hontoで見る購買分析レポート vol.1
大日本印刷株式会社(DNP)が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」での購買データを集計してレポート化。 随時、出版社の気づきにつながる分析レポートを提供していきます。このレポートはhontoサイトと、honto サービス実施店の丸善、ジュンク堂書店、文教堂などで購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに集計しています。※集計期間:2024年4月1日~4月30日
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目次
(コミックジャンルにおけるランキング+性年代分析)
1.呪術廻戦、葬送のフリーレンの新刊が上位!春アニメ作品の新刊にも注目
コミックの2024/4/1~4/30販売数ランキングを掲載。1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
「呪術廻戦26」「僕のヒーローアカデミア40」「葬送のフリーレン13」など新刊を中心にランキングに入ってきています。出版社では集英社、小学館作品が上位となっていて、24年春アニメの僕のヒーローアカデミア、怪獣8号、黒執事などの新刊も上位に来ています。
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「呪術廻戦」「名探偵コナン」は女性に人気。「葬送のフリーレン」「怪獣8号」は男性ファンが支える
コミックジャンル上位10作品と2024/4/1~4/30で購入したhonto会員の性年代となります。
「呪術廻戦26」は10~30代が半数、「僕のヒーローアカデミア 40」は30代~40代が半数、「葬送のフリーレン13」は40代~50代が半数と上位でも購買者層が割れる結果となっています。10代の割合で見ると「呪術廻戦26」 「僕のヒーローアカデミア40」「名探偵コナン105」が5%を超えている。
1位:呪術廻戦26/芥見 下々(著)/集英社
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2位:僕のヒーローアカデミア40/堀越 耕平(著)/集英社
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3位:葬送のフリーレン13/山田 鐘人(著)/小学館
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(文芸ジャンルにおけるランキング+性年代分析)
2.「本屋大賞」作品が1位。ノミネート作品もランクイン!
文芸の4/1~4/30販売数ランキングを掲載。1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
1位は、本屋大賞受賞作品の「成瀬は天下を取りにいく」、3位は3月に映画公開された「変な家」が引き続き好調。「水車小屋のネネ」「スピノザの診察室」「存在のすべてを」などの本屋大賞ノミネート作品もランクインした。36位は2021年10月発売された「N」、今年1月に小説紹介クリエイターのけんごさんがTikTokやYouTubeで紹介し話題となった。
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「変な家」「spring」「レーエンデ国物語 夜明け前」は若い世代にも浸透
文芸ジャンル上位10作品と2024/4/1~4/30で購入したhonto会員の性年代となります。
本屋大賞受賞の「成瀬は天下を取りにいく」や「俺たちの箱根駅伝 上下」は男性を中心に、3月に映画化もされた「変な家」や「レーエンデ国物語 夜明け前」「spring」は女性を中心に買われている傾向。「変な家」「spring」「レーエンデ国物語 夜明け前」は全体の傾向に比べて若い総の購入が特徴的。
1位:成瀬は天下を取りにいく/宮島 未奈(著)/新潮社
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2位:成瀬は信じた道をいく/宮島 未奈(著)/新潮社
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3位:変な家2/雨穴(著)/飛鳥新社
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(実用書ジャンルにおけるランキング+性年代分析)
3.3月発売の「糖質疲労」が4月の新刊を抑え1位
実用書の2024/4/1~4/30販売数ランキングを掲載。1位作品の販売数を100%とした売上比率となります。
1位の「糖質疲労」は新聞広告や多くのビジネス雑誌・ニュースサイトに記事が掲載、TBSラジオで紹介されたりするなどして好調。3位の「脳と身体を最適化せよ!」もSNS上での露出が多く上位をキープしている。13位の「弁当にも使える やる気1%ごはん作りおき」はレシピ本大賞受賞シリーズの第三弾。今年1月発売から好調を維持。
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健康維持・体質改善関連は男性に、料理本は女性に人気
文芸ジャンル上位10作品と2024/4/1~4/30で購入したhonto会員の性年代となります。
テーマによって男女比が大きく変わるものの、年代では実用全体として40代以降の層をつかんでいる傾向。
ジャンルとしては健康維持・体質改善関連は男性に、料理本は女性に人気の傾向。
「無敵の100歳」「病気の9割は歩くだけで治る!」は半数以上が60代以上に。
1位:糖質疲労/山田 悟(著)/サンマーク出版
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2位:名馬堂々2/文藝春秋
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3位:ステッチイデー42/日本ヴォーグ社
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(集計期間の購買上位作品の併売を分析)
4.「成瀬は天下を取りにいく」は他の書籍と併売もされやすい傾向
①成瀬は天下を取りにいく/宮島 未奈(著)/新潮社
2024年本屋大賞の大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」。同著者の作品や本屋大賞ノミネート作品、売れ筋の文庫、新刊コミックなどジャンルを問わず人気作品が併売されている傾向。
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②白鳥とコウモリ 上/東野 圭吾(著)/幻冬舎
2024年4月に売れ行き好調の文庫「白鳥とコウモリ」上・下。4月新刊の文庫、本屋大賞受賞作品、新刊コミック、映画化作品と広く併売されている。
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③呪術廻戦 26/芥見 下々(著)/集英社
2024年4月に売れ行き好調のコミック「呪術廻戦 26」。コミック作品が上位を占めている。 「呪術廻戦」同様、週刊少年ジャンプでの連載作品が併売されている傾向。
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④糖質疲労/山田 悟(著)/サンマーク出版
2024年4月に売れ行き好調の実用書「糖質疲労」。経済や健康に関する書籍や新書が並び、新刊のコミックや文庫は併売されていない傾向。
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ジャンル横断図
「成瀬は天下を取りにいく」は他の書籍と併売もされやすい傾向
対象4作品の併売作品を図に表したものとなります。印が太いほどランキング上位です。
同ジャンル、関連作品を買う傾向もあるが、売上上位作品はジャンルの垣根を越えて、併売されやすい。
「成瀬は天下を取りにいく」は本屋大賞のノミネート作品や続編をまとめ買い「白鳥とコウモリ」は文庫「呪術廻戦」はコミック「糖質疲労」は同ジャンルの併売が多くあまり文芸やコミックを併売する傾向は少ないが「成瀬は天下を取りにいく」など話題性の高い作品は併売する傾向がみられる。
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(タイトルに使われている県名、地域名などを集計しランキング化)
5.「今回の注目ランキング」国内ガイドブック今年は“九州”“奈良”に注目!
国内のどこの地域のガイドブックが売上数を伸ばしているかを明らかにすることで、棚展開や重版検討の参考になると考えています。今回は書籍のタイトルに使われている県名、地域名などのキーワード別でランキング化しました。【地図旅行>国内ガイド】ジャンルに分類される書籍をキーワード別に書籍数と売上数比率を集計。
2024年2月~4月を昨年と比較すると、ランキング上位の大きな変動はなし。 九州は「地球の歩き方北九州市」が売れ行き好調でランクアップ。全国初の市版の書籍であり、誕生の経緯を出版社の社長が経緯を明かし話題となった。 奈良は JR東海の奈良キャンペーンや2024年の大河ドラマ『光る君へ』のゆかりの地でもある。るるぶ、まっぷるに続き、飲食店100軒を収録した 「奈良100選」も売れ行き好調。名古屋は2022年11月、長久手市にジブリパークが開業し注目を集めているものの、昨年からはランクダウンしている。
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