hontoで見る購買分析レポート vol.2
大日本印刷株式会社(DNP)が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」での購買データを集計してレポート化。
今回は購買データに加え生活者に対して実施した「本・読書に関するアンケート」の抜粋版もレポート化しています。
※このレポートはhontoサイトとhontoサービス実施店の丸善・ジュンク堂書店、文教堂などで購入された書籍の販売データをもとに集計しています。
※集計期間:2024年7月1日~7月31日
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詳細レポートの提供は出版社様のみとさせていただきます。
目次
(本の情報を手に入れる媒体・書店に行くときの意識)
本・読書に関するアンケート
2024年7月に「本・読書に関する調査」を実施しました。
この調査では「本の情報源」や「書店での購入意欲」「ジャンルごとの購入の決め手」などについてアンケートを回収し分析を行いました。
\アンケートピックアップ/
10代~20代はSNSや友人から本の情報を得る!
本の情報を手に入れる情報源について聞いたところ、10代~20代はSNSや友人から本の情報を得る機会が多い傾向でした。年齢が高い層は新聞・雑誌記事で情報を仕入れているケースが多くなります。
一方、書店店頭・自社サイト、TV・ラジオやインターネット記事などは年齢による差が少なく幅広い世代が活用している媒体ということがわかりました。
■年代別本の情報を手に入れる媒体
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\アンケートピックアップ/
書店に行く理由は目的買い?新たな出合い?(書店に行くときの意識アンケート)
書店に行くときの意識について調査しました。その結果、目的の本があっての来店が54.0%と高い結果となりました。
ただし、目的の本だけではなくほかの本にも出合いたいと考えながら来店するケースも多く選ばれていました。前問で書店は情報を得る場と捉えている生活者も多いことから「本との出合い」も求めている方が多いこともわかりました。
■書店に行くときの意識
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■調査概要
調査タイトル:本・読書に関する調査
調査期間:2024年7月31日~8月4日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:1年以内に書籍購入のあったhonto会員
(n=1277)
■アンケート項目
・本の情報を手に入れる情報源について
・趣味や日頃よく見るSNS・Webサイトについて
・日頃よく利用する書店の距離・アクセスについて
・書店に行くときの目的買い意識について
・書店に行った際の買う割合(買わずに帰る割合)について
・書店のまわり方について
・ジャンルごとの購入の決め手(下記5ジャンル)
小説、エッセイ(文庫含む)、コミック、
実用書・ビジネス書、絵本、児童書、旅行ガイド
*記載以外のアンケート結果を知りたい方は“お問合わせ”よりご連絡ください。
(小説・文学、文庫ジャンルにおけるランキング+性年代分析)
2. 1位には話題の文庫、3位には話題の新刊がランクイン。さらに直木賞受賞作品も上位。
小説・文学、文庫ジャンルの7/1~7/31販売数ランキングを掲載。
1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
7月は映像化もされたガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説が文庫化され1位に。3位には柴田哲孝さんが書く、首相暗殺事件を題材にしたサスペンスが入りました。
25位に第171回芥川賞・直木賞にて直木賞を受賞した「ツミデミック」が入る結果となりました。
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「百年の孤独」は男女ともに人気!「助太刀稼業」「暗殺」は男性ファンが強い結果に。
1位の「百年の孤独」は男女ともに購入されていますが、男性の50代以上がボリュームゾーンとなっています。2位の「さらば故里よ 助太刀稼業」は佐伯泰英さんのファンも多く男女60代以上が多い結果でした。3位の「暗殺」はテーマからか男性人気となっています。
7位「くらのかみ」などは20代・30代女性の割合が高い傾向です(詳細レポートでは10位まで記載)。
1位:百年の孤独 (新潮文庫)/ガブリエル・ガルシア=マルケス(著)/新潮社
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2位:さらば故里よ 助太刀稼業(一)(文春文庫)/佐伯泰英(著)/文藝春秋
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3位:暗殺/柴田哲孝(著)/幻冬舎
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(経済・ビジネスジャンルにおけるランキング+性年代分析)
3.働く人の悩みに寄り添う書籍が上位に!
経済・ビジネスジャンルの7/1~7/31販売数ランキングを掲載。1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
慶応大学教授今井むつみさんの「「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?」(5月発売)が1位をキープしています。休養学は2月の発売以降ビジネスパーソン・経営者の支持を受けて売上を伸ばしています。
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経済・ビジネスジャンルは男性30~50代が支える結果に!
「「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?」は男女とも50代が多く、後輩や部下が増える中で悩みを抱える層が手に取っていると予想されます。2位の「決算分析の地図」は男性が広い世代で買われていて、3位の「休養学」は女性の購入者も一定層動いている傾向です。
一方で8位の「移動する人はうまくいく」などは20代・30代の割合が4割と若い世代に読まれています(詳細レポートでは10位まで記載) 。
1位:「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?/今井 むつみ (著)
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2位:決算分析の地図 財務3表だけでは辿りつけないビジネスモデルを視る技術/村上 茂久 (著)
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3位:休養学 「休み方」を20年間考え続けた専門家がついに編み出したあなたを疲れから救う/片野 秀樹 (著)
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(暮らし・実用ジャンルにおけるランキング+性年代分析)
4.7月の暮らし・実用ジャンルは人気著者の最新刊を中心!
暮らし・実用書の7/1~7/31販売数ランキングを掲載。1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
1位は人気の「syunkonカフェごはん」シリーズ、5位「今日から変わる わたしの24時間」もOURHOMEのEmiさん20冊目の最新刊となりました。
3位はポパイウェブにて連載をした坂口恭平さんの人気マンガ連載『生きのびるための事務』が入る結果になっています。
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健康維持・体質改善関連は男性に、料理本は女性に人気
1位は「簡単絶品レシピ」ということで30~50代の働く女性からの支持が高い結果となっています。また、3月発売の「糖質疲労」は徐々に女性比率が高まっている傾向です。
3位の「生きのびるための事務」は男女半々と多くの人が手に取りやすい作品となっています。
1位:syunkonカフェごはん8 読むとやる気が出る簡単絶品レシピ/山本ゆり(著)/宝島社
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2位:糖質疲労 「疲れやすさ」と「老化」の正体/山田 悟(著)/サンマーク出版
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3位:生きのびるための事務/坂口恭平(原作)/マガジンハウス
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5.集計期間の購買上位作品の併売分析
①百年の孤独/ガブリエル ガルシア=マルケス (著)/新潮社
書籍は世界的ベストセラー小説の文庫版。
スペイン文学やサスペンスなどの文庫が併売されています。
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②「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?/今井 むつみ (著)/日経BP
“新書大賞2024”の大賞「言語の本質」の著者最新作。
併売では言語やコミュニケーション関連の書籍が並びます。
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③syunkonカフェごはん8 読むとやる気が出る簡単絶品レシピ/山本 ゆり(著)/宝島社
「syunkonカフェごはん」シリーズ最新刊。人気コミックとレシピ本、雑誌が入り混じったランキングとなりました。
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6.SNSと書籍の購買データでみる直木賞
直木賞受賞作品「ツミデミック」の売上と投稿数との相関を日別グラフで追ってみると、受賞発表が7/17の夕方であったため発表翌日の販売が伸びている傾向です。
候補作品発表は6/13の朝5時だったこともあり当日の購買が伸びています。情報公開のタイミングで購買に影響が出ていることがわかります。
「ツミデミック」を候補作発表時点からの「販売数」と「投稿数」を日別で可視化
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