住設不動産・建設産業界におけるメタバースの代表的な活用事例とは?導入の流れや進め方もご紹介

メタバースの世界は日々進化しています。多くの企業で導入が進んでいますが、「具体的な活用方法がわからない」「実際の導入プロジェクトはどう進めるべきか」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。 そこで本記事では、住宅・住設・不動産業界のメタバース活用事例や具体的な進め方、プロジェクトの成功ポイントを解説していきます。 メタバースの導入を検討中の方や、さらなる活用法を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。 (2024年6月時点の情報です。)

目次

1. メタバースの具体的な活用事例
2. メタバース活用の進め方:4ステップで解説
3.メタバース導入プロジェクトを成功させるためのポイント
4.まとめ

1.メタバースの具体的な活用事例

メタバースとは、デジタル技術をベースに形成されるインターネット上の仮想空間です。
国内外問わずさまざまな企業が、新たな価値を生み出すためにメタバースを活用した取組みをはじめています。
この章では、メタバースが住宅・住設分野でどのように用いられているのか、具体的な活用事例をご紹介します。

メタバース上での住宅展示場見学

メタバースの登場により、仮想空間上に住宅展示場を展開する企業が増え、顧客は自宅などから気軽にモデルハウスを見学できるようになっています。

【特長】
・展示場を訪れる必要がないため、24時間いつでも好きなときに見学が可能
・3DモデルやVR技術を活用し、実際の住宅のように歩き回れるほか、家具の配置や壁紙の色を変えるなどのカスタマイズも可能
・購入希望者や不動産業者と遠距離でもコミュニケーション可能

チャットボット機能を入れたサービスイメージ

建設プロジェクトのバーチャルプランニング

メタバースを使用して建築プロジェクト・完成イメージの仮想モデルを作成し、ステークホルダーがリアルタイムで確認やフィードバックを行えるようになります。

【特長】
設計段階でのコミュニケーション円滑化
・設計変更やミス・想定リスクなどに迅速に対応可能
・よりリアルに近い視覚的な事前確認が容易であり、顧客満足度や安心感の向上を実現

アバター機能を入れたサービスイメージ

メタバース上でのイベントの開催

メタバース上でのイベント開催は、すでに多くの事例があります。
物理的な制約から解放され、新たなエンターテインメント体験を提供することに成功しています。

【特長】
・メタバース上での著名人や有名人のブッキングイベントは、物理的な距離の制約がないためリアルなイベントよりも多くの人々が参加しやすい
・イベントの規模や内容に合わせて、仮想空間のデザインや機能をカスタマイズ
・参加者自身がアバターとしてメタバース上のイベント空間に参加可能

2.メタバース活用の進め方:4ステップで解説

メタバースの導入を成功させるための具体的なステップをご紹介します。
以下4つのステップに沿って進めることで、効果的なメタバース活用が可能となるでしょう。

ステップ1:市場やサービスの理解

まず、市場の動向やターゲットとなるユーザーのニーズを深く理解することが重要です。
これにより、どのようなサービスを提供すべきか、自社のビジネスモデルにどのように適応させるべきか、といった方向性が見えてきます。

さらに、メタバース特有の技術的要件や規制についても事前に把握しておくことが必要です。
これには、VR/AR技術のトレンドやデジタル資産の管理方法などが含まれます。

ステップ2:事業戦略・事業計画の立案

事業の戦略・事業計画を明確にしていきます。
どのようなサービスを展開するのか、どのターゲットに焦点を当てるのかなどを具体化しつつ、リソースや期限を考慮しながら計画に落とし込んでいきましょう。

ステップ3:開発

立案した計画にもとづき、実際のサービスやプラットフォームの開発を開始します。
サービスの質を高めるためには、この段階で適切なフィードバックやテスト・改善を繰り返すことが不可欠です。
技術的なハードルも認識した上で 、ユーザーエクスペリエンスを重視して開発を進めていきましょう。

ステップ4:運用・コンテンツの進化/拡大

サービスが立ち上がったら、運用フェーズに入ります。
ユーザーの反応やデータをもとに、コンテンツの進化やサービスの拡大を図り、継続的な成長をめざしましょう。

また、コミュニティーの管理やユーザーサポート体制の構築も欠かせません。
ユーザーからのフィードバックを積極的に収集し、迅速に対応することが、満足度の高いメタバース体験につながります。

3.メタバース導入プロジェクトを成功させるためのポイント

メタバース導入のプロジェクトを成功させるためのポイントを3つご紹介します。

プロジェクトの目的と目標の設定

メタバースを導入する意義や、なにを達成したいのかを明確にしましょう。
目的を明確にすることで、プロジェクトの方向性が見えやすくなり、関係者との認識のズレが発生するリスクを低減できます。
例えば、メタバースを使用して新しい顧客層をターゲットにする場合、目的は「新市場の開拓」、目標は「半年で新規ユーザー数をX人増加させる」などが考えられます。

チームビルディング:各役割の明確化

メタバースを導入する際には、デザイナーや開発者、マーケティング担当者など、さまざまな人材が必要となります。
これらのエキスパートを適切に配置することが重要です。
例えば、デザイナーはバーチャル空間の設計やユーザーエクスペリエンスの設計、開発者はシステムの構築やメンテナンス、マーケティング担当者は導入前後の宣伝やプロモーションを担当するなど、それぞれの役割を具体的に定義しましょう。
役割や責任を明確にすることで、効率的なプロジェクト進行が可能となります。

進捗管理とフィードバック

プロジェクトの進行中は定期的に進捗状況をチェックし、必要に応じて調整しなければなりません。
進捗管理ツールを活用することも一つの手段となるでしょう。
タスクの進行状況や達成度を一目で確認でき、効率的な作業進行やリソースの最適な配分が可能となります。

4.まとめ

メタバースは、国内外や業種を問わずさまざまな場面で活用されています。
住宅展示場からショッピングやライブイベント、企業のバーチャル会議まで、その活用範囲は広く、今後も拡大を続けるでしょう。
メタバースの導入を進める際は、ポイントを押さえた上で、適切な導入ステップを踏むことが重要です。
本記事を参考に、新たなテクノロジーであるメタバースの導入・活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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