パルシステム千葉様
免許証目視と手書きからの脱却!生協がめざす効率的なアルコールチェック体制の実現
DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3) は、アルコールチェックや記録作業だけでなく、運転免許証(以下、免許証)の確認や車両の鍵の管理まで行える製品で、安全運転管理者の業務をサポートします。今回、現場管理者の負担軽減のためVD-3を導入し、免許証の目視確認と点呼記録簿(以下、記録簿)記入作業を大幅にカットしたパルシステム千葉様にお話をうかがいました。
(2024年2月20日取材)
概要・サマリ
事例概要:
パルシステム千葉様では、注文された食材や生活用品を組合員の自宅まで配送するため、日々多くの車両が稼働しています。運行前に行う点呼業務にて、アルコールチェック以外にも免許証の有効期限確認や、乗車可能な車両の車格※が合っているかの確認も実施しており、現場管理者の作業負担(手間・拘束時間)が大きい状況でした。VD-3導入は、目視チェックや手書き作業をなくすことができ、現場管理者の大幅な作業時間カットに繋がりました。さらに改ざんや記入ミスの発生をなくす仕組みを構築することができました。
※車両総重量、積載量等で分類される車両の種類(大型車、中型車、準中型車、普通車…etc)
お客様概要:
社名 | 生活協同組合パルシステム千葉 |
---|---|
事業内容 | 生活協同組合は、組合員の方々によって構成されている団体です。組合員一人ひとりの願いや思いを受けながら、組織としての一つの意思を持って事業・活動を進めています。産直にこだわり、安全・安心な食材や生活用品を自宅まで配送する供給事業を中心に、健康・暮らし・環境・平和・保障など組合員一人ひとりの「くらし課題解決」に貢献されています。 |
従業員数 | 約782人 (2024年3月時点) |
ドライバー数 | 約200人 (システム管理対象人数) |
車両台数 | 約200台 (システム管理対象台数) |
拠点数 | 8拠点 (システム管理対象拠点) |
URL | https://www.palsystem-chiba.coop/(外部サイト) |
|
|
Before/After:
課題(アナログ運用の大変なこと)
成果
ヒューマンエラーが発生するリスクが0になった。
誰がどの車種に乗れるのかがすぐわかるため、
確認に割いていた作業時間を削減。
導入した商品
DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)
システム的にアルコールチェック結果を呼気吹きかけ時の顔写真と合わせて記録でき、免許証の有効期限や乗車可能車格のチェックや記録をサポートする製品です。アルコールや免許証のチェック時に発生する管理者の確認・作業負担軽減に最適な製品です。
アルコール検知器(型番:FC-1200)
VD-3と連携可能な株式会社タニタ製の高精度なアルコール検知器(燃料電池センサー)です。規定使用年数(1年間)もしくは規定使用回数(20,000回)のどちらか早く達したタイミングでセンサー交換※が必要となります。
※センサー交換については株式会社タニタとの直接契約となります。
導入背景:安全運転に関わる、現場管理者の業務負担が大きい
パルシステム千葉様は注文された食材や生活用品を組合員の自宅まで配送するため、配送車両台数拠点平均12台の白ナンバー車両を月~金曜日の週5日(祝日含む)稼働させています。乗車の前後に点呼を実施しており、義務化されているアルコールチェックのほか、安全運転・法令遵守の徹底のため組織独自に免許証の確認も行っています。
記録簿は、ドライバーごとに紙を出力して一人ひとりのチェック結果を手書きにて記入しています。記録簿は1年間残す必要があり、すべて紙のままファイリングしていました。記入作業から保管まで手作業のため、書き間違えや記入漏れ、紛失といったヒューマンエラーが発生しやすい運用でした。アルコールチェックの義務化に伴い、正確に漏れなく記録する必要があるため、現場管理者はより慎重に確認・記録を行うことになり、毎回の点呼に時間を割かねばならない状況でした。
また、免許証は①有効期限 ②免許種類(乗車できる車格)を確認しており、供給長が配送職員の免許証、営業長が営業職員の免許証を確認し、センター長が各部署の確認がしっかり行われているかを管理していました。
① 有効期限の確認
免許証の有効期限は管理表に集約しており、有効期限が近い職員に対しては事前にアナウンスして免許更新を促しています。有効期限情報はExcelで管理しており、毎年4月の人事異動のタイミングで新情報に更新していましたが、人数分の手入力作業が発生してしまうため、時間と手間がかかっていました。
② 免許種類(乗車できる車格)の確認
乗車予定車両が自身の運転資格では使用NGな車格だった場合、積み荷を運転可能な車両へ積め替える必要があり、移動作業で20~30分のロスが発生します。現場管理者はそのようなロスを起こさないために、「誰がどの車両に乗れるのか」を管理しており、免許証の有効期限や免許種類(普通/準中型…)の確認を目視で行っていました。しかし、目視の場合、見間違いリスクがある上に、慎重に確認すると時間がかかるため、管理者にとって素早さと正確さを両立させるのが課題でした。
|
|
導入のポイント
選定基準は「アルコールチェック以外にも何が効率化できるのか」
法改正への対応はあくまでもきっかけ
アルコールチェックシステムの導入を検討し始めたのは2022年のアルコールチェック義務化がきっかけでしたが、安全運転を強化する目的のもと、もともと抱えていた現場管理者の業務負担軽減にも繋がるシステムを探していました。特に、アルコールチェック機能以外にも効率的に安全運転・法令遵守へと繋がる機能を有し、現場運用が煩雑化しないシンプルな使い勝手のものを求めていました。
選定基準一覧
・アルコールチェック以外の管理機能があること(免許証情報の管理など)
・法改正に対応していること
・使い勝手がシンプルであること
・ペーパーレス化につながること
・社内のセキュリティルールをクリアしていること(個人情報の取り扱いなど)
決め手は「記録の自動保存、免許証情報の管理一元化」
VD-3はアルコールチェックだけでなく免許証の確認(免許証携帯/有効期限切れ/免許種類)機能を有しており、今まで時間をかけていた免許証確認をシステムに置換することで、ヒューマンエラー防止と管理者の業務効率化を両立させます。クラウド管理が行えるシステムも検討しましたが、求めている運用に対してオーバースペックな機能が多かったため、シンプルなフローで各種チェックと記録が行えるVD-3の運用が適していると判断しています。
|
また、パルシステム千葉様は個人情報の取り扱いなどのセキュリティルールが厳しく、他社サーバーへ職員の個人情報を保管するクラウドサービスの導入は高いハードルがありました。他社サーバーを介さず、自社ネットワーク内でデータの管理ができるスタンドアローンの運用が安全だと判断しました。
事前のトライアルで運用検討
パルシステム千葉様では、使い勝手の確認と運用面やセキュリティ面における懸念点の洗い出しを目的に、車両・ドライバー数の多い松戸センターにて実機トライアルを2週間行いました。本格導入前に運用ルール等を定めることができ、システム導入後のスムーズな運用切り替えに成功しました。例えば、アルコールチェックを実施するメンバーが滞留しないようチームごとに作業を分散させ、アルコールチェックできない時間中に積み荷、車両点検を実施しておくようルール化しました。
また、セキュリティ面(組織内規程)をクリアしているかの事前チェックを行い、導入時の不安要素を解消することができました。
VD-3の導入効果(成果)
|
|
成果① 手書き運用からの脱却で「改ざん」「書き間違え・紛失」の発生リスクゼロへ!
VD-3は、一連の流れで免許証の確認、アルコールチェック、必要な項目の入力を行うことができ、記録は自動でシステムへ保存されます。VD-3導入によって現場管理者による一人ひとりのチェック結果の記録作業を省略したことで、以下のリスクをなくすことができました。
改ざんの発生リスク
アルコールチェック結果(数値など)を自由に記入できてしまうと、チェックをしていないにもかかわらず実施したように見せかけたり、チェックで数値が検出されても「0.000mg/l」で書き換えるといった改ざん行為が簡単に行えてしまいます。VD-3はアルコール検知器によって測定された数値をそのままPCへ反映させるため、手書きが必要なくなり、数値の改ざんができない仕様になっています。
書き間違え・紛失などのヒューマンエラー発生リスク
法令によって定められている記録項目は多く、一つひとつ手書きしていると、故意でなくても、日時や車両番号などを書き間違えてしまうことがあります。VD-3では、質問項目を〇✕項目にしたり、プルダウンから選択できるため、煩わしい手書き・手入力することなく記録することが可能です。未回答の場合、ポップアップが表示されるため、必要な項目を漏らすことなく記録作成することができます。紙の記録簿による管理の場合、ファイリング作業や紛失のリスクが発生してしまいますが、手書き・保管作業を介在させないことで、ヒューマンエラーの発生をなくすことができました。
成果② 免許証の目視ミスがゼロに!「誰がどの車両に乗車できるか」の管理が簡便化
VD-3は、点呼時に免許証をかざすだけで有効期限切れかどうかを判別します。有効期限が近付いている場合も色や音でわかりやすく通知するため、有効期限の接近に気づきやすくなります。点呼の度に10秒前後かかっていた免許証の目視確認がなくなり、確認時間と見間違えリスクの発生がゼロとなりました。
また、ドライバーリストの画面では、登録しているメンバーの有効期限の一覧化が可能です。項目名をクリックすれば昇順/降順に並び替えられるため、誰の有効期限が近付いているのかが把握しやすく、職員へのアナウンスが効率化されました。毎年4月の人事異動のタイミングで新情報に更新する必要がありましたが、VD-3によって集約されたため、人数分の手入力作業が不要となりました。
自分が乗車できる車両しか表示されない
「車両ナンバー」の項目では、自身の免許種類(乗車できる車格)と紐づいているため、自分が乗車できる車両しか表示されないようになっています。誤った車両に乗らないように「誰がどの車両に乗車できるのか」を目視+都度確認していましたが、VD-3の導入で即座に判断可能なわかる仕組みを構築でき、素早く・正確に点呼および配車を実施できるようになりました。
パルシステム千葉國府田様
「多くの手作業や確認時間をカットすることができたため、今後VD-3なしでの運用はもう考えられません。」
成果③ 紙の提出不要!離れた拠点の点呼実施状況もリアルタイムに把握可能
ドライバーごとに出力した紙の記録簿は、ファイリング後に確認するためリアルタイムでの状況確認が困難であり、本部管理者が各拠点の実施状況を確認したくても把握できない状況でした。VD-3なら、各事業所の点呼データcsvは指定した任意のフォルダへ自動格納(上書き)されます。点呼の度に更新されているデータのため、本部からリアルタイムで点呼実施状況が確認できるようになり、関係者への注意やアドバイスなどのフィードバックのスピード感が高まりました。
システム導入の副産物「ローテーションで使用し、全体の無駄な時間をカット」
VD-3は各拠点に一式導入しています。この一式で点呼業務をまわす必要があるため、組織全体で効率化を意識するようになり体制の見直しも行うことになりました。例えば、いくつかのチームに分け、チームごとにローテーションで乗務前の準備(点呼業務、積荷作業、車両点検、グループミーティング)を行うようにしました。そうすることでアルコールチェックのタイミングが重なって滞留することなく、円滑に乗務前作業を完了させる運用を確立することができました。
|
今後の展望
パルシステム千葉國府田様
「わたしたちパルシステム千葉は、事故を未然に防ぐため、危険挙動の削減重きをおいています。生協として人身事故の防止を常に意識しており、特に「ながら運転」の撲滅を考えています。すでに、ドラレコの設置、運転シミュレーターの導入、事業所構内での駐車時の誘導や実地訓練などさまざまな安全運転への取り組みを行っていますが、ブランドイメージである「安全・安心」を守るべく、地域の模範となる運転を常日頃行っていきます。」
※内容について、予告なく変更することがあります。
この事例で導入した製品・サービスについて
関連製品・サービス
-
ソフトウェア開発キット
DNP運転免許証読み取り/認証ソフトウェア
DNP運転免許証読み取り/認証ソフトウェアは、運転免許証(以下、免許証)によるドライバー管理・ICチップデータを活用した社員証のような個人認証・ICチップデータとスキャン画像による本人確認時のチェック(真贋判定補助)などの機能を簡単にシステム組み込み可能なソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)です。スタンドアローンで運用向けの「運転免許証確認アプリケーション」では、自動車教習所(以下、教習所)など、免許証チェック(真贋判定補助/ICチップデータ読み取り)や、帳票(確認記録)の印刷が、簡単にできます。 -
窓口・カウンターなど限られたスペースに設置可能なICリーダーライター内蔵のスキャナー
IDドキュメントリーダー
IDドキュメントリーダーは、レンタカー、携帯電話、会員申し込み手続など、店頭や窓口で法律・規則により、本人確認を行う際に、お客様の目の前で、運転免許証(以下、免許証)、在留カード、特別永住者証明書、マイナンバーカード、パスポート(旅券)などの本人確認書類のスキャンができます。 本体にICリーダーライターを内蔵しているため、スキャナーに本人確認書類やカードを挿入・かざすことで、スキャン画像とICチップデータの読み取りが可能です。