茨城県大子町様
シンプル操作でアルコールチェック業務と公用車管理をスムーズに!
DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3) は、アルコールチェックや記録作業だけでなく、運転免許証の確認や車両の鍵の管理まで行える製品で、安全運転管理者の業務をサポートします。昨年VD-3の実証実験を行い、本格導入されてから1年が経過した茨城県大子町の結城様と皆川様に、導入後の効果や独自の運用方法についてお話をうかがいました。(2023年7月19日取材)
アルコール検知から運転免許証確認、鍵の貸与までのフローを一元管理
VD-3は安全運転管理者の義務であるアルコールチェックや運転免許証の確認を一連のフローで実施し、その結果を自動で帳票化するシステムです。
また、各チェック要件を満たして初めて車両の鍵が取り出せる鍵管理ボックス(以下、鍵ボックス)と合わせて利用することで一層の業務の効率化を図ります。
大子町では、近年強化されている道路交通法の施行・改正への対応、それに伴う管理者の業務負荷軽減を考えVD-3を使った実証実験を行いました。そして、2023年3月より本格導入されました。
2022年6月に行った実証実験の様子
2022年4月1日より施行された道路交通法施行規則の改正
2021年に起きた飲酒事故をきっかけとして、2022年4月1日より安全運転管理者は、運転者の酒気帯びの有無(アルコールチェック)を目視等で確認するよう道路交通法施行規則の改正によって義務付けられました。さらに、2023年12月1日からは目視等での酒気帯び確認に加えてアルコール検知器を使用した確認が義務付けられました。
安全運転管理者とは
安全運転管理者とは、企業における安全運転を確保する責任者である事業主に代わって(代務者として)安全運転の確保に必要な業務(酒気帯びの確認の徹底や運転者に対する安全運転指導など)を行う人を言います。
安全運転管理者は、「乗車定員11人以上の自動車は1台以上、その他の自動車を5台以上使用している事業所(自動車使用の本拠地)」において、選任が必須となります。
引用:【2023年最新版】安全運転管理者とは?罰則まで詳しく説明
結城様・皆川様との会話(インタビュー)
昨年VD-3の実証実験を行い、本格導入されてから1年が経過した茨城県大子町の結城様と皆川様に、導入後の効果や独自の運用方法についてお話をうかがいました。
安全管理業務を徹底する上での懸念点
DNP大槻:
2022年4月に施行された法改正によって安全運転管理者は運転者のアルコールチェックが義務化されましたが、大子町様は法改正に対応する上でどのような点が懸念点となりましたか?
大子町 結城様:
毎回のチェック作業の負担とチェック漏れの発生を心配しました。アルコールチェックの際、一人ひとりに対してきちんとチェック結果を確認し、その結果やその他必要な項目を記録し保管する必要があります。自治体として、チェックの漏れや記録の不備がないようにしっかりと確認しなければいけないため、一連の確認業務に割く時間や作業工程が多くなることが課題であり、いかに効率化を図るか検討する必要がありました。
飲酒運転防止を徹底するためには、自由に車両の鍵を持出させるわけにはいかず、鍵の受け渡し作業も必要ですが、管理車両台数を考慮すると作業負担増が予想されました。現在総務課では、各課で管理している車両以外の共用の車両13台を担当していますが、将来的に各課管理の車両も総務課が取りまとめる予定のため、今後は42台ほどに増える見通しです。
また共用の車両は、出張利用などでさまざまな課の職員が利用します。建設課や農林課などは各課管理の車両を保有していますが、業務で車両を使うことが多く、各課管理の車両が出払ってしまった場合は共用車を利用することがあります。不特定多数の方が不定期に利用するため、乗車頻度の少ない方が借りにくることがあります。アルコールチェックに慣れていない方へのルール徹底ができるかも懸念点だったため、一連の流れで漏れなく簡単にアルコールチェック~記録が行えるような仕組みの構築が必要でした。
道路交通法によって記録が義務づけられている項目
➀確認者名/②運転者名/③運転者の業務に係る自動車登録番号又は識別できる記号、番号等/④確認の日時/⑤確認の方法/⑥アルコール検知器の使用の有無(2023年12月より施行) /⑦酒気帯びの有無/⑧指示事項/⑨その他必要な事項
※ 引用:道路交通法施行規則等の一部を改正する内閣府令内閣府)
※ 引用:安全運転管理者の業務の拡充(道路交通法施行規則の一部改正)(埼玉県警察)
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VD-3導入の決め手
決め手①:シンプルな操作フローでセルフ管理と業務負荷の削減を実現
DNP 大槻:
大子町様は今回、VD-3とアルコール検知器、それから鍵ボックスを導入いただいています。導入の決め手となった点は何ですか?
大子町 皆川様:
VD-3と鍵ボックスを接続することで、アルコールチェックと車両鍵の受け渡しを一気通貫で行える点です。一連の流れですべてのチェックが完了し、運転可能な職員のみ鍵ボックスから鍵を取り出せるため、運用徹底の一環としてチェック漏れ対策ができる仕組みになっています。運転者数が多くなるとチェック漏れや書き漏れ、書き間違いといったヒューマンエラーの発生確率が高まるため、VD-3がとして有効であると考えました。
また、煩わしいチェック操作による職員の負担増加を避けたかったため、シンプルな操作性であることも重視しました。VD-3は、シンプルな操作フローでチェックが進む点も決め手のひとつです。スタンドアローンなので、導入時に自治体側で何か別システムに組み込むなどの作業もなかったのもよかったです。
さらに、一人ひとりに対する鍵の受け渡し業務部分を鍵ボックスに任せることで鍵の貸与から返却の作業をセルフ化でき、総務課の乗車前後の立ち合い業務軽減にもつながっています。
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VD-3のデモンストレーション動画
動画:DNP安全運転管理サポートシステムVD-3デモ動画(ショートバージョン)(1:45)
決め手②:鍵の受け渡し作業をセルフ化!
DNP 大槻:
その他、VD-3導入の決め手となった点や、効率化に役立てている点はありますか?
大子町 結城様:
VD-3は各チェックの結果を自動で記録できるため、記録簿の手書き作業が不要になった点です。記録簿はVD-3のデフォルトの形式ではなく、今まで使っていた大子町様式と合わせたかったため、チェックの度に自動で出力されるCSVを活用して、記録簿に落とし込んでいます。
また、VD-3でチェックが完了し、問題がなかった職員のみ鍵ボックスから車両の鍵を取り出すことができるため、管理者による鍵の受け渡し作業も不要になりました。
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大子町様独自の車両点検フローを明瞭化
大子町 皆川様:
毎月初め、車両点検のフローとして各種点検(タイヤやブレーキの状態などを確認)する必要があります。これは車両ごとに実施しており、その月に初めて使用する車両へ行います。乗車予定の車両がその月に車両点検済みなのかをわかりやすくするために、毎月初めは点検の要否を判断するカードを鍵ボックス内に入れるようにしました。車両の鍵の取り出し時にカードが入っていた方は、車両点検を実施するというフローです。
点検カード |
- 車両点検の流れ
①総務課:毎月初め、すべてのボックスに「点検カード」を入れる
②職員:アルコールチェック後、鍵を取り出す際に「点検カード」が入っていた場合、車両点検を行う
(「点検カード」は取り出して、回収ボックスに入れておく)
③次にその車両に乗車する人は、「点検カード」が入っていないため、車両点検の必要はなし
車両の鍵取り出し時の「点検カード」の有/無で、車両点検実施の要/不要が把握できる、便利な活用法です。
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今後の展望
大子町 皆川様:
今後、総務課の管理する車両が増台する見通しです。管理者と職員の両者が負担なく実施できることがベストだと思うので、厳格なチェックをより効率よく実施できる運用の構築をこれからも進めたいと思います。
取材にご協力いただいた大子町様の情報
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業種 | 自治体 |
人口 | 14,533人(2023年7月1日現在) |
運転者数 | 約200人 |
車両台数 | 13台(今後は42台に増台予定) |
URL | https://www.town.daigo.ibaraki.jp/ |
- 取材にご協力いただいたご担当者様:大子町 総務課 皆川様 結城様
- 導入時期:2022年10月(※本格運用開始は2023年3月〜)
※大子町様には2022年6月に実証実験を実施いただき、その後2022年10月にVD-3を導入いただきました - 導入内容:VD-3 1式、アルコール検知器(FC1200) 2式、鍵ボックス(IB-3000) 2式
※アルコール検知器のうち1台は予備機として購入
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※内容について、予告なく変更することがあります。