- DNP RECRUITING
- 医薬品をまだ世にない技術で“包む”

挑戦の物語
医薬品を
まだ世にない技術で“包む”
医療分野の課題を解決するために「液体医薬品の新しいパッケージ開発」の挑戦が続いています。実用化にひた走る2人のメンバーに迫ります。
Introductionストーリー概要
医薬品の課題解決に向けた
新規ビジネス創造の挑戦
Medical
Healthcare
命を守る最前線の医療現場で使われる様々な「医薬品」。そこには「超低温でなければ運べない」など、多様な課題があります。その解決に向けてDNPは、「医薬品の新しいパッケージ開発」の挑戦を続けています。現在進行形で製品化にひた走るリーダー・小堀と、2022年に入社してこのプロジェクトにジョインした茂木が、「新規ビジネス立ち上げのリアル」を語ります。
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- メディカルヘルスケア本部研究開発小堀 裕之
2002年、新卒で入社。研究開発センター(現 研究開発・事業化推進センター)で「セラミック薄膜合成」を用いた新規テーマ創出に従事。2016年から医療ヘルスケア領域の新規事業創出に参画。医薬品の高付加価値化を事業化するための本プロジェクトのリーダーを務める。
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- メディカルヘルスケア本部研究開発茂木 優斗
2022年、新卒で入社。入社1年目から、医薬品の高付加価値化を事業化する本プロジェクトに参画。包装や製剤の開発を担当する。
誰の、どんな困りごとを解決するか?
医薬品の課題を見極めるところからスタート

始めに、このプロジェクトが始まった
きっかけを教えてください。- 小堀
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私は「メディカルヘルスケア領域の課題を解決して世の中の役に立ちたい!」という考えのもと、様々な活動を行っていました。しかし、「DNPでは新たに挑戦している領域」であり、「業界の皆さんとのつながり」をもっとつくっていく必要がありましたので、そもそもどんな課題があるのか、「課題を集めるところ」からプロジェクトを始めました。2016年のことです。
この領域で試行錯誤を続けるうちに、「医薬品」関連の課題があらためて見えてきました。そしてDNPの「包装技術」を活用し、「医薬品の新しいパッケージ」を開発することに決めたのです。解決したい「課題」と新規ビジネスの「目的」が明確になったのが2019年。3年もかけてしまいました……。
- 茂木
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僕はすでにプロジェクトが始動し、製品化に向けた技術的なテストを行っていた2022年に参加しました。「社会的な課題をゼロから定めて、新規ビジネスのテーマとして立ち上げ、パートナーを開拓し、研究開発して製品化する」というプロジェクトは、DNPでもレアだと聞いています。私は“すごいタイミング”で入社したなと思います。
- 小堀
-
そうなのですよ。いろいろな事業部門で新規事業開発が行われているけれど、これほど「既存事業とのつながりが見えにくい」ところからスタートするのはレアだと思います。本当に難しい!ということが分かりました。初めの頃は、なんとか仲間につないでもらった製薬会社の方から「DNPさん、何しに来たの?」なんて言われていたくらいです。足かけ7年、今なお現在進行形のプロジェクトです!
どんな「課題」に対峙することに決めたのですか?
詳しく知りたいです。
- 小堀
-
例えば、「抗がん剤」は細胞を殺す薬なので、医療従事者が曝露してしまうと健康被害の可能性が懸念されます。そのため、安全・安心な状態で医薬品を輸送・保管・投与する必要があります。患者さんに投薬するまでの時間が長くかかる薬や、-80℃で運ぶ必要のある薬もあります。また、複雑な調剤が必要なものもあります。
「輸送・保管・投与といった様々なシーンで、取り扱いが難しい医薬品がある」という課題を関係者に教えてもらったのです。その時「DNPのパッケージ技術を活用すれば、新しい方法でそうした課題が解決できるのでは?」という仮説が浮かびました。
「新しいパッケージ開発」とは、
具体的にはどんなことを?
- 小堀
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今のビジネスの進捗としては、新しいパッケージ素材の開発を終えて、製薬会社とともに国へ申請しようとしています。そのために必要なデータを取得しています。
- 茂木
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僕はまさにそのデータの取得を担当しています。既存のパッケージと比べて、DNPの製品がどれだけ優位性が高く、「中身の医薬品を保持できるか」というデータをあらゆる角度から集めています。
- 小堀
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私はプロジェクトの指揮をとりながら、茂木さんが取得してくれたデータを強みとして、製薬会社にDNPの技術的優位性をアピールしています。茂木さんは1年目から、新しいパッケージを製品化するための「性能改善」で頑張ってくれているけれど、大変に思うことはある?
- 茂木
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そうですね。1年目の12月に任せてもらった時は、そもそも仕事の進め方も分からないし、DNPが培ってきたパッケージ技術のこともよく分からなかったので、不安や焦り、プレッシャーがありました。でも、とにかくいろんな人に頼ってみたら、親身に相談に乗ってもらえたし、他部署の社員にも協力してもらえました。新人であってもなんとか成果を残せていることが嬉しいです。
- 小堀
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茂木さんはさらっと話していますが、パッケージの「設計」ってものすごく難しいんですよ。中身が劣化するメカニズムを考慮した上で、フィルム等のどんな素材を、どの順番で、どの厚みで、何層に重ねるか、あらゆる条件を試さなければならないんです。主体的に、自発的に進めてくれていることがありがたいですね。


整備された領域よりも
新しい領域を耕す方が、やりがいは大きいそもそも、茂木さんはなぜ「メディカル・ヘルスケア関連」に
興味を持ったのですか?- 茂木
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入社1年目の研修で、各事業部の紹介動画に小堀さんが出演されているのを見ました。「メディカルヘルスケア本部なら、開発もできる、企画もできる。今まさに挑戦中のチームです!」という完璧なトークに魅了されてしまい(笑)、この人と一緒に働きたい!と思って志望しました。
- 小堀
-
茂木さんが入ってくれた時、嬉しくて嬉しくて。メディカル・ヘルスケア関連の事業をやりたいという驚くべき1年目がいる!とチームで大喜びしました。
事業だけでなく、組織そのものを新たに立ち上げていたので、メディカルヘルスケア本部に新入社員を受け入れた経験が少ないことは不安でしたが……。
- 茂木
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僕の方には、不安はあまりなかったですね。整備された領域よりも新しい領域を耕す方が、やりがいや達成感が大きいだろう!と想像していたので。
- 小堀
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それならよかったです!
小堀さんがこの領域の事業に興味を持ったのはなぜですか?
- 小堀
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新人の頃から「新しいビジネスをつくりたい!」という夢があって、1年目から研究所で「新規テーマの提案」のチャンスをもらっていたのです。上司や先輩はあたたかい人ばかりで、「挑戦を応援するよ!」という風土でした。自分が先輩からしてもらったように、茂木さんにもやりたいことがあればどんどんやってほしい、どんどん活躍してほしいと思っています。
- 茂木
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まさにそんな感じです! 日頃から「やりたいことがあればなんでもやっていい」と声をかけてもらっています。つまずいた時は、年齡に関係なく「なにか意見ない?」と引き出してくれます。自分は単なる歯車の一部ではなくて、「新規事業に挑戦している仲間なんだ」という実感があります。
- 小堀
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それは、私たちが誰も正解を持っておらず、本当に困っているからです。経験だけでは解を導き出せない問いばかりなんですよ。一緒に悩んで、一緒に苦しんで、お互いに個人の強みを掛け合わせて、ワクワクしながらともに闘う感じですね。つい数日前も、私が調べた情報を茂木さんに渡したら、「小堀さん、よく調べたら、これ違うみたいです!」って指摘してくれたところです(笑)。
この世にまだない
新しい技術、新しいビジネスを!
素敵な関係ですね。開発中の「新しいパッケージ」が完成したら、
世の中にどんな価値をもたらすでしょうか?- 小堀
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医療従事者にとっては、医薬品がより取り扱いやすくなり、これまでの複雑な調整が減ることで業務の効率化が実現し、結果的に、患者さんがより適切な品質で薬を投与してもらえることにつながります。
このパッケージを採用する製薬会社にとっては、他社との差別化になって「高いシェアの獲得」が実現できますし、製造や運搬にかかっていたコストの削減にもなります。最終的には患者さんのメリットとなる「医療費の削減」につながると信じています。
“より良い医療”を提供できる新技術といえますね!
- 茂木
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それだけではなく、DNPにとってもメリットがあります。「参入障壁が高いメディカル・ヘルスケアの市場を開拓できる」ということは、「DNPの多様な技術が生かせる領域を広げられる」ということです。またパッケージ領域において、自ら新しい製品を開発して、自らパートナー企業に売り込んでいく、というモデルも強力に示すことができます。主体的かつ積極的に価値を提案・提供していく風土づくりに貢献できると思います。
- 小堀
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また、「失敗を恐れずに挑戦する風土」の醸成にも貢献できると思います!「本当に失敗するかもしれない」というプレッシャーと隣り合わせの中で、諦めずに今も続けられているのは、社内に常に応援してくれる人がいるからです。「困っているんだって?こんなのはどう?」と声をかけてもらえるのは嬉しいです。
- 茂木
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「今どうなっているの?」と聞いてくれて、「こんなことで悩んでいて……」と伝えると、時間をとって一緒に考えてくれる。挑戦し続けられるモチベーションは、協力してくれる皆さんの期待に応えたいから。そして、チームの役に立ちたいという気持ちが強いから。忖度じゃないですよ!素直にそう思います。
- 小堀
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私たちは現時点で大きな利益を創出している事業があるおかげで、こうやって挑戦させてもらっているのです。「おかげさまで、発展途上ですがなんとかカタチになりました!」ってはやく報告したいです。
あらためて、みなさんのプロジェクトがどんな
「未来のあたりまえ」につながるのかを教えてください。- 小堀
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場所を選ばずに、受けたい人が、受けたい医療を受けられる世界。高度な医療が身近になった世界。そして、大袈裟かもしれないけれど、あらゆる国・地域の全ての人が健康になれる世界。そんな世界を「未来のあたりまえ」にしたいと考えています。
- 茂木
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僕たちの心の中には常に「生活者」があります。目の前の技術が、誰のための・何のための「未来のあたりまえ」につながっていくのか、ということをいつも意識していますね。
最後に、これからの挑戦を教えてください。
- 茂木
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とにかく今は、数字(売上・利益)につなげることを考えています。若手社員だからといって、「ここまでやれたら、まあ十分でしょう」という甘えはありません。常に自分ができることについて、先輩と同じ視座で、挑戦していきたいです。
- 小堀
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あと一息ではありますが、まだ十分な収益の獲得には到達できていません。「新規ビジネスとしての成功」をまずは成し遂げなければなりません。もう一つ、私には新人のころからの夢がありまして――。「新規ビジネスのアイデアがひらめいて、実際につくり出す」そんな人になりたいんです。今回のテーマでは、多くの社員やパートナーのアドバイスや支援があってここまで来られたのですが、今後はその恩返しのためにも、また新しいビジネスを生み出したいですね!

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