TAME Range

サイバー被害の増大

近年、デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、企業や官公庁・自治体をターゲットとした、標的型サイバー攻撃が増加しています。ホームページの改ざんや機密情報の漏洩、重要インフラへの攻撃による被害の事例が増大しており、高度化するサイバー攻撃を受けて企業の事業継続性が脅かされるリスクが高まっています。

情報セキュリティ従事者の不足

サイバー攻撃に備えるには、攻撃に気づいた際に早く適切に対処ができる、セキュリティ人材を確保しておくことが重要です。しかし企業内の情報セキュリティ業務従事者は慢性的に不足しており、また充足している企業においてもスキル不足という課題があると、IPA 独立行政法人 情報処理推進機構が発表しています。企業にとってサイバー攻撃による被害を抑止するためのセキュリティ人材の養成は急務であり、企業経営の大きな課題となっています。

DNPのセキュリティ人材育成の取組み

DNPは国内有数の個人情報取扱事業者として、情報漏洩阻止など高レベルなセキュリティ対策に常に取り組んでおり、そのノウハウに基づいた各種セキュリティツールおよびサービスをお客様に提供しています。人的セキュリティ対策の1つとして自社内でのセキュリティ人材の育成を計画的に進めており、サイバー攻撃の体験及び対処訓練のために、TAMERangeを活用しています。

TAME Rangeの特長

サイバー防衛の訓練には、リアリティが重要です。テキストのみによる座学での講義を受けるだけでは、実際のインシデントの際に刻々と変化する状況を正しく理解し、対処・報告を行うのは困難です。TAME Rangeを使用してサイバー攻撃への対処訓練を重ねることで、分析・探索・除去・確認・報告をより迅速かつ正確に進める能力を獲得できます。

標的型攻撃などの実例に基づく攻撃シナリオによるリアルな防御トレーニング

一般的な企業のネットワークシステムを仮想環境（サイバーレンジ）で再現し、本物のマルウェアを使ったサイバー攻撃のシミュレーションを実行します。サイバー攻撃のシナリオは、実例に基づいたリアルな内容を多数用意しており、各シナリオを体験することで、古典的な攻撃手法から最新のインシデント事案まで、多彩な攻撃事例と対処方法を学ぶことができます。多くの事例を経験することで、未体験の攻撃にも対応できるスキルを修得することを主眼に置いているシステムです。

多様なサイバー攻撃に対応できるチームおよびサイバーセキュリティリーダーを養成

1ライセンスで1チーム4人単位、最大4チームを同時に訓練することが可能です。チームで取り組むことで、組織としてのチームワークも向上します。セキュリティリーダーが各メンバーの役割やタスクを設定し、情報を総合的に判断して次の行動を指示することで、指揮能力を習得することができます。

受講者の学習進捗および達成レベルを自動判定する独自の進捗管理システム

制限時間内にサイバー攻撃の検知・分析・遮断・駆除を行い、リーダーによる報告までを訓練します。受講者の理解度と対処進捗を自動的に管理できる独自の機能を備えています。

TAME Rangeは、世界トップレベルのサイバーセキュリティ技術を持つIAI（イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ）の訓練システムで、高度化するサイバー攻撃に対して適切に対応・判断できるセキュリティリーダーの養成と、未知の攻撃に対応できるスキルの修得に主眼を置いています。TAME Rangeは、現実の脅威に対抗できるレベルまでの技術者の能力向上が見込める訓練システムです。またDNPは、TAME Rangeを用いた情報セキュリティ強化に関する企業へのコンサルティングを行い、技術者の養成を支援します。