CRMシステムを活用したナーチャリング事例と成功させるポイントを紹介!!
企業の経営手法の一つとして主流になりつつある「CRM」。また、CRMを活用したナーチャリングは、顧客定着に効果的なマーケティングであると注目されています。とはいえ、CRMやナーチャリングとはどういうものか知らない経営者も多いことでしょう。
この記事では、「CRM」や「ナーチャリング」の基礎的な情報を紹介するとともに、CRMを活用したナーチャリングの事例や成功させるポイントについて解説します。この記事を参考にマーケティングを成功させ、企業の利益アップにつなげていきましょう。
2022年10月公開
CRMとナーチャリングの違い
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ここでは、CRM、ナーチャリングのそれぞれの概要について見ていきましょう。また、双方の違いについても解説します。
CRMとは
CRMとは、「カスタマーリレーションシップマネジメント(Customer Relationship Management)」の略称で、「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」という意味になります。
CRMは、顧客との関係を良好にし、それを維持していくことで利益を生み出す経営手法です。また、顧客との関係性を管理するツールあるいはシステムという意味合いでも使われます。例えば通販事業者が商品の購入者へ、メルマガやDMを送付することもCRMの一種です。
ナーチャリングとは
ナーチャリングとは、「顧客育成」という意味で使われています。具体的には、商品やサービスに対して購入の可能性がある「見込み客」から「顧客」へと育成し、さらに顧客から「リピーター」へ育成する段階的な顧客育成のこと指します。
ナーチャリングにはいくつか種類がありますが、見込み客を顧客へと育てることを「リードナーチャリング」と呼びます。
CRMとナーチャリングの違い
一見、CRMとナーチャリングは似たような内容に見えますが、違いがあります。CRMは顧客との良好な関係を構築する経営手法であるため、「ツール」です。要するにCRMは、顧客に対してアプローチをしていく数多くある手法のひとつということです。
一方で、見込み客から顧客へと育てるという施策そのものをナーチャリングといいます。そのため、ナーチャリングにつなげるための手法の一つとしてCRMがあります。
リードナーチャリングが注目される理由
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リードナーチャリングが注目された背景としては、スマートフォンやパソコンなど、インターネットが普及した現代において購買行動が顧客自身の情報収集で完結していることが挙げられます。
一昔前のようにテレビや新聞など売り手側が大多数に向けてアプローチする方法では、現代においては購入確率が上がりません。顧客の口コミや顧客体験が重要視されているのです。
マンパワーの営業活動では限界があるため、資料請求や問い合わせをしてくれるといった見込み客自体の質を上げることが売り上げにつながるカギとなっています。見込み客の質を向上させるには、効率的にリードナーチャリングを行う必要があるため注目されているのです。
CRMを活用したリードナーチャリングがおすすめの理由
企業と顧客を結び付けるものは、メールやSNS、LINEなどネットを中心に多様化しています。多様化する顧客との接点、顧客の価値観に対応するために、CRMを活用してナーチャリングを行う方法が注目されているのです。
ナーチャリングでは、見込み客を育成し、顧客の課題解決と購買意欲を結び付けます。顧客の体験価値を高めることにより、購買意欲を掻き立てて購入確率をアップさせていくのです。
こうした取り組みを達成させるためには、顧客一人ひとりに向き合った柔軟な営業が求められます。マンパワーでは限界がありますが、CRMを搭載したシステムを活用することで、膨大な顧客との関係を良好に維持することが可能です。
CRMを活用したリードナーチャリング事例
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CRMを活用したリードナーチャリングには、以下のような事例があります。
【CRMを活用したナーチャリング事例】
■メールマガジンの送付
■セミナーの開催
■LINEでのコミュニケーション
メールマガジンの送付
期間限定のキャンペーンを告知するツールとして、メールマガジンを活用するといった方法があります。大多数に対して一斉にメールマガジンを送るやり方もありますが、顧客一人ひとりのニーズに即さない場合が多いため効果は低いでしょう。
そのため、顧客のニーズに合わせてメールを使い分けたり、売り込み要素の少ないメールと営業メールを使い分けてメリハリをつけたりするなど、従来の方法とは違ったやり方が求められています。従来の顧客情報管理体制では実現が難しいやり方ですが、CRMを活用すれば、これらを実現できる上に効率的に行えるでしょう。
なお、CRMを活用したメールマガジンの送付は、エンタメ業界やアプリ業界に効果が期待できます。これらの業界のペルソナと普段からスマートフォンやパソコンに触れる機会が多い層が一致しやすいため、メールマガジンを閲覧してくれる可能性が高いでしょう。
セミナーの開催
セミナーは、顧客に来店してもらい、サービスや商品の訴求を行います。セミナーが終了した後に、個別でミーティングを実施することもあり、顧客に対して綿密な営業が可能です。セミナーに来る顧客は商品やサービスに対して一定の興味を持っており、見込み客としての質は高いと判断できます。
効果的なセミナーを行うことで、見込み客から既存の顧客へ、さらにうまくCRMを活用すれば優良顧客へと育成できるでしょう。
セミナーの開催は、不動産や金融といった業界で効果が期待できます。メールマガジンやDMなどでは伝えきれない情報も、セミナーでしっかり伝えることが可能です。
LINEでのコミュニケーション
近年、LINEなどのソーシャルメディアもリードナーチャリングの方法として活用されています。LINEは日本人にとって使いやすいツールで、「NTTドコモ モバイル社会研究所
」のレポートによると、2022年1月時点でスマホやガラケー所有者のうちLINE利用率は81.6%と高水準です。LINEはメールよりも気軽に利用でき、返信が得やすいというメリットがあります。
LINEの利用は、美容業界や保険業界、人材派遣業界が向いています。LINEは年齢や性別を問わず幅広いので、効果的なリードナーチャリングにつながるでしょう。うまく使えばBtoBのビジネスにも活用可能です。
リードナーチャリングを成功させるポイント
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リードナーチャリングを成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
【ナーチャリングを成功させるポイント】
■ターゲットを明確にする
■見込み客の購入フェーズを可視化する
ターゲットを明確にする
リードナーチャリングを成功させるためには、ターゲットの明確化が重要です。見込み客の中で、実際に購入へつながる確率はあまり高くありません。当然ながら無作為に営業をかけても購入にはつながらない上に、興味のない営業をされたと不快に思う方も出てくるかもしれません。
効率的かつ効果的に営業をかけていくためには、商品やサービスを必要としているターゲットを明確にして、そのターゲットに向けた営業をしていく必要があるのです。
ターゲットを明確にするには、ペルソナを作成することをおすすめします。ペルソナでは、顧客の氏名や年齢、性別などの基本的な属性に加えて、購買に関連する行動属性も明確にします。現実味のあるペルソナを作ることは、リードナーチャリングを成功させる第一歩です。
見込み客の購入フェーズを可視化する
見込み客を購入フェーズで可視化して、フェーズごとに有効なリードナーチャリングを行いましょう。フェーズが変わっても同じ営業をしていては、あまり効果は期待できません。フェーズごとで最適な営業を行うことで、見込み客の購入意欲を上げていくのです。
フェーズは、以下の4つに分類できます。
1、認知・集客フェーズ
2、啓発・送客フェーズ
3、提案・提示フェーズ
4、営業フェーズ
それぞれのフェーズで自社がどのような取り組みができるかをピックアップして実施していきましょう。
まとめ
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現代のビジネスでは、市場の競争が激化する中で、見込み客をいかに顧客、リピーターへとつなげるかが重要視されています。また、インターネットなどの発達により多様化する顧客の価値観に対して、ツールを用いた柔軟なマーケティングは必要不可欠です。
しかし、一昔前の大多数に向けた画一的な営業では効果は期待できないため、CRMを活用したリードナーチャリングを行う必要があります。CRMとナーチャリングを理解して活用し、効果的かつ効率的に顧客獲得をしましょう。
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