警視庁
~警視庁サイバーセキュリティ対策本部での研修実施レポート~ 安全・安心なメタバース空間づくりへの取り組み
DNPはクレジットカードをはじめとする重要印刷物などの製造事業を通じて、セキュリティ管理などに長年取り組んできました。XRコミュニケーション®事業では、培った知見にメタバースなどのXR技術を取り入れた、安全・安心な社会実装型のサービス提供を行っています。 その一環として、2023年度より警視庁サイバーセキュリティ対策本部と連携した「サイバーセキュリティ対策セミナー」を実施しています。 今回は、2024年度のセミナーの様子を中心に、XRコミュニケーション事業で提供しているサービスにおける安全・安心の取り組みをご紹介します!
DNPで培われてきた「セキュリティ」のノウハウ
DNPと「セキュリティ」。一見、相互に関係性のない言葉の組み合わせに見えて、実はDNPの祖業である「印刷・製造事業」と深い関わりを持っています。
例えば、DNPはクレジットカードやIDカードなど、ユーザーの個人情報などの重要情報を含む印刷物の製造を長年手掛けてきました。機微な情報を取り扱うため、当社の製造工場では、金属探知機での不正持ち出しのチェックなど、物理的なセキュリティ対策はもちろん、どの社員がいつシステムにログインし、どんな情報にアクセスしたかなどの行動ログの確認なども日々厳重に行っています。
DNPではこうした重要印刷物の製造をセキュアに遂行するために蓄積したノウハウを、XRコミュニケーション事業やその他さまざまなサービス分野の開発で活かしています。
詳しくはこちら。
「“安全・安心”なメタバース空間」をつくるための取り組み
昨今、さまざまなデジタルコミュニケーション手法が開発されるなか、メタバースやXR分野でも、従来のエンターテインメント利用から、行政・教育分野など実際に社会インフラとして利用するサービスへと転換しています。
DNPでは、XRコミュニケーション事業を通じて、安全・安心にサービスを利用いただけるよう、サービス開発だけでなく、セキュリティ環境やプライバシーの保護機能の開発、メタバースサービスを導入している企業や団体に対して実証事業の実施支援や、正しい空間利用に関する情報提供活動も行っています。
2024年9月に開催した、警視庁サイバーセキュリティ対策本部との「サイバーセキュリティ対策セミナー」もその一環であり、今回は研修の様子などをご紹介します!
警視庁サイバーセキュリティ対策本部と実施した「サイバーセキュリティ対策セミナー」
DNPは、2023年7月にサイバーセキュリティに対する危機管理訓練や認知啓発を目的とした「メタバースを利用した訓練実施委託」に採用されました。
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その関連活動として、警視庁サイバーセキュリティ対策本部と連携し、警視庁職員のみなさまを対象としたメタバース空間上で起こりうる安全に対するリスクの周知や、リスクに対する対応力の向上を目的とした「サイバーセキュリティ対策セミナー」を2023年に引き続き実施させていただきました。
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セミナーの中では、メタバースが今後求められる背景や現況の活用事例などを紹介したのち、メタバース空間上で行政サービスを受けることのできる「メタバース役所」を題材にした空間内での迷惑行為・犯罪行為の対処方法についてのクイズを実施。また、実際にメタバース空間に参加いただき、インシデント対応訓練などの体験会を行いました
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メタバースを活用した「サイバーセキュリティ演習」
セミナー内では、警視庁サイバーセキュリティ対策本部に導入いただいている、メタバース空間でアバターを介してサイバーセキュリティのインシデントに対応するシミュレーション訓練をこれから受講する方向けに紹介しました。
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本サービスは、時間や場所の制約が少ないメタバースで、受講者がリアルに集まることなく訓練ができることに加え、メタバース空間内で参加者に役割(ロール)を割り当て、ボイスチャット機能を活用して互いにコミュニケーションを取りながら、協力して訓練シナリオを進めることができます。
そして、従来は座学で行っていた研修をメタバースで提供することで、より深くアクティブな学びに繋げられると期待しています。
〈関連リンク〉
DNPが取り組むメタバース空間の「安全・安心」
今後、メタバースやXR技術の活用は拡大すると見込まれています。一方、だれもが「安全・安心」に利用できるよう、セキュリティ面などを担保する機能や空間構築を引き続き開発していく必要があります。
例えば、メタバース役所では、個別相談ブースでの音声が外に漏れないよう、また、外部の方が相談ブースに入れないよう、プライバシー保護の機能を有しています。
DNPでは、社会インフラとしてメタバースが活用されるには、誰もが安心して利用できる空間が不可欠と考えます。
そのため、空間の利便性やデザイン性はもちろんのこと、DNPならではのセキュリティチェック項目を設け、品質を保っています。
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おわりに
デジタル上での情報のやり取りが今後も増える見通しのなか、利用者の「安全・安心」を守れるサービスや機能の開発・拡充を推進することは重要なポイントです。
同時に、公共団体や自治体の方など、関係者と連携しながらこの取り組み広げていくことも大事な視点と考えます。
本記事で紹介したサービスに関しましては、下記よりお問合わせください。
XRコミュニケーションは、DNP大日本印刷の登録商標です。
※この記事は2024年11月時点のものです。