サントリーホールディングス株式会社 様
バーチャル工場見学で新しい企業コミュニケーション/37万人がプレイした「冒険型ビール工場体験 BEER iLAND」
サントリーホールディングス株式会社様が、2021年にリリースしたオンラインコンテンツ「冒険型ビール工場体験 BEER iLAND(以下ビアアイランド)」 。天然水、ダイヤモンド麦芽、ファインアロマホップなど厳選された素材や、こだわりの製法など『ビールづくりへのこだわり』を、バーチャル空間のビール工場を疑似体験しながら体感するロールプレイング型コンテンツとなっています。
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DNPは、好評だったエピソード1に続き、2022年3月に公開されたエピソード2の制作も担いリアルの工場見学とは違う視点で、お客様体験を設計。「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール」のおいしさの秘密を見つけ出す冒険を通して、品質価値の体感をしていただける仕組みとしました。今回、サントリーホールディングス株式会社様と一緒に創りあげたビアアイランドについて、広報部の小縣亜紗子様(以下、小縣様)より、誕生秘話を伺います。
コロナ禍をきっかけにお客様との新たな体験接点を検討
Q.バーチャル工場体験というオンラインコンテンツを構想されたきっかけについて、教えてください
小縣様:
2020年当時、お客様との接点として何十年も大切にしてきた工場見学が、コロナ禍の影響でリアルでの実施が困難になってしまいました。これは今までの歴史の中でも体験したことがない状況でした。色々と情報収集を重ねていく中で、新しい体験接点を作ろうという方針となり、オンライン施策を検討することになりました。DNPさんからの自主的なご提案も大きなきっかけのひとつになりました。
DNP:
武蔵野や京都のビール工場見学の展示などを一緒に取り組ませていただいているなかで、サントリーさんが生活者の方との接点として工場見学を大切にされているのは感じておりました。
小縣様:
オンライン施策の検討にあたっては、ただ単にリアルの代替ではなく、工場見学再開後も長期的に活用でき、お客様との接点拡大を実現できるものを目指しました。
ビール業界全体で、「若者のビール離れ」や「新規トライアル流入の不足」の課題があるなかで、若年層や新規層のお客様とつながりを持つうえでも、DNPさんの提案に魅力を感じました。
工場PRという枠組みで、広報、ブランド、またデジタルマーケティング部門なども参画し、組織横断プロジェクトだったからこそ、新規性も含めて検討することができたと思います。
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新たなチャレンジに向けた不安とは
Q.バーチャル空間でアバターを操作しながらゲーム感覚でビールづくりを体験していただくというコンセプトは新しいチャレンジだったと思いますが、ご担当者として不安はありませんでしたか?
小縣様:
新しいものを創り出していくというプレッシャーを感じていました。世に出たときにお客様に喜んでいただけるのか?また、リアルの工場見学でもっとも大事にしてきた「ビールづくりのこだわり、品質価値の体感」もきちんとお客様にお届けできるのか?ということを常に考えていました。
キービジュアルやビアアイランドというネーミングひとつとっても、本当に沢山の議論をし、悩みぬいて決めていきましたが、それを通じて、周りのいろいろな人の意見を聞いて、お客様視点で最も良い方策を考えるということの大切さを感じました。このプロジェクトにはDNPさんも含めて当社もさまざまなメンバーが参加して、沢山の議論ができたことが成功の要因のひとつだと思います。
体験者数はリアル工場見学以上に!導入の成果
Q.リアルのビール工場見学には、年間約26万人(2019年度)もの方がご参加されていると伺っていました。ビアアイランドの成果としてはいかがだったのでしょうか。
小縣様:
接点の量という点では、リリースしてから昨年12月までの10カ月の体験者数が約37万人となり、リアル工場見学よりも多くの方々に体験いただくことができました。接点の質という点では、リアルの工場見学に比べて、20~30代の若年層やプレモル新規層の割合が高く出ました。お客様からも『コンテンツが魅力的』『ビールづくりのこだわりが記憶に残った』『プレモルを飲みたくなる』『今後に期待』という前向きな声を多くいただきました。社内でも徐々にコンテンツが存在感を増してきており、今後の更なる活用に向けた検討として、エピソード2の構想につながりました。
「エピソード2」の制作、公開へ
Q.この3月には続編ともいえる「エピソード2」が公開されました。続編を企画された際の方向性についてお聞かせください。
小縣様:
ビアアイランドをどう育てていくのか?はすごく悩みましたが、より多くのお客様に、ビアアイランドを体験していただきたいという想いから、エピソード2を検討しました。ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エールをテーマとした新しいコンテンツを作り、コンテンツの体験性や魅力を更に増やすことで、今まで体験していただいた方はもちろん、新たなお客様ともつながることができるのではと考えました。
DNP:
エピソード2では、〈香る〉エールの特長やつくりのこだわりの深掘りだけでなく、食事とビールを合わせる「マリアージュ」の話など、随所でエピソード1との違いを感じられますね。
小縣様:
エピソード1でお客様が楽しんでくださった、ビアアイランドの自由度や体験性はそのまま活かしつつ、「もっとビールの楽しみ方を知りたい」「新たなストーリーを体験したい」と更に期待をしてくださる声にお応えしたいという想いがありました。ミニゲームを中心とすることで、より気軽に楽しんでもらえることを意識するなど、体験性を変えることで差別化も図りました。〈香る〉エールのブランドイメージも、ビアアイランドの世界観とうまくマッチさせることができたと思います。
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パートナーとしてのDNPの評価
Q.今回、DNPをパートナーとして選んでいただきました。DNPへの評価を伺ってもよろしいですか?
小縣様:
DNPさんは、私たちクライアントと生活者の両方の視点をバランスよく持ちながらコンテンツを検討・構築してくださっただけでなく、一つひとつの案件や要望に対しても真摯に対応してくださりました。エピソード2の制作でも、新しいチャレンジに妥協せず、諦めずに寄り添っていただけて信頼できるパートナーだと思っています。
是非、今後も幅広く工場を軸としたPR活動をご相談していきたいです。
Q.最後に、今後の方針や夢についてお考えがあればお聞かせください。
小縣様:
新しいことに臆せずチャレンジし、世の中を先導していくくらいの気持ちで取り組んでいきたいです。個人的な野望としては、Twitterのトレンドにビアアイランドを載せたいです(笑)そのくらい日本での知名度を高められるようにしたいですし、リアルとバーチャル2つの工場体験を連動させたコミュニケーションづくりも、引き続き頑張っていきたいです。
DNPは、企業のマーケティング施策において、企画の立案、制作からシステムの運用まで、幅広く業務を展開しています。
リアルとデジタルをつないだデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することにより、企業と生活者のコミュニケーションの活性化と体験価値の向上を実現します。ぜひお気軽にお問合せください。
※社名・部署名は2022年4月時点のものです。
この事例で導入した製品・サービスについて
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XRロケーションシステム
PARALLEL SITE®
リアル空間とバーチャル空間がパラレルに連動。
場所が持つ価値を拡張、より進化させることを目的に、リアルと並列(パラレル)したXR空間を構築します。 -
工場の「魅せる化」でブランディング拠点へ
ファクトリーツアー®
企業がダイレクトに顧客接点を持つことのできる手法として注目されています。 モノづくりのこだわり、ブランドの世界観、生産するヒトを知ってもらうことで、企業や商品へのロイヤリティが高まることも期待できます。 多様なステークホルダーに対して、工場を「魅せる化」することで、商談といった営業活動にも役立つだけでなく、社会・地域との関係を向上させるブランディングに貢献します。
関連製品・サービス
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顧客感情をスコアリングし改善すべき体験価値を明らかにする
DNP CXマネジメントサービス
CX(顧客体験)における課題を、改善の優先順位とともに明らかにし、「改善施策につなげる結果」をご提供することにより、CXの向上活動、改善PDCAサイクルをサポートします。 -
企業アーカイブ構築を支援するデータベース
DNPコーポレートアーカイブデータベースシステム デュアルシーブ®
組織内の歴史的資産である史資料情報や年表情報の管理・活用に特化したデータベースシステムです。DNPが50年以上、のべ2千数百社以上の年史の編纂の支援を行ってきた中で培った資料の収集・整理の方法、資料の重要性を判断する視点をこのデータベースに反映しています。 デジタル化されたデータをデュアルシーブで保存・管理することにより、年史編纂業務の効率化だけでなく、在宅勤務やテレワーク、BCP構築などの課題解決に貢献します。