【住設不動産・建設業向け】メタバースの基礎 〜概要からビジネスにおける活用方法までご紹介〜
近年、テクノロジーの発展とともに、さまざまな場面でメタバースということばを耳にするようになりました。 しかし、何となくイメージは湧くものの、メタバースの具体的な定義や活用方法をきちんと説明できる自信がないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで本記事では、メタバースの定義から注目される理由、将来性、不動産・建設業における活用事例などをわかりやすく解説します。(2024年6月時点の情報です。)
目次
1.
メタバースとは
2.
メタバースの将来性
3.メタバースの用途
4.まとめ
1.メタバースとは
メタバースの定義
メタバースとは、デジタル技術を基盤として形成されるインターネット上の仮想空間です。
ユーザーは、このデジタル空間上でさまざまなコミュニケーションや活動を行えます。
また、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術の組み合わせにより、メタバースは現実の物理的制約を超えて新しい体験を提供する場として注目されています。
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メタバースが注目される理由
メタバースは、主に以下3つの要素が組み合わさって、大きな注目を集めています。
・技術の進展(特にVRやARの普及)がユーザーに圧倒的な没入感を提供し、革新的なデジタル体験を可能にした
・コロナウイルスの影響でリモートワークやオンラインでのコミュニケーションが増加し、
デジタル空間での新しい体験やコミュニケーションの形を強く求める動きが生まれた
・新たなビジネスの可能性や社会的な交流の場としても、メタバース活用の有効性が認知されてきた
2.メタバースの将来性
メタバースが広く認知されるようになり、多くの人が興味を持つなか、今後はどのように活用されていくのでしょうか。
この章では、メタバースの今後の展開、社会やビジネスへの影響について解説していきます。
メタバースの展開
メタバースの発展により、世界各地のユーザーが一つの仮想空間で交流する、グローバルなプラットフォームも出現しています。
異なる文化・背景を持つ人々とのコミュニケーションが盛んになり、多様性あふれるコミュニティ形成の場としてメタバースはさらに発展していくでしょう。
また、メタバース内での取引や仕事の機会も増えており、複数の大手企業の協働によるロールプレーイングゲームのような世界観を持つBtoBオープン・メタバース基盤や独自の経済圏構築の動きもあります。
メタバースが社会にもたらす影響
メタバースが社会にもたらす影響は非常に幅広く、人々の生活をドラスチックに変革させています。以下では、主な変化の事例をご紹介します。
・コミュニケーションの進化
メタバースは、人々がコミュニケーションを取るための新しい空間です。
身体的距離や地域を問わず、全世界のユーザーとの交流を可能としています。
・教育の変革
学びの概念が変わり、バーチャルな講義や講演会も一般的となりました。質の高い教育資源に、だれもが平等にアクセス可能な環境が整いはじめています。
・働き方の変容
労働の形態も変化し、遠隔での仕事やコラボレーションが増加しました。これにより、ワークライフバランスの向上や、地域に縛られない柔軟な働き方を実現する企業が増えています。
・価値観・文化の変革
リアルとバーチャルの境界の曖昧化にもつながっています。メタバースは、すでに単なる仮想空間から、私たちの生活の中心となる新しい現実を形成しつつあり、バーチャルアイデンティティーの重要性も増しています。
企業や産業へのインパクト
メタバースにより新しいビジネスモデルが生まれ、企業や産業全体に大きなインパクトをもたらしています。
特に、不動産、住宅業界では、仮想空間での新たな展開が見受けられます。
仮想空間上での販売チャネルの確立、さらには「メタバースファッションウィーク(※)」といったメタバース上でのイベントなど、今までにない取組みが進んでいます。
また、マーケティングのアプローチが変化し、メタバースに特化した戦略も重要視されはじめています。
こうしたメタバースによる変革は、企業の競争力を大きく左右する可能性があります。
時代の流れに取り残されないよう、迅速かつ適切に対応・適応することが求められるでしょう。
3.メタバースの用途
ここまで、メタバースの可能性や将来性について解説してきましたが、実際にはどのような用途があるのでしょうか。
この章では、不動産・建設業を中心にメタバースが活用されている分野や場面をご紹介します。
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不動産業界での活用
メタバースは、不動産業界でのデジタルトランスフォーメーションを加速させています。
例えばメタバースを活用した住宅展示場では、企業・顧客の双方に大きなメリットを作りだしています。
・制約を超えた住宅展示場見学体験の提供
メタバース空間であれば、時間や場所を選ばず、住宅展示場の内部をさまざまな視点から見学できます。
実際の寸法やデザインが忠実に再現されているため、まるで現地にいるかのような体験が可能です。
・自由なカスタマイズ
家の色の変更や家具の配置など、細かな設定が簡単にシミュレーションでき、かつリアルタイムに反映されます。これにより、理想の住まいのイメージを固めていくことにつながります。
・スムーズなコミュニケーション
購入希望者は、疑問や要望を即座に企業側へ伝えることが可能です。
これにより、コミュニケーションの密度や品質、顧客満足度の向上につながります。
建設業界での活用
建設業界におけるメタバースの活用は、仮想空間を利用して効率的かつ創造的なプロジェクトを進めるための新しい手法として注目されています。
・設計・完成イメージの共有
メタバース内で設計データをもとにした3Dモデルを作成することで、関係者やクライアントに対して具体的かつリアリティーを持ったイメージを共有できるようになります。これにより、設計の意図や変更点を直感的に伝えることができ、関連メンバーの理解度向上に寄与します。
・建設プロセスのシミュレーション
プロジェクトの進行やスケジュールをメタバース内でシミュレーションし、施工の順序や工程を事前に検証することが可能です。これにより、潜在的なリスクを早期に発見し、現場でのトラブルを未然に防ぐことができます。
・メンテナンスや管理
建物のメンテナンス・管理において、デジタルツインを活用することで、定期的な点検や修理箇所をシミュレートすることができます。デジタルツインとは、現実世界や物理空間を仮想空間上に再現する技術のことです。これにより、効率的なメンテナンス計画を策定し、実行できます。
4.まとめ
メタバースの活用・影響範囲は広く、社会全体や企業、産業における革新的な変化が期待されています。
特に、不動産や建設業界では前述したように多くの活用事例が存在しています。
今後もさまざまな場面で活用が広がっていくでしょう。
新たな企業価値の創出にもつながるメタバースの活用を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。