【2020NEXT:ブレスト日記】多様性が強みになる共生社会の実現に向けて。リードユーザーの視点が生み出すイノベーション
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2020年とその先に向けた未来のカタチを考える、DNPグループ内の部門横断プレジェクトチーム「2020NEXT」。若手のネクストくんを中心に、今日もミーティングが行われています。ネクストくんたちはマイノリティの意見をもとに商品開発を行う「インクルーシブデザイン」が多くの企業で採り入れられていることを話している様子。“弱者救済ではない、真の意味での共生社会”の実現をめざすには。2020NEXTチームのブレストを覗いてみましょう。
目次
2020NEXT メンバー紹介
ネクストくん
入社3年めのDNP社員。自称アイデアマンで、業務を通じて世の中を変える何かを生み出したいと夢見る。目下の悩みは、「そろそろいじられキャラを卒業したい」こと。
センパイ
ネクストくんの良き理解者として、日々行動をともにする入社5年めのDNP社員。マーケティングリサーチが専門で、「生活者目線!」が口癖。
ブチョー
ネクストくんが所属する部署の部長。チーム<2020NEXT>のサポーターとして、DNP視点のアドバイスや社内外との連携の橋渡しをしてくれる。
2020年は共生社会へのスタートライン
先日、初めて「イスバス」の試合を観たの。生の迫力は本当にスゴかったわよ〜。
車いすバスケットボール!?「車いすの格闘技」って呼ばれるぐらいバチバチぶつかって、すごく激しいですよね。パラリンピックも楽しみだなあ!
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2020年を迎えて、世の中が変化している中で、障がいのある人もない人も、女性も男性もLGBTの人も、高齢者も若者も、日本人も外国人も、いろんな人が暮らしやすい共生社会づくりに取り組む動きが盛んになってきた気がするわ。
内閣府が「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を発表して、「心のバリアフリー」を実現する取り組みが学校や企業、地域などで始まったってニュースもありました!
すでに現代は多数派の人だけが便利さを享受する時代じゃなく、マイノリティの人にとっても暮らしやすくなければいけない時代。それには、多様性(ダイバーシティ)の理解が必要ね。
「インクルーシブデザイン」って何?
障がいをもった人は、いろいろと独自の工夫をして生活していますよね。その視点を活かすと、すべての人にとってすごく有益なものを生み出すことができると思うんです。
すごく有益なものって、たとえばどんなもの?
例えば、ある銀行のATMは、開発段階から視覚障がい者の意見が反映されることで、視覚障がい者だけでなく誰にでも使いやすいと好評なんです。
そういえば、商品開発やプロモーションにLGBTの意見を活かして大人気になった美容家電もあったわ。
障がい者、子ども、お年寄り、LGBT、外国人……。さまざまなマイノリティの視点を意図的に取り入れた製品やサービスが今注目されていて、それを生み出す開発手法を「インクルーシブデザイン」というんです。
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でも、どうしてマイノリティの視点から、マジョリティにも使いやすい製品やサービスが生まれるのかしら?
マイノリティはより「先行したニーズ」を持っていて、それはマジョリティにとっての「潜在的なニーズ」でもあるんです。
うーん、どういうことだろう……。そこ、もう少し具体的に知りたいなあ。
先行ニーズにイノベーションの種がある
それなら、パッケージの開封実験について話してあげたらどうだ?
あ、ブチョー!障がい者と健常者に協力していただいたパッケージの開封行動の観察実験ですね。
開封行動の観察実験?
被験者は、右手が不自由で使えないaさん、両手が使えるbさんの2名。カップ麺の包装フィルムや、スナック菓子のカップ型パッケージのフタを実際に開けていただき、その動きを比較して観察したんです。
それはやっぱり、bさんのほうがスムーズに開けることができたんじゃない?
それが! aさんのほうが早く開けられたパッケージがあるんです。その秘密は過去の経験によって培われたものでした。bさんはあまり考えずに手探りで開けたため、いくつかムダな動きをしていたのですが、aさんは「こうすれば開けられるのでは」という手順を工夫しながら行ったので、bさんよりも短い時間で開けることができたんです。
aさんは、パッケージのどの場所に力をかけるか、どのくらいの強さで力をかけるかを過去の経験から把握していて、片手でもテコの原理をうまく使ったりして、すごくスムーズに開けていたね。
そのaさんの開け方の中に、これまでになかった、より開けやすいパッケージへのヒントがあるっていうこと?
そういうことです。一方で、bさんには開けられなかったパッケージもあり、そこにはマジョリティがなんとなく不便さを感じているけど、気づいていなかった課題解決のヒントが隠されているといえます。こうした無意識の動きから見えてくる「先行ニーズ」を研究することで、すべての人にとって役立つ、新しいイノベーションの種が生まれてくるんです。
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観察実験でそうした成果を挙げるには、当事者視点、さまざまな仮説立案と検証、高度な行動観察眼、数値化されたデータにもとづくエビデンスなど、ノウハウの蓄積が欠かせないんだ。そこに対応可能な観察力・分析力を備えているのは、DNPの強みといえるね。
マイノリティの中には、ポジティブな思考で日々の生活が快適になるよう創意工夫をしている"リードユーザー"と言える人たちが多くいて、その視点を学ぶことで「マイナスを補う」のではなく、「新たなプラスとなる価値」を生み出すわけです。
本日のまとめ:ブレストメモ
共生社会の実現に向けた取り組みを進めるうえで、インクルーシブデザインは有効なアプローチのひとつです。常に生活者目線を大切にし、ユニバーサルデザインにも長年取り組んできたDNPには、モノづくりの現場で「どうすれば受け手に伝わるか」を考え続けてきた知見があります。多様な生活者に目を向けて、みんなの幸せを考える。そうした活動を通して、DNPはインクルーシブデザインを活用した製品・サービスの開発を進め、共生社会の実現に向けた取り組みを今後も続けていきます。
DNPの考える未来:居心地のよい空間開発と街づくり
障がい者スポーツやLGBTなど、誰もが相互に多様性を尊重し合い、生き生きと活躍できる共生社会を実現する機運が高まっています。
長年にわたり、印刷物、パッケージ、屋内外のサインなどのモノづくりを手がけてきたDNPは、 “コミュニケーションのバリアフリー化”を軸に、多様な情報デバイスの活用や空間設計などを通して、社会に貢献していきます。
共創・協働に向けた取り組み
さまざまな情報がつながり、互いに作用し始めた現代。ビジネスの課題を解決するには、多彩なパートナー企業との共創・協働が欠かせません。
DNPグループの印刷を起点としたさまざまな分野への事業展開を支えてきたのも、社内外の豊富なネットワークを活かした「共創・協働」でした。そこで培われた「発想をカタチにするチカラ」と「社会が求める価値を発見するチカラ」を強みに、これからも新たな社会的価値を創出し、企業の課題解決に寄与していきます。
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