街の建築物を彩るアートテック~大阪編~
ビル、マンション、ホテルの内装・外装アルミパネル施工事例
建物にオリジナリティと豊かな表情を与える「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」。高い意匠性と耐候性を兼ね備えており、さまざまな建築に使用されています。
このコラムでは、アートテックの特徴と実際の使用時のポイントについて、大阪にあるプレミストタワー靱本町と船場センタービルの施工事例を交えて紹介します。ぜひ建築の際の参考にしてみてください。
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アートテックを活用したソリューション・その他製品についてご相談承っております
アートテックの特徴
アートテックとは、DNPが提供するオーダーメイドの内外装用アルミパネルで
・耐候性
・意匠性
・加工性
・環境配慮性
に優れ、オリジナリティと豊かな表情を演出してくれるのが特徴です。ビル、マンション、ホテルなどいろいろな建物の内装・外装アルミパネルとして利用できます。
DNPの持つ印刷技術による
・アルミ基材への直接印刷
・3コート&3ベイクフッ素焼付印刷
を施すことで、アルミの特性を活かしながら、木や石など天然素材のデメリットである耐久性の低さや仕上がりの不安定さなどを解消しました。アートテックは、高いデザイン性と耐候性の両立を実現した素材といえます。
また、
・コンセプトに合わせた質感や色などデザインのオーダー
・用途に合わせた形状の加工
などが可能となっており、建物の印象をより一層洗練させられるでしょう。
アートテックは、商業施設や住居、オフィスなど、さまざまなジャンルの建築物に採用され、街の景観を彩っています。
耐候性
アートテックは、アルミの素材特性とDNPの焼付印刷技術の融合により高い耐候性を実現しています。また、内外装を問わずに使用可能という強みも持っています。
アートテックは、基材であるアルミに3層ものフッ素焼付印刷加工が施されており、1万時間にも及ぶ促進耐候性試験では著しい変退色が生じないという結果が出ました。アートテックは長期間にわたり使用可能な建材として、実際に20年以上使用されている実績もあります。
意匠性
アートテックは高い意匠性を有しており、金属独自の質感を活かしたものから自然素材の質感を表現したものまで幅広いデザインを取り揃えています。
アルミというと安物なイメージを持たれがちですが、アートテックはDNPの持つ焼付印刷技術によりアルミの持つ美しさを最大限に引き出したラグジュアリーな質感を実現しました。また、木や石などの自然素材の質感を、リアルに近い形で表現することが可能です。
加工性
アートテックは
・曲げ加工
・R加工
・カットパネル加工
・抜き穴加工
などが可能です。
アートテックは、ルーバーやパネルなどへの形状加工が可能で、さまざまな建築シーンに合わせて使用しやすい建材です。止水層のある外壁や軒天井など、耐水性が必要となる箇所にも多くの使用実績があります。
ただし、板材先行焼付商材のため、溶接加工はできません。そのため、止水層や笠木(かさぎ)としての利用は推奨されていません。
環境配慮性
アートテックは、有害な化学物質を使用しない製造過程を採用した、環境配慮型の建材です。さらに、アルミニウムをベースとしているため、再利用がしやすく、廃棄物削減にも貢献します。
これまでは建築物に対し、デザインやかっこよさといった意匠性が重要視されていましたが、これからは地球環境に対する役割や責任をどのように果たしていくのかが最も重要となるでしょう。
そういった観点で、アートテックは環境に配慮した建築物を実現するための重要なパーツのひとつとして活躍します。
施工事例1 プレミストタワー靱本町
ここからは、アートテックが実際に使用されている建築物を紹介します。プレミストタワー靱本町(うつぼほんまち)は、2023年2月に完成した地上36階建てのタワーマンションです。本町駅や靱公園まで徒歩1分、周辺には飲食店やオフィスなどが立ち並ぶエリアに建設されました。
建築するにあたり、建材にはタワーマンションにふさわしい意匠性、そして現場での高い施工性を持つことが求められました。
アートテックは下記のような特徴から、プレミストタワー靱本町の建材に採用されています。
・抜き穴加工とラウンド加工に対応できる
・アートテックの意匠性が高い
・アルミで軽量かつ施工性が高い
外観ポイント
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プレミストタワー靱本町では、エントランスホールの壁面にアートテックが使用されています。「ゴールド調石目柄を基調とした抜き穴加工」が意匠のこだわりポイントで、施工性や軽量性といった観点からアートテックが採用されました。
ゴールド調石目柄を用いた、吹き抜けによる開放感あふれるエントランスホールは、非日常を思わせる高級なホテルのようです。天井に吊るされたアートワーク、そして三角形の抜き穴から漏れる光がキラキラと輝き、住民を優しく出迎えてくれます。
ディテール&加工&カスタマイズ
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エントランスホールに使用したアートテックには
・特注色の印刷
・三角形の抜き穴加工
・建物の形状に合わせたラウンド加工
が施されています。三角形の抜き穴の裏にはLEDを取り付け、緩やかなラウンドの形状にすることで豊かな表情を演出しました。
施工事例2 船場センタービル
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続いてのアートテックの施工事例は、大阪を代表する商業施設ともいえる船場センタービルです。船場センタービルは大阪万博が開催された1970年に開業した大型商業施設で、全長は1kmにも及び、飲食店や衣料品店、事務所など800店舗以上が軒を連ねています。
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開業から長い年月を経て、老朽化によるタイルのひび割れや剥がれなど外装の傷みが目立つようになり、45周年を機に外装を一新するリニューアル工事が行われました。
その際、軽量であることやメンテナンス時の対応も容易であることなどから、元の外壁のタイル落下防止のため、アートテックが採用されました。
この船場センタービルのリニューアルは、第36回大阪まちなみ賞で建築サイン・アート賞を受賞しており、アートテックの高い意匠性が認められています。
外観ポイント
1号館から10号館まである建物をそれぞれ別の色にすることで、訪れた人が自分の現在地を把握しやすくなる色彩設計が施されています。用いられた色は「もえぎ色」や「朱色」、「紺青色」といった日本の伝統色。この伝統色と表面にデザインされている小紋柄が幻想的な雰囲気を醸し出しており、繊維街の歴史と文化をより一層際立たせています。
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また、一部には「セ ン バ」の文字で構成された柄も施されています。このように船場センタービルの個性を表現するユーモアなデザインも外観ポイントのひとつといえるでしょう。
ディテール&加工&カスタマイズ
外装に使用したアートテックはアルミ板に直接印刷されており、曲げ加工後も色柄が鮮やかに維持されます。従来のカットパネルでは曲げ加工部分の色柄が途切れてしまうこともありましたが、アートテックはその心配がなく空間に一体感を持たせることが可能です。
また、アートテックは下地材を必要としないため、カットパネルよりもコスト軽減が図れます。特に、大面積の採用において、優れた経済性を実感できるでしょう。
まとめ
アートテックは高い耐候性・意匠性・加工性を持ち、内外装を問わずに使用できるアルミパネルです。建築のコンセプトに合わせて、特注色での塗装や柄の印刷、抜き穴加工などの対応が可能となっており、オリジナリティのある雰囲気を演出できます。
プレミストタワー靱本町と船場センタービルのリニューアルでは、実際にアートテックの意匠性や加工性の高さなどが評価され採用されています。ぜひ、アートテックで洗練された建築にして、街を彩る演出をしてみてはいかがでしょうか。
【参考】出典元
製品の特長 外壁・外装建材のアートテック
コンセプト 外壁・外装建材のアートテック
作品詳細 船場センタービルのリニューアル/第36回建築サイン・アート賞 大阪都市景観建築賞
事業内容 船場センタービル 船場センタービル - 株式会社 大阪市開発公社
船場センタービルの外観・意匠 MarkupDancing
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*2024年4月現在の情報です。
*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。