているかもしれません。
と言うのも、現在の顧客である半導体メーカーは電気屋さんで、私はそちら側の考えに共感できるので、「営業」として重宝されています。まぁ、本当はガッチガチの「エンジニア」なんですけどね。「しゃべれるエンジニア」といったところでしょうか(笑)。
- 平塚
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吉川さんは、2024年の「DNPアワード(社内表彰制度)」で大賞を受賞されましたね。それについて聞かせてください。
- 吉川
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私たちは、新しい規格の半導体を製造するための「EUVリソグラフィ向けフォトマスク」の「製造プロセス開発」に取り組んでいます。2024年3月には、その最先端の2nm(ナノメートル:10億分の1メートル)世代のプロセス開発を本格的に始めることが決まりました。こうした一連の取り組みを評価していただいた結果の受賞です。設備に大きなお金がかかる一方、いつ収益化できるか分からない中で、粛々と研究・開発を進めてきたことが一つの実を結びました。
ただ、喜んでばかりもいられません。実現するためにずっと動いているのですが、困難だらけ。どう乗り越えるのだろう?と、胃が痛いです。


知的財産本部はエンジニアの伴走者!
知的財産戦略でDNPの未来を明るく照らす「エンジニア」と「スペシャリティが二つ以上ある」という共通点がありますね。
平塚さんはなぜ「知的財産本部」に?
- 平塚
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年次ごとにいろんな悩みがあると思うのですが、私は入社5年目の時に「この先どうしよう?」と悩み始めたのです。新規製品の製造テストなどは時間も不規則な部分があって、「このまま技術者としてやっていけるかしら?」と自信が持てなくなったというのもあります。
- 吉川
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そういった悩みは、私もメンバーからよく聞きます。DNPは女性にとって働きやすい環境ではあるけれども、自身のライフプランとの両立を考えると、悩んでいる方もいますよね。
- 平塚
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そうなのです。その時「何かもうひとつ専門性の軸がほしい!」と思って、調べたり、本を読んだりする中で「弁理士資格」を見つけて、憧れだけで「えいや!」と勉強を始めました。やってみないと分からないですし。
3年目の挑戦で1次試験に合格し、上長との1on1面談で初めて「機会があれば知的財産本部に異動したい」とお話したのです。その後たまたま運良く知的財産本部の「公募」が1枠だけ出ていて、異動することができました。ただ、弁理士資格の取得までは4年もかかってしまいました。
- 吉川
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たいしたものですよ!働きながら資格を取得するなんて。難しい資格ですからね。
- 平塚
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ありがとうございます!
お二人の部署は、どのようにつながっていますか?
- 吉川
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電子部品に携わる事業部門として、もちろん知的財産本部にはとてもお世話になっています。特許の申請と開発業務の両立って、とても大変なんですよ。エンジニアはできれば目の前の技術開発に没頭したい。そんな時、一緒に伴走してくれるのが知的財産本部の皆さんです。私もこれまで5件ほど特許を出願しています。
- 平塚
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開発品の納期や、完成品の生産スケジュールなど、社内外の多くの人が関わる仕事の中で、特許の出願は大変ですよね。
- 吉川
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実は今、「知的財産戦略が大事だ!」ということを身に染みて感じているところなのです。リーマンショック後、国内外の特許申請にもお金がかかるということで、申請を渋った時期がありました。我々エンジニアが積極的に申請しなかったことも一因です。そのせいで今、困っている分野もあります。中長期的な目線で知的財産戦略を考えれば、DNPの未来はもっと明るくなると思います!
- 平塚
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知的財産の重要性をアピールしていただいて、ありがとうございます! 今後も引き続き“協働”していきましょう。
素敵な関係ですね。
お二人の今の仕事は「未来のあたりまえ」につながっていますか?
- 吉川
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「未来のあたりまえ」にしか、つながっていないと確信しています! 半導体は、世界中で多くの方に愛されているスマートフォンやPCを始め、ほぼ全ての電子機器に使われています。そのさらなる進化のために、私たちは常に微細加工技術を磨いています。
- 平塚
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私の仕事は、こうした事業を知的財産の面でサポートすることです。皆さんの事業を守ると同時に、攻めて発展させていく仕事は、間接的ではあるけれど「未来のあたりまえ」にしかつながっていないと思います!
- 吉川
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平塚さんを始め知的財産本部の皆さんには、まさに伴走してもらっています。
- 平塚
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エンジニアの皆さんから、世に出す前のサンプルやデータを見せてもらうのですが、「発明そのもの」を目の当たりにしているようで、すごく面白いです。エンジニアの皆さんとの議論が盛り上がっていくことや、話が噛み合っていく感じも楽しいです。
DNPの技術は表で見えにくいものも多く、生活者は「未来のあたりまえ」を実感しにくいかもしれません。
- 吉川
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それはありますね。商品に「DNP」と書かれているものはほとんどありませんから。でも、多くの生活者の皆さんが、いろんなところにDNPの技術が入っていることを意識してもらえたら嬉しいですね。
最近、街中でよく見る「電子看板」にもDNPの技術が入っています。またDNPのプラスチック成型技術が、自動車の軽量化や省エネなどにもつながります。スマートフォンのバッテリーだってDNPのパウチがしっかりと守っています。私はこういう「表に出ないところ」こそ、かっこいい!と思います。
みんな控えめすぎる!
求む“エンジン型”の人材
シャイすぎる!
スペシャリティを磨く上で、DNPの環境はいかがですか?
- 平塚
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準備さえしていたら、チャンスがきた時に挑戦できる!そして、挑戦するための「種」のような制度や支援はいくらでもあるような気がします。例えば、「人材公募制度」で希望の部署に応募できたり、「資格取得奨励制度」で取得時の奨励金が出たり……。弁理士資格に奨励金が出る会社は珍しいと聞いています。
- 吉川
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半導体関連のエンジニアは、お金と体力がない企業では研究・開発を続けることはできません。だから、大きな規模の企業としての利点を存分に活かせるDNPの環境は、とてもありがたいと思います。
スペシャリストとして、これから挑戦したいことは?
- 平塚
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大きな利益を生む重要な商材ほど、知的財産対応がシビアになっています。他社よりも優位な立場で事業を行うために、「どんなビジネスモデルが有効か?」「そのビジネスモデルの実現にはどんな権利が必要か?」を見極め、「国内外での出願から権利化までのプロセスをどう進めていくか?」「他社の権利にどう対応するか?」を考えていきたいです。海外の業務についても、現地で主導できるよう、力をつけていきたいですね。
- 吉川
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弁理士の資格を活かして社外で活躍する道もある中で、DNPで働くモチベーションはなんですか?
- 平塚
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特許事務所に所属したり、独立したり、いろんな選択肢があるということは認識しています。でもやっぱり、技術者として10年間やってきた経験を活かしたいです。その経験を活かしつつ知的財産の経験を積むには今の環境がすごく良い! 私が担当する事業分野の社員の知的財産に関する関心度が高まっていますし、経験が豊富な上司や弁理士も近くにいます。彼らと議論しながら仕事を進めていくのが面白いです。もしDNPの外に出ても、また戻って来られるのがいいなと思っています。
- 吉川
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そうなのですよね! 「ジョブ・リターン制度」があるのがいいところだよね!
- 平塚
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はい。まだまだ勉強すべきことがDNPにはあるので、今はここで頑張りたいです。
- 吉川
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私は、「DNP=フォトマスク」という印象を世の中に残したい。そのためにも「世界一」を取りたいですね。その可能性がDNPにはあると思います。電気屋さんではできない、印刷技術を背景に持つDNPならではの独自性で、フォトマスク業界の世界一を目指します!
加えて、今以上にダイバーシティな組織にしたい。みんな控えめでシャイなのですよね。舵は切って方向転換はできるけれど、前に押し進めるのは苦手な印象です。もっと推進力が強い“エンジン型”の人材がいてもいいかなと思っています。そのための組織づくりや人材育成に関わっていきたいです。それに加えて、50歳までにドクターを取ることも目標です!
スペシャリティは一つに絞らなくていいのですね。お二人のような“エンジン型”のスペシャリストが、新しい仲間になってくれることを願っています。ありがとうございました!

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