自社ビジネスの特徴から選ぶ!MAツール選定のポイント【前編】
マーケティングオートメーション元年から4年が経ち、数多くのさまざまなマーケティングオートメーションツール(以下MAツール)が出そろいました。
ユーザーにとっては、比較対象となるMAツールのバリエーションが増えたことは、自社に最適なツールが見つかる可能性が増すため、好ましいことである一方、選定するのが難しくなってきています。
本記事では、MAツール選定にあたり押さえるべき基本の考え方とそのポイントを解説します。
目次
1.MAツール選定の基本の考え方
2.MAツール選定のポイント
3.まとめ
1.MAツール選定の基本の考え方
MAツールの製品数が多くなるにつれ、比較選定関連のコンテンツも多数公開されています。
しかし、その内容は、比較ではなく概要レベルの情報を数多く並べるだけであったり、バイアスがかかっていたり、そもそも比較している項目が自社にとって適切なのか疑問であったりと、選定業務へのお役立ち度は限定的で、時に混乱させてしまうこともあるかもしれません。
当然のことながら、単純にツール同士を比較しているだけでは自社に最適な選定はできません。
「自社のビジネスの特徴」 と 「ベンダー/ツールの特徴」 をマッチングして分析し、絞り込みながら選定していくことが重要だと考えます。
「自社のビジネスの特徴」 とは、例えば営業、マーケティング業務、顧客と顧客の行動プロセスや製品・サービスなどの特徴であり、「ベンダー/ツール」 の特徴とは、主に製品機能や、ベンダーの戦略やコンセプト、出自などの特徴です。
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両方の特徴をどのようにマッチング分析すればよいのか、具体例を挙げてみましょう。
2.MAツール選定のポイント
MAツールの選定において、まず注目すべき「自社のビジネスの特徴」は、自社の製品・サービスを顧客が検討しはじめてから購入決定するまでの 「購買行動プロセスの長さ」 と、営業担当者がつき、顧客と対面してクロージングを行うかどうかの「対面営業プロセスの有無」です。
・顧客が自社製品・サービスを購入するまでの「購買行動プロセス」が長いか、短いか
・顧客に対して、担当者が「対面営業」を行っているか、いないか
生産財やITシステムなどの高額な製品・サービスを扱う企業の場合、顧客が購買決定に慎重になるため、購買行動プロセスは長くなる傾向にあります。
特にBtoB企業では、購買決定するまでに多くの情報を収集したり、複数の部署や人が議論を重ね、複数のマネージャーが承認するため、購入・契約までの期間は長くなります。
また、営業プロセスは企業ごとに営業担当者が付き、対面で営業活動を行い、クロージングするのが一般的です。
BtoC企業でも、不動産や自動車のような金額が高い高関与商品の場合は、購買行動プロセスは長くなります。営業活動については、ECでの取引が一部はじまってはいるものの、まだまだ対面営業が主流でしょう。
このように購買行動プロセスが長く、対面営業プロセスがある場合は、「スコアリング機能」を重視してMAツールを検討すべきです。
検討期間が長い場合、任意の時点における関心度や、自社の見込み適正度を定量的に管理できるスコアリングの機能が有効です。また、対面営業プロセスがある場合、マーケティング担当者と営業担当者が顧客の見込み度合を定量情報で共有できるメリットは協業する上で非常に大きいでしょう。
スコアリング機能にも製品・ベンダーによってさまざまな特徴がありますので、自社のマーケティング戦略と照らし合わせてマッチング度合を比較してみましょう。
反対に、食品・飲料・日用品などの少額で低関与な製品・サービスを扱う企業の場合、購買を検討する顧客は、必要なときに最初に頭に浮かんだ、または、目の前にある製品・サービスから選択して購入する傾向があり、検討期間は一般的に短いです。そして、対面営業プロセスは無いケースがほとんどです。
顧客の行動形態がこのような企業では、少数の顧客の見込み度合を測るスコアリング機能よりも、より多くの消費者へ、より多くの打ち手を設計し実行、管理するのに役立つ「シナリオ設計機能」や「キャンペーン管理機能」を重視して検討すべきです。MAツールを切り分けるときに最近よく使われる、「BtoB向け」なのか、「BtoC向け」なのかという区分は、非常に分かりやすいですが、本質的な分け方ではありません。最初にこの方法で切り分けて選定に入ってしまうと、最適なツールを排除してしまうリスクがあるため注意しましょう。例えば海外ベンダーのMarketoは、日本ではBtoB向けMAとして認知が進んでいますが、ワールドワイドでユーザーを見てみると、決してBtoB企業に偏っているわけではありません。実はBtoC企業も数多く導入しているのです。
3.まとめ
今回のコラムではMAツールを選定する際の基本的な考え方と、選定方法例を紹介しました。MAに限らず、マーケティングツールの選定においては、自社ビジネスの特徴、マーケティング業務の特徴・本質をきちんと把握し、ベンダー製品の特徴とマッチング分析して検討を進めていくことをお勧めします。
これから検討を始める方は、まずは自社の顧客の購買行動プロセスをきちんと把握すべく、カスタマージャーニーマップを書くところからスタートさせてみてはどうでしょうか。
カスタマージャーニーマップの作り方については下記コラムを参考にしてください。
「そのカスタマージャーニーマップで大丈夫?本当に使えるカスタマージャーニーマップの作り方」
皆様がデジタルマーケティングツール選定をされる際に、少しでもお役に立つ情報になれば幸いです。
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※2018年7月時点の内容です。