神奈川県横浜市様「横浜市マイナンバーカード臨時申請窓口」での導入事例
マイナンバーカードの裏書で大活躍!
ICチップからの情報読み出し機能の活用で、
追記業務のプレッシャーと業務負荷から解放!
人口に対する交付枚数率が28.3%(2021年4月1日時点)になったマイナンバーカード。「2023年3月末までにすべての国民が所持している」という政府の目標にはまだまだ届きませんが、以前と比べると交付枚数率も上昇しており、2021年3月末で比較すると旅券(パスポート)の所持率を超えています。そんなマイナンバーカードですが、我々の手元に届くまでに、市区町村のマイナンバーカード交付窓口でいくつもの業務が存在しているのはあまり知られていないのではないでしょうか?
今回、「横浜市マイナンバーカード臨時申請窓口」にてDNP券面プリントシステムを試験導入していただいた横浜市様にご協力いただき、マイナンバーカードの交付前業務の一つである“オーバーフロー対応”について、横浜市市民局区政支援部窓口サービス課 担当 持丸様に詳しくお話をうかがいました。
(2021年4月記載)
※なお、本取材ではWEB会議システムを使ったオンライン取材を実施。訪問人数を最小限にし、感染予防対策に努めております。
導入場所・時期など
- 2021年1月から同年3月末まで「横浜市マイナンバーカード臨時申請窓口」にてDNP券面プリントシステム1台を試験導入
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申請をサポートするだけでは終わらない!
交付までのマイナンバーカードならではの業務
現在、マイナポイントなどの影響で急増した「マイナンバーカード(個人番号カード)」(以下、マイナンバーカード)の需要に対応するために、多くの自治体でマイナンバーカードの申請や交付に特化した窓口を開設する動きが活発化しています。
今回「DNP券面プリントシステム」を試験導入していただいた横浜市様も、2020年7月から2021年3月末まで横浜駅にほど近いビル内に「マイナンバーカード臨時申請窓口」(以下、臨時申請窓口)を開設し“申請時来庁方式”でのマイナンバーカードの申請受付を実施していました。
持丸様:「臨時申請窓口では、マイナンバーカードの申請方式の一つである“申請時来庁方式”を採用していたため、地方公共団体情報システム機構(以下、J-LIS)から完成したカードが臨時申請窓口に到着した後、申請者宛に”本人限定受取郵便”でカードを郵送していました。申請者にマイナンバーカードを郵送する前には、マイナンバーカードの暗証番号の設定など、いわゆるマイナンバーカードの交付前設定を実施する必要がありますが、その際必ず、出来上がってきたカードの不備チェックも行っています。特にカード券面の情報と住民基本台帳の情報とに差異がないかについては入念にチェックします。」
マイナンバーカードは申請から交付されるまでに1~2ヶ月ほど時間がかかりますが、その間に申請者が区外や市外に引っ越しを行った場合、マイナンバーカードの再申請が必要になります。また、同じ区内での引っ越しの場合、住民が区役所に来庁し、カード券面に新住所を追記する手続きを行う必要があるため、カード券面の情報と住民の最新情報との突合チェックは非常に重要になります。
DNP券面プリントシステムが活躍! マイナンバーカードのオーバーフロー対応
臨時申請窓口では、他にもマイナンバーカード特有の業務が存在します。“オーバーフロー対応”です。
持丸様:「カード券面に記載されている情報、および、マイナンバーカード内のICチップに書き込まれてある情報は、住民基本台帳の情報と一致していなければなりません。しかし、住所や氏名が長い場合はスペースの都合上マイナンバーカードの券面に途中までしか記載されていないことがあります。臨時申請窓口では、完成したマイナンバーカードの中に券面情報の不足があるカードがある場合、券面記載欄に必要事項を追記し、住民の方へ郵送しています。今回、DNP券面プリントシステムはこの業務で利用していたのですが、臨時申請窓口ではこの作業をオーバーフロー対応と言っています。」
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臨時申請窓口はあくまでもマイナンバーカード申請の窓口であったため、申請から受け取りの間に同じ区内で引っ越しをした場合に必要になる裏書業務等、住民が区役所に行き手続きを行う必要がある業務は実施せず、オーバーフロー対応のみを実施していました。
ここがポイント!
マイナンバーカードの交付までの流れ(横浜市臨時申請窓口の場合)
- 1.J-LISから臨時申請窓口にマイナンバーカードが届く
- 2.カードに不備がないかの確認
- 3.交付前設定(暗証番号等の設定)
- 4.オーバーフロー対応
- 5.本人限定受取郵便で発送
持丸様:「実は2021年1月にDNP券面プリントシステムを導入するまで、このオーバーフロー対応は担当者が油性ペンで手書きしていました。発生頻度はそれほど多くはないのですが、手書き特有の緊張感であったり、インクが乾くまで待たなくてはいけなかったりと業務負荷を感じていました。」
DNP券面プリントシステムなら「必要なものを書く作業」から「必要ないものを消す作業」になるため
ミスも業務負荷も大幅に減らせる!
オーバーフロー対応は申請者にマイナンバーカードを交付する前に実施する作業のため、手書きで対応する場合、自分の書いた字が10年間住民の方の手元に残ることになります。ミスしないことはもちろん、きれいに書かなければならないというプレッシャーを強く感じるのだといいます。
持丸様:「手書きをする場合、担当者が字を書くのが得意か不得意かという問題も出てきます。それに、頻繁にあるものではないためオーバーフロー対応が発生したときの現場の緊張感はなかなかのものです。
正直なところ、1枚当たりの記載にかかる時間はそれほど多くはありません。しかし、業務の特性上書く前にはどうしても気合を入れて取り組みたくなりますし、記載している間ずっと緊張し続けることになるので、精神的な負担は大きいと思います。」
さらに、手書きの場合は、
①追記しなければならない情報を目視で確認
②マイナンバーカードに既に記載されてある情報と比較
③必要事項のみ記載
といった作業になるためミスが発生しやすいのだといいます。
持丸様:「DNP券面プリントシステムは、マイナンバーカードのICチップから住所や名前の情報を読み出すことができるため、印字するときは、追記しなければいけない部分のみを残し、必要ない部分を消すだけなのでミスが起こりにくいと感じました。」
ここがポイント!
DNP券面プリントシステムはICチップの中から住所情報、氏名情報が簡単に読み出せる!
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券面に記載された照合番号※を入力するだけで、ICチップから直接情報を読み取ることができます。マイナンバーカードへの「裏書業務」を委託する場合でも、住基システムの操作や閲覧は必要ないため情報漏洩のリスクを低減することができます。
※照合番号とは「有効期限」「生年月日」「セキュリティコード」です。詳しくはDNP券面プリントシステムの製品ページをご覧ください。
簡単キレイに素早く印字ができ、しかも印字した文字は乾かす必要がない!
DNP券面プリントシステムはインクリボンを使った溶融型印刷のため、書いた後に乾かす時間は一切必要ありません。この特徴も、オーバーフロー対応業務の効率化につながっているといいます。
持丸様:「油性ペンで手書きをしていた時、インクが乾いてない状態でマイナンバーカード用のケースに入れると文字がにじんでしまうことがありました。そのため、書いた後1日はカードを乾かす時間をとるようにしていました。
その結果、次の業務は翌日に持ち越すことになります。この臨時申請窓口ではマイナンバーカードをJ-LISから届いた束ごとに管理していたため、1枚だけ進捗が遅れてしまうことで管理が煩雑になっていました。
DNP券面プリントシステムは乾かす時間が全く必要なく、印字後すぐに次の業務に取り掛かることができるため業務の効率は飛躍的に上がったと思います。」
現場の業務をよくわかっているからこそ実現した、かゆいところに手が届く使いやすさ!
そのほかにも、DNP券面プリントシステムをオーバーフロー対応で利用する中で、DNP券面プリントシステムならではの利点があったといいます。
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①カードを誤った方向で挿入したとき排出される!
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持丸様:「業務の中でカードの向きを誤って挿入することはあり得ますし、作業になれていない職員が実施する場合もあり、意図せず間違ってしまうことが起こりえます。DNP券面プリントシステムなら、誤った方向で挿入した場合、自動で誤挿入を検知しカードを排出するので、印字ミスもなくせます。“業務の中でミスが起こりやすい部分”をわかっている人が作っているシステムだなと感じました。」
②細かい設定変更ができて、カスタマイズが簡単!
持丸様:「オーバーフロー対応は、カードの特性上文字が入りきらなかったカードに対して実施する作業であり、あくまでも正式なカードとして成り立たせるための業務となります。そのため、その業務を実施した日付の情報は必要ありません。また、カードの記載事項の変更でもないため、“転入”“氏名変更“といった変更項目の印字も必要ありません。DNP券面プリントシステムなら日付や変更項目について印字するしないを簡単に変更できるので、運用フローに沿った設定に現場レベルでカスタマイズできるのが魅力的だと感じました。」
③2行印字ができる!
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持丸様:「印字する文字数が少ないオーバーフロー対応では利用できなかったのですが、2行印字の機能は券面記載欄が少ないマイナンバーカードにとって非常に便利な機能だと思います。」
ここがポイント!
DNP券面プリントシステムは個人情報保護機能で
印字後のインクリボンから個人情報が読み取りにくい!
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特殊な印刷方式を採用し、印字後のインクリボンから個人情報を特定しにくくする機能を搭載。インクリボンの管理にかかる負担を軽減するだけでなく、インクリボンの廃棄にかかる手間も減り、コスト削減が期待できます。
横浜市の今後の動き
今回取材にご協力いただいた横浜市では、令和3年度から横浜市内に合計3か所マイナンバーカードの交付窓口を開設する予定です。申請ではなく交付に特化した窓口を市民のアクセスのよい場所に開設することで、住民のマイナンバーカードの“受け取り”に関するサービスの向上を目指します。
持丸様:「今度横浜市で開設を予定しているのはマイナンバーカードの交付の窓口になります。そのため、DNP券面プリントシステムをオーバーフロー対応だけでなく、「区内で引っ越しをした場合の裏書業務」でも利用することができるようになります。DNP券面プリントシステムに特有の個人情報保護機能や、今回利用しなかった2行印字を活用できそうなので今から楽しみです。」
横浜市様の今後の窓口開設スケジュール
(左)横浜市市民局区政支援部窓口サービス課担当 持丸様 (右)DNPアイディーシステム 近藤(記) |
横浜市では、下記スケジュールで平日夜間・土日祝日も開所しているマイナンバーカード特設センターを開設します。
・2021年5月14日(金)
横浜駅西口マイナンバーカード特設センター
・2021年6月 8日(火)
センター北マイナンバーカード特設センター
・2021年6月29日(火)
上大岡マイナンバーカード特設センター
開所日時
【月・火・金】11:30~19:30
【土・日・祝日】9:00~17:00
※2021年4月30日時点の情報です。詳細については、横浜市役所ホームページをご覧ください。
DNP券面プリントシステムのデモンストレーション動画(1分47秒)
製品の企画・販売元
「マイナンバーカード交付窓口」での活用方法に関するその他の導入事例
※その他のDNP券面プリントシステムの導入事例は「 東京都中野区様 」「 神奈川県小田原市様 」「 高知電子計算センター様 」「 東京都清瀬市様 」の事例がございます。
この事例で導入した製品・サービスについて
関連製品・サービス
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