街の建築物を彩るアートテック~北海道編~
ビル、ホテルの内装・外装アルミパネル施工事例
「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」は、デザインの自由度が高い内外装用アルミパネルです。耐候性・加工性にも優れ、さまざまな建築デザインに対応可能という特徴も持っています。今回は、寒さの厳しい北海道でのアートテック施工事例として
・Iビル
・JA上川ビル
・スカイニセコ
・ベッセルカンパーナすすきの
を紹介します。
-
アートテックを活用したソリューション・その他製品についてご相談承っております
アートテックの特徴
アートテックは、自然素材が持つ風合いの再現や独自の質感表現が可能なだけでなく、以下の点にも優れています。
・耐候性
・意匠性
・加工性
・環境配慮性
アートテックは、建築デザインの幅を大きく広げる建材として、多くの建築家や設計士から注目され、高い評価を得ています。
耐候性
アートテックの強みのひとつは、フッ素塗料の3コート3ベイク製法により優れた耐候性を実現していることです。促進耐候試験にて、1万時間以上が経過しても変退色が見られないという結果が出ています。また、アルミ基材であるため、軽量な上にさびにくく、屋内外問わず長期使用が可能です。国土交通大臣による不燃認定も取得しています。
つまり、アートテックを使用することで、塗り直しや貼り替えなどのメンテナンス費用の削減につながるといえるでしょう。
特に、北海道のような雪国の場合、紫外線が雪に反射して建物の劣化を早める恐れがあります。優れた耐候性を持つアートテックは、このような厳しい環境でも有効な素材です。
意匠性
アートテックは、焼付印刷技術により
・質感
・柄
・表面仕上げ
において豊富なバリエーションがあります。建築のコンセプトに沿った意匠表現や同じ柄の複数色展開が実現でき、設計者のこだわりを具現化できます。
アートテックは、建物のデザイン性を一層高められる素材だといえるでしょう。
加工性
アートテックには以下のような多彩な加工バリエーションがあります。
・ルーバー
・パネル
・R加工
・パンチング
・ハニカム
目的や用途に適した形状への加工が可能であり、建築デザインに豊かな表情を与えられます。
環境配慮性
アートテックは地球環境への負荷を最小限に抑えた、環境配慮型の建材です。長寿命設計による廃棄物の削減と高いリサイクル率を実現し、さらに有害な化学物質を使用しない製造方法を採用しています。
近年の建築物は、美しいデザインや画期的な躯体(くたい)だけでなく、どのように環境との共存を実現しているのかも重要視されています。アートテックは、建築物と環境をつなげる意匠性と環境負荷を抑える性能を兼ね備えた、環境保全に貢献できるサステナブルな建材です。
施工事例1 Iビル
|
ここからは、北海道エリアでアートテックが実際に使用されている建築物を紹介します。最初に取り上げるIビル
は、RC造・地上5階建てのオフィスビルです。設計・施工を伊藤組土建株式会社が請け負っており、2022年に、地下鉄北12条駅から近い立地に施工されました。
「Iビル」のある札幌市では、人口減少に伴って経済活力が低下したことを背景に、社会情勢の変化へ対応すべく新しい時代に向けたまちづくりが行われています。Iビルの建設では、札幌市のまちづくりの指針である「第2次都心まちづくり計画」に基づき、環境への配慮が重視されました。Iビルは「ZEB」認証*を取得しており、再生エネルギーを加えた一次消費エネルギーの消費量104%削減を達成しています。
*「ZEB」認証:ZEBとは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称で、快適な室内環境を保ちながらも、高効率な設備などを用いて消費する一次エネルギーの年間消費量を大幅に削減することをめざした建物のこと。国土交通省による建築物の省エネルギー性能に特化した第三者評価機関による認証制度(BELS/Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)を経た上で、省エネルギー性能に優れていると認められると認証が得られる。
外観ポイント
外観のポイントは、理研軽金属製のルーバーと意匠が連動したアートテックです。
|
理研軽金属のアルミルーバーのウォールナット柄にアートテックの意匠を合わせることで、正面から見た際の外観の統一感を演出しています。
ディテール&加工&カスタマイズ
「Iビル」に使用したアートテックには、曲げ加工が施されています。
アートテックはアルミ板に直接印刷するため、曲げ加工部分の色柄もしっかりと出すことが可能です。また、表面をマットで上品な質感のサテン仕上げにし、温かみだけでなく高級感も演出しています。
施工事例2 JA上川ビル
|
続いては、JA上川ビル
(旧上川農業会館)について紹介します。
1967年に建設された上川農業会館は、建設から50年近くが経過するなかで老朽化が進み、耐震補強の問題も抱えていました。そのため、2018年に「JA上川ビル」として生まれ変わりました。
施設内には、JAの事務所だけでなく食育のためのホールが設けられ、市民と生産者の交流を促す拠点にもなっています。
外観ポイント
外観のポイントは、道南杉の意匠を再現したアートテックです。
|
もともとは、道南杉の使用が検討されていました。しかし、道南杉は天然素材のため、寒冷地で長期間耐えられるのかといった耐久性やメンテナンス性に懸念があります。
そこで、厳しい環境でも適応できる素材として、正面入り口の壁や軒天にアートテックが採用されました。アートテックを採用することにより、優れた耐久性とメンテナンス性を担保するとともに、天然素材の風合いを実現しています。
ディテール&加工&カスタマイズ
「Iビル」同様に、JA上川ビルに使用したアートテックにも曲げ加工が施されています。アートテックはアルミ板に直接印刷するため、曲げ加工部分にも木目柄がしっかりと追従しており、外観を損なうことがありません。また、カットパネルのように下地材を必要としないため、コスト削減にもつながります。
施工事例3 スカイニセコ
|
続いて紹介するスカイニセコ
は、海外からも人気のリゾートであるニセコ地区に2018年に施工された宿泊施設です。
近年、ニセコ地区では、海外からの企業進出や移住者の増加を受け、日本と西洋の文化を融合させた独自の文化が発展しています。スカイニセコの建設にも世界中の建設会社が携わり、8年にも及ぶ大規模なプロジェクトとなりました。
外観ポイント
|
外観のポイントは、正面入り口の車寄せの庇(ひさし)部分の波打つような形状のアートテックです。竹モチーフの意匠で、波打つような形状に大胆に加工されたアートテックは、訪れる人の目を引きます。
ディテール&加工&カスタマイズ
「スカイニセコ」に使用したアートテックにはR加工が施されています。アートテックは丸柱やアーチ状の天井だけでなく、この庇のように特徴的な形状への加工も可能です。さまざまな意匠や形を組み合わせることで、個性やインパクトを持たせられます。
施工事例4 ベッセルカンパーナすすきの
|
最後に紹介するのは、「和のくつろぎと文化」をテーマに日本のホテルらしい美と繊細さを追求したベッセルカンパーナすすきの です。当初はドアと壁面のみにアートテックが使用される予定でしたが、高い意匠性が評価され、エントランスゲートにも採用されました。
外観ポイント
|
外観のポイントは、エントランスドアと壁面に使用された木目調のアートテックと、エントランスゲートの石目調のアートテックです。石目調のアートテックは、ダークグレーの落ち着いた色合いで重厚感を演出するとともに、外観にメリハリを出すアクセントにもなっています。
ディテール&加工&カスタマイズ
「ベッセルカンパーナすすきの」では、植栽と調和する木目調のアートアルミと、重厚感のある石目調のアートアルミが使用されています。
アートテックのアートアルミシリーズは、新質感のアイテムです。
・メタル×木目
・メタル×石目
・メタル×布目
など、アルミの素材感を活かした高輝度仕上げで異なる質感の組合わせを実現しています。自然界にはないデザイン表現が可能です。アルミの素材感が残るメタル木目は、洗練された雰囲気を表現するのに適しています。
|
|
|
石目調のアートアルミでは、大理石や玄昌石の柄をはじめ、
・コンブリアストーン
・ジュライエロー
・オニキス
などの多様な柄を再現可能です。
まとめ
アートテックは意匠性や加工性に優れ、さまざまな建築に使用されています。また、本記事で紹介した北海道の建築事例からは、厳しい環境下でも使用可能な耐候性の高い建材であることもわかります。
耐候性に懸念のある建材の代替品として、アートテックの採用を検討されてみてはいかがでしょうか。
【参考】出典元
上川農業会館が移転へ-9300㎡で18年秋完成目指す 北海道建設新聞社
「スカイニセコ」ができるまで スカイニセコ
ベッセルホテルカンパーナ すすきの UDS株式会社
-
アートテックを活用したソリューション・その他製品についてご相談承っております
-
*2024年5月現在の情報です。
*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。