【2020NEXT:ブレスト日記】“機能するオープンイノベーション” その実現に欠かせないものとは?
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2020年とその先に向けた未来のカタチを考える、DNPグループ内の部門横断プレジェクトチーム「2020NEXT」。若手のネクストくんを中心に、今日もミーティングが行われています。「イノベーションを生み出すのは難しいですよね」と悩むネクストくん。センパイと話し合ううちにオープンイノベーションの可能性とそこでの課題も見えてきた様子。2020NEXTチームのブレストを覗いてみましょう。
目次
2020NEXT メンバー紹介
ネクストくん
入社3年めのDNP社員。自称アイデアマンで、業務を通じて世の中を変える何かを生み出したいと夢見る。目下の悩みは、「そろそろいじられキャラを卒業したい」こと。
センパイ
ネクストくんの良き理解者として、日々行動をともにする入社5年めのDNP社員。マーケティングリサーチが専門で、「生活者目線!」が口癖。
ブチョー
ネクストくんが所属する部署の部長。チーム<2020NEXT>のサポーターとして、DNP視点のアドバイスや社内外との連携の橋渡しをしてくれる。
イノベーションはどこにある?
センパイ、世界的に注目を集めているGAFA(ガーファ)はご存知ですよね。
そりゃもちろん。大手IT企業(Google、Apple、Facebook、Amazon)の頭文字をとった言葉でしょ。それがどうしたのよ。
そのGAFAのみなさんがあれだけ成功しているのはなぜでしょうか。
ん~、いろんな見方があると思うけど、ひとつには、他社にないイノベーションを生み出して、それをいち早く事業化するスピード感があったことかしら……。
そこなんですよ。そのイノベーションがなかなか見つからなくて、困ってるんです。
探しものみたいに言うわね(笑)。確かに、イノベーションをひとつ生み出すのも大変なのに、GAFAは次々と革新的な製品やサービスを生み出してる。何かヒミツがあるのかしら?
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GAFAは、有望なスタートアップ企業やユニコーン企業と連携したり、買収したりすることで、成長を持続してきた側面もありそうですね…。つまり、社外のアイデアやアセット(資産・ノウハウ等)を上手に活用するということですかね?
それって、いわゆる「オープンイノベーション」的なアプローチね。欧米では一般的になっているって聞いたことがある。
業種・業態の壁を超えて新たな価値を生み出すことが必要とされ、一企業だけのイノベーションの創出だけでは持続的な成長が見込めない時代と言えるのかもしれません。
日本でも企業とスタートアップ、それに研究機関など、業種や企業規模を問わず連携するケースが増えているもんね。でも、みんながみんな上手くいくものなのかしら。
確かに、オープンイノベーションという言葉が注目されるようになって久しいですけど…。何か課題があるのかな……。
オープンイノベーションは“価値の掛け合わせ”
海外のあるリサーチ会社の報告によると、時価総額10億ドルを超えるユニコーン企業は世界で約350社ほどあるそうで。そのなかで一番多いアメリカで約170社、二番目の中国で約90社、アジア圏ではインドで16社、韓国で8社あるのに対し、日本では1社のみ*。おそらくスタートアップ企業も多いとは言えなそうですね。
だとすると、日本はスタートアップの売り手市場と言えるのかしら? 「一番お金を出してくれる企業を選ぶよ」的な。
それは従来のベンチャーキャピタル的な発想で、オープンイノベーションの基本は「かけ合わせてできる価値」なのだと思います。アイデアや技術をもったスタートアップにしても、自社だけでは製品化・事業化が難しいからこそオープンイノベーションに期待するわけで。「お金を出すから、頑張って」ではダメでしょう。
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じゃあ、企業は何を提供すればいいの?
企業側のアイデアやアセットはもちろんですが、一番は「何を実現したいのか」であり、ミッションやビジョンに共感し一緒に挑戦していくというマインドが持てるか、ということでしょうか。多くは起業家自身が率いるスタートアップの視点で見れば、プロジェクトを“自分ごと化”していない企業に自社の命運をかける決断はできないですよね。
なるほどね~。あとは、製品やサービスを実際にカタチにして生活者に届けてきたノウハウも、企業ならではの強みじゃない?
そうですね。生活者のリアルを知っているからこそ、そこに応える仕組みやアセットもきっちり持っているわけで。
で、話を戻すと、今の日本にはそういった「価値の掛け合わせ」ができていないということ?
う〜ん…、そこは正直わかりません。まだこれからということではないでしょうか。でも、もし自分が担当するとしたら、そうした部分を大切にしたいですね。
今日はいつになく議論が盛り上がっているな。今すぐ「DNP INNOVATION PORT」のチームに参加してほしいくらいだ。
あ、ブチョー。「DNP INNOVATION PORT」って、最近開設されたオープンイノベーションのプラットフォームですね。
- *CB INSIGHTS調べ・2019年9月現在
スタートアップマインドで挑戦するDNPのオープンイノベーション
「DNP INNOVATION PORT」は、DNPが実現したい未来に向けた新規事業構想やプロジェクトを掲載する一方で、培ってきた多彩なノウハウやアセットを提供しながらスタートアップやユニコーン企業、多様なパートナーとのオープンイノベーションを加速していくWebサイトだ。いま君たちが話していたことの多くが、実際に盛り込まれているぞ。
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「CO-CREATION」というページでは、具体的なプロジェクトや求める企業が明示されてますね。「溶けない!?アイス」のプロジェクト、参加してみたいかも〜。
「マーケティングコミュニケーション」や「トータルセキュリティ」といったDNPが提供できる強みも、「ASSET SUPPORT」でその一端が紹介されています。
担当スタッフは、都内のWeWorkを拠点に日々さまざまなパートナーと意見交換をしている。Webで公開中のもの以外にも、すでに多くのプロジェクトが進行中だ。
そういえば、以前一緒に仕事をしたことがある先輩が「DNP INNOVATION PORT」に参加してるんです。こないだ話したら、「オープンイノベーションは、ビジネスとしての骨組みが強くなる」と言っていました。
確かに、一社の視点や都合ではなく、複数の会社に自分ごととして同じ船に乗り込んでもらえれば、視点が複層化して強固になるだろうな。
でも、昔の人が言ってましたよ〜。「船頭多くして船山に上る」って。
その先輩は「そういうときは、自分が旗振り役になれるよう心がけている」と。そのためにも、何を実現したいのかという明確なビジョンが大切なんだそうです。それと、「この部署に来て、DNPの人材の豊富さにも気づいた」とも言っていました。
どういうこと?
スタートアップの方々と日々情報交換するなかで、自分の専門領域ではない話も少なくない。でも社内に戻れば、誰かしらプロフェッショナルがいるので心強いそうです。そうしたところも、多様な事業領域を手掛けてきたDNPならではの強みかもしれませんね。
生活者視点で多様な事業を展開するDNPのノウハウと、ビジョンを持ってプロジェクトを牽引するスタートアップとしてのマインド。その両輪があわされば、きっと新たなイノベーションのカタチが生まれるはずだ。
ですね!イノベーションを生み出す道が見えてきた気がします!
ネクストくんのブレストメモ
業種・業態の壁を超えて新たな価値を産み出すことが必要とされ、一企業だけのイノベーションの創出だけでは持続的な成長が難しくなった現在。「オープンイノベーション」は、今や一部の企業のみならず、あらゆる企業にとって求められる手法となっています。
DNPが考えるその成功の鍵は、「つくりたい未来を描く明確なビジョン」です。より良い社会をつくるきっかけを見つけ、ビジネスモデルの仮設を構築し、スピーディーに事業化する。その目的に向かってともに歩む共創パートナーとの絆は、社員一人ひとりのビジョンなくしては生まれないからです。
2019年8月に開設した「DNP INNOVATION PORT」は、そうした共創パートナーとの繋がりの場として生まれました。DNPが実現したい未来に向けた新規事業構想やプロジェクトの活動及びこれらの実現に必要な技術や機能、パートナーを具体的に明示する「CO-CREATION」と、DNPが保有するアセットプランを提示する「ASSET SUPPORT」の2つのチャンネルで、オープンイノベーションによる新たな価値創造を加速します。
DNPの共創・協働に向けた取り組み
リアルとデジタル、オフィスとプライベート、ローカルとグローバルなど、これまで相反するとされていたものがつながり、互いに作用し始めた現代。もはや自社の課題を自社の知見だけで解決することは難しくなり、社会全体を俯瞰し、複眼的に分析するチカラが求められています。広範な事業領域をカバーするDNPの最大の強みは、まさにそこにあります。個々の事業で培った「発想をカタチにするチカラ」に加え、社内外の多彩なネットワークを活かした「社会が求める価値を発見するチカラ」で、企業の課題を解決し、その強みから社会的価値を生み出します。
こうした共創・協働の場として、DNPは全国の複数の拠点に「P&Iラボ」を開設しています。最新の技術や製品を体感していただける展示スペースや、社内外のスタッフが活発に意見交換できるコラボレーションスペースを備え、各種ワークショップや勉強会を開催しています。また、関連企業をつなげるハブとなり、シンポジウムやセミナーを主催するといった、市場全体を見据えた取り組みも手がけています。
社会・生活者の課題を迅速にとらえて能動的に解決するビジネスデザインに向けて、WeWorkが東京・渋谷で提供しているコミュニティ型ワークスペース「WeWork Iceberg」の活用をスタートしています。世界中の様々な起業家(スタートアップ)や企業、多種多様な人材とのオープンイノベーションを通じて、新たな価値設計や価値創出を加速していきます。
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