収蔵品管理システムを活用したデジタルアーカイブの公開・利活用の可能性
~「I.B.MUSEUM SaaS」との連携事例のご紹介~
当社のデジタルアーカイブソリューションとクラウド型収蔵品管理システム「I.B.MUSEUM SaaS」が連携した事例をご紹介します。デジタルアーカイブの公開や利活用に役立つ参考情報となればと思います。
-
法人のお客様(自治体、企業などの団体)を対象とさせていただいております。
お問合わせの際は法人ドメインのアドレスをご記入ください。
|
作成日:2024年11月15日 更新日:2024年12月15日
目次
デジタルアーカイブの必要性
博物館法の一部を改正する法律(令和 4 年法律第 24 号)が70年ぶりに大きく改正され、2023 年 4 月 1 日に施行となりました。資料をデジタル化して保存するデジタルアーカイブの作成は、利用者がインターネットを通じて資料の情報へアクセスするため、あるいはインターネットを通じて博物館が魅力を発信していくための基盤となる取組であり、昨今の急激な社会情勢変化の中において、インターネットを利用した博物館活動の意義が再認識されています。こうした背景の中で、新たな制度では、デジタルアーカイブの作成と公開が、博物館が行う事業の一つとして新たに明確に位置付けられました。
クラウド型収蔵品管理システム「I.B.MUSEUM SaaS」
収蔵品管理システム「I.B.MUSEUM SaaS」は、美術館や博物館などの収蔵品を効率的に管理するためのシステムです。収蔵品の基本情報のほか、画像や履歴、人物のデータを管理し、展示や貸出など学芸業務を支援する機能が充実しています。さまざまな運用ニーズに対応するとともに、WebAPIを活用し来館者サービスの強化、資料情報の外部公開、そして外部サービスなどへの情報提供も可能です。
DNPと「I.B.MUSEUM SaaS」の連携
DNPは文化・芸術に関するさまざまなノウハウ・技術を活用し、デジタルアーカイブ構築・公開を総合的に支援する中で、前述の「I.B.MUSEUM SaaS」との連携を行っています。
DNPでは「I.B.MUSEUM SaaS」におけるWeb API公開機能を活用し、デジタルアーカイブサイトを構築することが可能です。
▶連携パターン① デジタルアーカイブサイトの構築
「I.B.MUSEUM SaaS」単体でもデータベースの公開が行えますが、より多くの機能を持つポータルサイトとして公開したい、デザイン性を重視したいといった場合に、Web APIでデータベースとの連動を行いながらリッチなWebサイトを制作することが可能です。
事例
神奈川県横浜市にある横浜開港資料館は、幕末から昭和初期までの、横浜に関する歴史資料約27万点を収蔵し、資料を通じて横浜の歩みを次の世代に伝える「近代横浜の記憶装置」としての役割を果たしている施設です。DNPは同館のデジタルアーカイブサイト「横浜開港資料館デジタルアーカイブ」を構築し、2024年1月に公開しました。
▶連携パターン② 「みどころキューブSaaS型」との連携
DNPが独自開発した資料・作品を魅力的な3次元状のインターフェイスで情報発信できる鑑賞ツール「みどころキューブⓇ」は、「I.B.MUSEUM SaaS」とのWeb API連動機能を持つことから、管理する収蔵品情報の「みどころキューブ」への展開が容易となり、より手軽に収蔵品の魅力を可視化できるようになります。
|
事例
松江歴史館では、近世を中心とした城下町松江の歴史・文化について展示しており、松江をより深く知ることができる企画展、特別展も定期的に開催しています。 DNPは同館に「みどころキューブ」の制作環境を提供し、企画展・特別展に関連した「みどころキューブ」を2点公開いただきました。
2023 年と2024 年は、本コレクションの来日から30 周年を迎える節目の年であり、その記念としてWeb展覧会を実施するに当たり、DNPは同館に「みどころキューブ」の制作環境を提供し、収蔵品を用いた「みどころキューブ」を公開いただきました。
福岡県福岡市にある福岡市博物館では、アジアとの人・もの・文化の交流がつくってきた特色ある歴史と、そこに生きる人びとの暮らしを、さまざまなかたちで発信しています。 DNPは同館に「みどころキューブ」の制作環境を提供し、企画展・特別展に関連した「みどころキューブ」を2点公開いただきました。
福岡県福岡市にある福岡アジア美術館は、アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する世界に唯一の美術館です。DNPは同館に「みどころキューブ」の制作環境を提供し、コレクションに関連した「みどころキューブ」を公開いただきました。
DNPの幅広い対応領域
DNPではデジタルアーカイブ構築の前段階である資料・作品の2D/3Dデジタル化や、スペシャルコンテンツとして館内VR等の制作、さらには構築後のWebサイト利活用のご提案までワンストップで対応可能です。調査設計から公開に至る流れについては、下記のページでご紹介していますので、あわせてご利用ください。
このように、DNPでは「I.B.MUSEUM SaaS」をベースとした収蔵品管理システムの構築に加え、デジタルアーカイブがより多くの人々に開かれ、利用されるための公開・利活用方法も含めてご支援が可能です。
ぜひお気軽にお問合せください。
関連ページ
~みる、ふれる、知識が広がる~
デジタル化された作品と多様な MLA の知的情報「みどころ」を組み合わせ、作品に対する興味のきっかけを提供する目的で開発された、インタラクティブ鑑賞システムです。
-
法人のお客様(自治体、企業などの団体)を対象とさせていただいております。
お問合わせの際は法人ドメインのアドレスをご記入ください。
-
- 「みどころキューブ」「みどころシリーズ」は、DNP大日本印刷の登録商標です。