サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)とは?基本的な内容や廃止の影響を解説

サードパーティークッキーは、インターネット広告において重要な役割を果たしてきましたが、近年ではその環境・状況が大きく変わろうとしています。 本記事では、サードパーティークッキーの基本的な内容や廃止に関する動き、廃止が企業や消費者にもたらす影響までを詳細に解説していきます。(2024年5月時点の情報です。)

目次

1. サードパーティークッキーとは
2. サードパーティークッキーに関する動き
3. サードパーティークッキー廃止による影響
4.まとめ

1.サードパーティークッキーとは

はじめに、サードパーティークッキーの基本的な仕組みとその役割、インターネット広告における重要性について解説していきます。

ファーストパーティークッキーとサードパーティークッキーの違い

クッキーとは、Webブラウザを通じてユーザーの行動を追跡することで、パーソナライズされた広告の表示やユーザーエクスペリエンスの向上に寄与する技術です。
企業側にとって、これらのクッキー技術の活用はオンライン広告運用やサイト分析に欠かせないものであり、デジタルマーケティングの領域において重要なテクノロジーだとされています。

関連する用語として「ファーストパーティークッキー」があります。これはユーザーが訪れたWebサイト上で発行されたクッキーを指します。対して、サードパーティークッキーはユーザーが訪れたWebサイトとは異なるドメインから設定されたクッキーを指します。

ファーストパーティークッキーは主にWebサイトの機能性とユーザー体験の向上を目的としています。一方、サードパーティークッキーは、主に広告やマーケティング最適化の目的で使用され、ユーザー行動の追跡と分析に焦点を当てています。

インターネット広告における重要性

サードパーティークッキーは、インターネット広告の世界において、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。
企業はこの技術を活用して、ユーザーの興味や行動パターンを分析し、ターゲット顧客に合わせて広告を最適化することができます。
広告のパフォーマンスを測定し、より効果的なマーケティングを行うための貴重なデータを得ることができるため、関連性の高い広告提供によるクリック率やコンバージョン率の向上を図ることができるのです。

しかし、消費者のプライバシー保護への関心が高まる中、このようなユーザー追跡方法に対する批判も増加しています。
消費者のプライバシーを尊重しつつ、効果的な広告配信を行うバランスを見つけることは、現代のデジタルマーケティングにおいて重要な課題となっています。
サードパーティークッキーの利用は広告業界に多大な利益をもたらしてきましたが、これからの時代は、プライバシーを重視した新たな広告配信手法の導入が必要になっています。

2.サードパーティークッキーに関する動き

この章では、プライバシー保護を目的とした法律による規制や、Googleなどの大手ベンダー企業による規制などの動きについて解説していきます。

法律によるサードパーティークッキーの規制

近年多くの国で、ユーザーのプライバシーを保護するために、サードパーティークッキーに関する新しい法律が導入されています。
これらの法律は、特にオンライン上でのユーザー行動に関するデータの収集と使用に関して、厳格な規制を設けています。
例として、ヨーロッパ連合の一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA)などが挙げられます。これらの法律は、企業がユーザーの許可なく個人の閲覧データを収集・利用することを制限しています。

ベンダー企業(Googleなど)による規制・廃止

ブラウザサービスなどを展開する大手ベンダー企業は、サードパーティークッキーの使用を段階的に廃止する動きを加速させています。
Googleは、自社が提供するChromeブラウザにおけるサードパーティークッキーのサポートを終了する計画を発表しており、この動きは他のブラウザにも波及しています。
これは、インターネット広告における長年の慣習であるサードパーティークッキーに依存した広告モデルの根本的な見直しを意味します。

このような法的規制の強化やベンダー企業による規制・廃止の動きは、デジタル広告業界に大きな変革を迫っています。
これらを活用するあらゆる企業は規制に対応しながらも、効果的なマーケティング手法を維持するために新しい方法を探ることが求められています。

3.サードパーティークッキー廃止による影響

サードパーティークッキーの廃止は、デジタルマーケティングの世界に大きな影響を与えると予想されています。
この章では、これらの変化が企業や消費者に及ぼす影響について解説します。

企業への影響

広告のターゲティングができない

サードパーティークッキーの廃止は、特にデジタル広告を主要な収入源としている企業や、デジタルマーケティング分析にクッキー技術を利用している企業に顕著な影響を及ぼします。
これまでの広告モデルは、ユーザーのオンライン行動を追跡し、その情報をもとにパーソナライズされた広告を提供することで、高い広告効果を達成してきました。しかし、サードパーティークッキーの使用制限によって、ターゲティングの精度と広告収益が低下するリスクがあります。

企業は、プライバシーを重視した新しい広告配信を行う必要に迫られるため、サイト閲覧者のIPアドレスや地域情報(コンテキスト情報)をもとにした広告戦略など、代替ソリューションを検討する必要があります。
具体的な代替ソリューションについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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消費者への影響

分析精度の低下

サードパーティークッキーの廃止は、消費者のプライバシー保護という観点から見れば好ましい動きです。
ユーザーのオンライン行動にもとづく 広告表示の減少により、プライバシー侵害のリスクは低下します。これは、消費者が日常的にインターネットを利用する上での大きな安心感につながる可能性があります。

しかし、広告のターゲティングが減少することにより、消費者にとって関連性の低い一般的な広告が増えることが予想されます。これにより、消費者が関心を持つ製品やサービスの情報を受け取る機会が減少する可能性があります。

さらに、多くの無料サービスが広告収入に依存しているため、サードパーティークッキー廃止の影響はサービスの質の低下や有料化を招く可能性があります。これは、消費者がこれまで享受してきたオンラインサービスのクオリティに変化をもたらすことが想定されます。

4.まとめ

サードパーティークッキーの廃止は、デジタルマーケティングの世界に大きな変化をもたらし、企業と消費者の双方に影響を及ぼします。
企業には、プライバシーを尊重しつつ効果的な広告戦略を築くことや広告モデル・データ収集方法の再構築が求められ、消費者にはプライバシー保護の強化とサービス体験の変化がもたらされることになるでしょう。

当社では、運用型Web広告サービスをご提供しており、広告の配信から効果測定、PDCAまでワンストップでご支援しています。サードパーティークッキーの廃止に伴う代替施策のご提案・ご支援もしておりますので、お気軽にお問合わせください。

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