コンタミ対策の決め手は包装材にあり

クリーンルーム内で製造する製品・材料にとってコンタミネーション(コンタミ)は大敵で、製造プロセスにおいて悪影響を及ぼします。デザインルールの微細化が進み、さらにその必要性が増してきました。 近年、製造業のグローバル化とともに、半導体製品・材料のサプライチェーンはますます多様化しており、製品の輸送・保管環境はより過酷になる一方です。 こうした状況から、クリーンルーム内へ持ち込む製品や部品、材料を長期保管したり、出荷する際には「コンタミ」リスクを考慮することが必要となっています。

コンタミネーション(コンタミ)とは

半導体デバイスのデバイス特性や生産歩留りに影響を与える金属イオンやパーティクルなどの不純物を総称してコンタミネーション(コンタミ)と言われております。

金属イオン
半導体デバイスはイオンの濃度を制御することがデバイス特性上重要なため、金属イオンのような導電性の高い不純物はコンタミの原因となります。金属イオンは半導体の製造プロセスの中で、金属に触れる機会があるプロセスで発生すると考えられているため、装置内において金属部品をウエハと同じ環境下に取り付けないようにするなど、さまざまな取り組みがなされています。

パーティクル
一般的にチリやホコリ、金属、ゴム、プラスチック等、数百~数十nmレベルのあらゆる固形物をパーティクルといいます。パーティクルはウエハに付着し、成膜や露光時の不良を起こすため、コンタミの原因となります。パーティクルは外部からもたらされることが多いため、クリーンルーム内の清浄度を保つさまざまな取り組みがなされています。

半導体製造工場内のクリーンルームのイメージ画像

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製品およびクリーンルームをコンタミから守る方法

クリーンルーム内でコンタミの予防措置をとる場合、以下の方法があります。

コンタミ防止策 詳細
密閉性の高い包装材料の使用 清浄度を保つためには、密閉性の高い包装材料を使用することが重要です。
例えば、フィルムや袋などの密閉性の高い包装材料を使用することで、外部からの汚染や微粒子の侵入を防ぐことができます。
適切な洗浄 包装する前に、包装材料や容器を適切に洗浄することも重要です。
これにより、包装材料自体に付着している可能性のある汚染物質を除去することができます。
包装作業場の清掃 包装作業を行う場所は清潔な環境であることが重要です。
埃や汚れが少ない環境で作業することで、清浄度の高い包装が可能となります。
清潔な作業環境を確保するため、定期的な清掃を行うことが重要です。
2重包装の使用 清浄度をさらに高めるために、2重包装を行うことも有効です。
外側の包装材料で輸送時の汚染から内袋を守り、内側の包装材料で製品を保護することができます。
適切な環境での保管 包装した製品を適切な環境で保管することも重要です。
湿度や温度の管理、直射日光や化学物質からの保護など、製品の品質を保つために必要な条件を確保することが重要です。


クリーンルーム内の清浄度を保つため、各社独自のノウハウでさまざまな取り組みがなされていますが、得意先様や協力会社様向けにも同様の取り組みが必要になります。特に製品は、包装されたままクリーンルーム内へ持ち込まれるケースが多いため、コンタミリスクを考慮した包装方法が重要です。さまざまな包装方法の中でも2重包装は有効ですが、製品投入・脱気・ヒートシールの手間が二度生じ、生産効率に悪影響を与えてしまうという課題があります。

DNPでは、2重包装の課題である製品投入・脱気・ヒートシールの手間を省いた2重包装タイプの包装材である「 クリーン2 重層袋 UCPF Ultra Clean Peelable Film 」を提供しています。詳細を次の章で説明します。




DNPのクリーン2重層袋 UCPF(Ultra Clean Peelable Film)とは

おすすめの包装材、クリーン2重層袋 UCPF(Ultra Clean Peelable Film)についてご紹介します。

特長

クリーン2重層袋 UCPFは、半導体・電子部品など、クリーンルームからの製品出荷時の内袋と外袋を一体化した2重層の包装材です。包装工程では、2重包装の課題とされる製品投入・脱気・ヒートシールの手間を一回に減らし、生産性向上に寄与します。開封工程では、袋の最表層を剥ぐだけでクリーンルームへ持ち込めるため、道具の管理やケガのリスクから解放されます。
また、角のある金属部品などを入れても破れにくい高強度フィルムがさまざまなリスクから内容物を守るため、半導体業界で長年にわたってご使用いただいております。

クリーン2重層袋 UCPFの導入効果イメージ


※本ページの内容は、2024年6月時点の情報です。

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