【住設不動産・建設業向け】メタバースの構築・活用に役立つ主なサービスと選定方法とは

近年では、メタバースがさまざまな業界で注目を集めており、メタバースを構築・活用するための新たなサービスが次々と誕生しています。
住設不動産・建設業においてもメタバースの活用が急速に拡大しています。バーチャル展示会や仮想内覧、建築プロジェクト管理や建屋完成イメージの仮想空間上での構築・修正などさまざまな領域でメタバースが効果的に利用されています。これにより、顧客との接点増加や営業活動の効率化、ステークホルダーの満足度の向上につながっています。
しかし、多種多様なメタバースサービスのなかから、自社にとって最も効果的なサービスをどうやって選べばよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、メタバースの構築・活用に役立つサービス例や選定のポイント、注意点を詳しく解説していきます。(2024年6月時点の情報です。)

DNPの社内イベント“未来づくりミーティング”での利用イメージ

目次

1. メタバースサービスの選定における3ステップ
2. メタバースの構築・活用におけるオリジナル開発と既存プラットフォーム活用のメリット・デメリットとは?
3. コンサルタントの活用も検討しよう
4.サービス選定における3つの注意点
5.まとめ

1.メタバースサービスの選定における3ステップ

自社に合ったメタバースサービスを選定するための具体的なステップを解説します。

ステップ1:ビジョンや目的の明確化

メタバース活用を成功させるためには、ビジョンや目的を明確化しておくことが重要です。
ビジョンや目的が曖昧なままサービスの選定や導入を進めると、期待していた効果を得られないおそれがあります。
「新規の顧客獲得を狙う」「既存顧客とのロイヤルティを向上させる」「画期的なビジネスモデル構築をめざす 」など、具体的な目的を決めましょう。
設定が難しければ、この段階でコンサルティングサービスを利用することも検討してみてください。

ステップ2:目的達成のために必要な要件や事業内容の設定

目的を達成するための要件や事業内容を設定します。
例えば、VR技術の活用方法やユーザーインターフェイスなど、自社事業の特性に合わせて具体的な要件を設定することが必要です。
内容を詳細にリストアップすることで、適切なサービスの選定が可能となります。

ステップ3:実績豊富な企業・サービスの選定

ステップ2で検討した内容をふまえて、自社に合うサービスの選定を行っていきます。
サービス選定においては、過去の実績が重要な要素です。
ユーザーレビューや具体的な実績を参考に、企業やサービスの信頼性を確かめましょう。
サービスの選定は事業の成否に直結するため、慎重に検討を進めることが大切です。

2.メタバースの構築・活用におけるオリジナル開発と既存プラットフォーム活用のメリット・デメリットとは?

メタバースの進化に伴い、その構築や活用をサポートするサービスが数多く登場しています。しかし、すべてのサービスが自社のニーズや目的に合致するとは限りません。ここでは、メタバースの構築・活用を進めるための3つの方法について、概要やメリット・デメリット、活用場面をご紹介します。

オリジナル開発を行う場合

主な活用場面:
・事業の方向性やメタバース活用のビジョンが明確な場合
・独自のブランドイメージやユーザーエクスペリエンスを追求したい場合
・長期的なメタバース戦略を検討・推進していきたい場合

方法①他社サービス活用:
・要望やビジョンに合わせて、自社独自のメタバースプラットフォームやアプリを開発する
・自社で構築
基盤提供・アプリ開発を行うためのツール等を活用し、自社で構想~構築する
 
メリット:
・独自性の高いメタバース空間を作成できる
・カスタマイズの幅が広く、将来的な拡張性にも優れている

デメリット:
構築・導入プロジェクト推進のためには、専門的な知識やスキルが必要
・高額な初期費用がかかる

既存プラットフォームを利用する場合

主な活用場面:
・プロモーションやイベントを速やかに実施したい場合
・短期的、または一時的な活動を考えている場合
・開始までの期間やコストを最小限に抑えたい場合

方法②自社で構築:
・既存のメタバースプラットフォームを利用して、さまざまなイベントやプロモーションを実施できるサービスを活用する

メリット:
・高品質なプラットフォームを直ちに使用できるため、迅速に導入できる
・一部のプラットフォームには大勢のユーザーがすでに存在するため、集客の手間が省ける
・新規で一から構築するよりも低コストで済み、立ち上げの手間がかからない

デメリット:
使用するプラットフォームの制約内での活動となるため、自由度に限りがある
カスタマイズ性が低いことで、自社要望を満たせないおそれがある

3.コンサルタントの活用も検討しよう

メタバースの導入を成功させるためには、専門的な知識や経験が求められます。メタバースに関する知見や人材が社内に不足している場合も多いでしょう。そのような場合、メタバースに関する専門知識を持つコンサルタントを活用するケースも一般的です。
しかし、コンサルタントの活用は、メリット・デメリットがあるため、それぞれを理解した上で判断することが重要です。

主な活用場面:
・メタバースに関する知識や経験が不足している場合
・プロジェクト進行のために必要なリソースが不足している場合
・新しい市場への進出や、新たなビジネスモデルを検討している場合

方法③コンサルタントの活用
メリット:

・専門家からのアドバイスにより、業界の最新トレンドや技術動向を活用して、効果的な事業展開や失敗リスクの低減が期待できる
・競合他社との差別化や新しいビジネスチャンスの創出が期待できる

デメリット:
・コンサルティングから導入までのトータルコストが高額になりやすい
・運用開始までの期間が長期化するおそれがある
・開発・導入実行にはさらなるリソースやサポートが必要となることがある

4.サービス選定における3つの注意点

メタバースサービスを選定する際には、機能や価格だけではなく、さまざまな観点から自社にマッチするかどうかを判断しなければなりません。
サービス選定において、特に注意するべき3つのポイントをご紹介します。

注意点1:技術的なサポート・更新の有無

導入後にも継続的なサポートを受けられるかどうかを確認しましょう。
サポートが不十分である場合、技術的な問題が発生したときの対応が遅くなり、ビジネスに悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、選定するサービスが最新の技術トレンドに追従していることも重要な判断基準です。

注意点2:顧客データの安全性とプライバシー

メタバースサービスの利用を通じて、多くの顧客情報が集まります。万が一顧客情報が漏洩すれば、企業の存続に関わる重大な問題になりかねません。
そのため、プラットフォームサービス提供者がどのようなセキュリティ対策を施しているかを慎重に確認することが不可欠です。
プライバシーポリシーや機能面も詳細に確認し、自社が求める要件を満たしているサービスを選びましょう。

注意点3:将来的な事業拡張性への対応

将来的な事業拡張性への対応能力は、ビジネスの長期的な成功を左右する要因の一つです。
そのため、ビジネスの成長や変化に柔軟に対応できるサービスを選定する必要があります。
APIの提供やサードパーティとの連携が可能か、カスタマイズの自由度はどれくらいかなど、技術的な側面を確認しましょう。

5.まとめ

メタバースの構築・活用を進める際は、適切なサービスを選定することで成功につながりやすくなります。
新規構築からプラットフォームサービス、コンサルティングまで、利用シーンや自社目的に応じて最適なサービスを導入してください。
技術的なサポートやデータの安全性などを考慮しながら、適切なステップで慎重に選定を行っていきましょう。

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