そのまま電子レンジ調理できる自動蒸通パウチ

DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー®

自動蒸通機能を付加した、そのまま電子レンジで加熱調理できるパウチです。
高齢化・単身世帯・共働き増加などを背景とした、個食・時短・簡便化ニーズの高まりに応えます。
近年では、中食市場に限らず、外食市場の調理オペレーション改善の施策としても注目されています。
2000年代から技術開発に取り組んできた幅広い知見と実績で、電子レンジ商品の新規立ち上げから、包装資材・充填までをトータルでサポートします。

目次

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」とは?

動画:DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー (25秒)



そのまま電子レンジ調理できる自動蒸通パウチ

従来の密閉されたパウチは、そのまま電子レンジで加熱することができません。発生した水蒸気の逃げ場がないことから、内圧が上昇し、破裂するためです。

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」は、電子レンジ加熱時に発生する熱と圧力を利用して自動的に開通する蒸気口を設けました。水蒸気を逃がし破裂を防ぐことで、そのまま電子レンジ調理可能なパウチを実現しました。

誰もが安全で、直感的にストレスなく使える製品を目指し、独自のコンバーティング技術*1をかけ合わせた技術革新を2000年代から積み上げてきました。
いまでは複数の特許技術やノウハウを保有しています。

レトルト殺菌・ボイル殺菌・冷凍など、さまざまな製造・流通条件に対応する製品をラインアップし、電子レンジ調理に適したレシピ開発へのアドバイスなど、電子レンジ商品開発の新規立ち上げからサポートできる体制を整えています。


*1:「コンバーティング技術」とは・・・
材料の形を変えたり、複合したりする材料加工技術。DNPは、製膜、コーティング、ラミネート、蒸着、賦型、転写、切断・研磨、製袋・成型・製本など、紙やフィルムなどの素材の加工技術を磨いている

主な特性・機能

1.安全性

ユーザーの安全を最優先する、開発思想とサポート体制。
やけど、パウチの転倒や破裂、噴きこぼれなど、電子レンジ調理商品の開発にはさまざまなリスクがつきまといます。
DNPはユーザーの安全を最優先した開発思想のもとに、さまざまなクライアントの電子レンジ商品の新規立ち上げをサポートしてきました。

開発プロセスでは、テストと評価を協働体制で進めることで、突沸によるパウチの転倒や、中身の吹き出し等の課題の解決に努めます。
内容物に合わせて電子レンジに適した調理時間の設定や容量などについてアドバイスいたします。

また、電子レンジによる過加熱が原因で起こるパウチの穴あきを、層構成の工夫による耐熱性のコントロールで減少させました。
ユーザーによる調理ミスをユニバーサルデザイン(UD)で未然に防止するなど、既に数多くの安全性に配慮した機能が製品に実装されています。

もちろん、品質保証やトレーサビリティの体制も整えています。適切な開発手順で商品開発をスタートから支え、アフターフォローも欠かしません。

開発の流れを表した図

2.蒸通性

流通時でも十分な、シール強度。
電子レンジ調理時には、自動蒸通する。

保存や輸送等、流通時に求められるシール強度の基準を満たしながら、電子レンジ調理時には自動的に蒸気口が開きます。

たとえば、従来のレトルト食品用パウチに蒸通口を設けただけでは、電子レンジにかけると破裂してしまいます。シール強度と引き換えに、蒸通口が開かないためです。

適切な素材選定、仕様、構造、意匠などの特許技術の活用はもちろん、内容物にあわせた総合的な設計のノウハウが要求されます。

さまざまな内容物で培った約20年の経験から、流通時に求められるシール強度と、電子レンジ調理時の自動蒸通を両立します。

十分なシール強度と自動蒸通を両立を表す図

3.バリア性

透明蒸着フィルムでバリア性付与。
おいしさを長続きさせ、廃棄ロスを軽減するためには、パッケージにバリア性が必要不可欠です。

一般的にレトルト殺菌やボイル殺菌された商品にはアルミ箔を使用しますが、もちろんアルミ箔があると電子レンジにかけられません。

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」は、アルミ箔を使用せずに高いバリア性を実現する「DNP透明蒸着フィルム IB-FILM」を採用。

DNPでは、さらに環境配慮を進めた「DNP植物由来包材 バイオマテック IB-PETフィルム」も使用できます。たとえば一般的なアルミ箔を使用したパウチからの切り替えで、17%ものCO2削減が可能な計算となり、環境負荷の軽減にも貢献できます。*2

*2:スタンドパウチで換算

レトルト処理前後のバリア性を表す図

4.豊富なラインアップ

充填・包装設備はそのままで、さまざまな殺菌方法や温度帯に対応。
レトルト殺菌・ボイル殺菌・冷凍など、さまざまな製造・流通条件に対応したパッケージのラインアップを有しています。

スタンドタイプは、広い充填口の設計(特許取得)により、従来品よりも充填適性を向上させ、電子レンジ専用充填機を不要にしました。また、電子レンジ数十種類で調査を実施し、加熱中の転倒リスクに配慮した、適正なサイズを割り出しています。

平パウチタイプは既存のレトルトパウチ用、ピロータイプは既存のピローパウチ用の包装設備での充填・包装ができます。

設備投資などによる市場参入時のハードルを下げ、さまざまな殺菌方法や温度帯に対応したラインアップにより、電子レンジ商品開発の立ち上げを手厚くサポートします。

パッケージラインナップを表した図

環境配慮から注目される植物由来包材

製品イメージ

海洋プラスチックごみ汚染や地球温暖化などの環境問題に対して、石油由来プラスチックの使用量を削減していく取り組みが重要です。

DNPでは、サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)を原料の一部に使用して、石油資源の使用量を削減します。またサトウキビが育つときにCO₂を吸収するので、製品ライフサイクル全体でCO₂を削減します。

主な活用分野・用途

中食市場イメージ

中食市場

高齢化・単身世帯・共働き増加などを背景とした、個食・時短・簡便化ニーズの高まりに応えます。
また、パッケージによる環境配慮が認められ、流通・小売業界プライベートブランドでの採用をはじめとした引き合いが増加しています。

外食市場イメージ

外食市場

近年では、通販事業向けの商品開発や、店内での調理オペレーション改善等の施策としても注目されています。

内容物

スープ類・惣菜類・主食類など、幅広い内容物に対応。
・カレー、シチュー、パスタソースなどのソース類(粘度が高いもの)
・豚の角煮、もつ煮込みなどの煮込み料理(油分が多く、固形物を含むもの)
・どんぶり具材類
・和惣菜、中華惣菜、おつまみなどの惣菜全般
(焼き物、煮物、揚げ物、炒め物、和え物、蒸し物、その他)
・麺類、スープ類
・チャーハン、ピラフなどのごはん類

詳細な仕様

ラインアップ

パッケージラインナップを表す図

1.スタンドタイプ(UTRT-ST-K)
・内容量に応じて、3つのサイズを用意
・既存のスタンドパウチの包装設備があれば、新たな設備投資が不要
・充填口が広い構造(特許取得)により、従来に比べて充填適性に優れる

スタンドタイプ(UTRT-ST-K)イメージ図

2.平パウチタイプ(UTRT-K/ UTRT-P)
・既存のレトルト袋の包装設備があれば、新たな設備投資が不要
・充填機の適性にあわせて、蒸通口の形状が異なる2タイプを用意

平パウチタイプ(UTRT-K/ UTRT-P)イメージ図

3. 冷凍ピロータイプ(UT-C)
・既存のピロー袋の包装設備があれば、新たな設備投資が不要

冷凍ピロータイプ(UT-C)イメージ図

4.ボイルタイプ(UT-B)
・既存のスタンドパウチの包装設備があれば、新たな設備投資が不要

ボイルタイプ(UT-B)イメージ図

納入形態

巻取り納品
・冷凍ピロータイプ(UT-C)

製袋納品
・スタンドタイプ(UTRT-ST-K)
・平パウチタイプ(UTRT-K)
・ボイルタイプ(UT-B)

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