栃木県塩谷町様
道路交通法の改正に対応!アルコールチェック結果の記録不備と改ざんを防止
栃木県塩谷町様(以下、塩谷町様)は、2023年12月施行予定の「アルコール検知器を使用したアルコールチェック義務化」に対応するDNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3)を導入しました。今回、VD-3の導入に至った経緯や導入前の課題について塩谷町 総務課様にお話をうかがいました。(2023年6月1日取材)
DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)とは
DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)は、2023年12月1日に施行されるアルコール検知器を用いたアルコールチェック義務化に対応しています。運転免許証(以下、免許証)の確認や記録作成の機能で安全運転管理の負担を軽減できます。運転者がアルコール/免許証チェックをしないと車両の鍵を取り出せない仕組みなのでチェック漏れを防止でき厳格なチェックを徹底します。
塩谷町は税金徴収や住民宅訪問等で公用車を毎日使用する
塩谷町 総務課様:
当町では税金の徴収や書類受け取り、住民宅への訪問などの用途で公用車を使用します。税務課及び福祉課は毎日のように公用車を使用するので、管理は各課が行っております。その他、当町で保有する公用車は総務課で管理しており、運転者が公用車を使用したい時は総務課職員(安全運転管理者、副安全運転管理者等)立ち合いの下、点呼及び鍵の受け渡しをします。総務課で管理している公用車は39台あり、ドライバーは約150名おります。
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安全運転管理者/副安全運転管理者とは
安全運転の確保に必要な運転前後の酒気帯び確認や確認内容の記録・保管等を行う者を安全運転管理者と言います。また、安全運転管理者の業務を補助する者を副安全運転管理者と言います。自動車5台以上(乗車定員11名以上のものは1台以上)を使用する事業所ごとに任命する必要があります。安全運転管理者及び副安全運転管理者を任命するには資格要件があり、それぞれ要件を満たす者を任命し、公安委員会に届けを出します。
導入のきっかけは2022年4月施行「アルコールチェック義務化」への対応
塩谷町様は、2022年4月に施行された「公用車を運転する前後のアルコールチェックと記録の義務化」、2023年12月1日に施行される「アルコール検知器を用いたアルコールチェック義務化」に伴う法令遵守のため、2023年3月にVD-3を1式導入しました。
「アルコールチェック義務化」の内容
道路交通法施行規則が改正され、2022年4月より白ナンバー車両を保有する事業者でも目視での運転前後のアルコールチェック(飲酒検査)と記録の1年間保管が義務となりました。
2023年12月1日にはアルコール検知器を用いた酒気帯び確認の記録・保存、アルコール検知器のメンテナンスが義務化されます。
- 1.運転者に対し運転前後の酒気帯びの有無をアルコール検知器を使用して確認
- 2.アルコール検知器を常時有効に保持
- 3.確認内容を記録し、その記録を1年間保存
塩谷町 総務課様:
当町の安全運転管理者が法定講習等で道路交通法改正があることを知り、法改正内容を把握しました。この法改正に対する法令遵守を目的として、アルコールチェック義務化に対応したシステム導入を検討し始めました。インターネット等で調べていく中でVD-3を知り、導入に至りました。本システムを選んだ理由は、アルコール検知器のアルコール測定結果がデータ連携(自動反映)され、点呼記録を一元管理できるからです。これにより、公用車運転前後のアルコールチェック体制を厳格化でき、法令遵守が可能と考えています。
VD-3導入前の課題
- 点呼に立ち会った職員(安全運転管理者、副安全運転管理者等)が目視によるアルコールチェックを行い、手書きで記録して公用車の鍵を受け渡す必要があり、(新庁舎移転に伴い)管理車両の台数が増える可能性もあることから職員の手間増加の懸念があった。
- 職員の負担が大きくなることで、点呼内容の確認漏れに気が付かず鍵を渡してしまうリスクが高まる懸念があった。
VD-3導入の決め手
- アルコール検知器のアルコール測定結果がVD-3とデータ連携(自動反映)し、点呼記録を一元管理できる。
- 運転者がアルコール/免許証チェックをしないと公用車の鍵を取り出せない運用を確立できる。
アルコール検知器連動と帳票自動作成機能で点呼を一元管理
アルコール検知器との連携
VD-3は、アルコール検知器(VD-3とデータ連携対応機種)で測定した測定値を取り込み、記録へ自動反映可能です。測定時に顔写真も撮影するため、「なりすまし」などの不正行為を防ぎます。
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編集できない自動帳票作成機能で記録の改ざんを防止
チェック結果は編集・削除できないよう自動的にシステムへ記録されるため、改ざんを防ぎます。日々のチェック結果は点呼記録簿(PDF)として出力可能です。
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新庁舎移転後は鍵ボックス導入でさらに管理を厳格化予定
塩谷町様は、現在建設中の新庁舎移転後に公用車の管理を総務課が一括して担当する予定のため、公用車の鍵の受け渡し体制に不安を抱いていました。
塩谷町 総務課様:
従来の運用では、点呼に立ち会った職員が公用車の鍵を受け渡す必要があり、今後、管理車両の台数が増える可能性もあることから、職員の手間の増加を課題に感じていました。さらに、職員の負担が大きくなることで、点呼内容の確認漏れに気が付かず鍵を渡してしまうリスクが高まる懸念がありました。
運転者がアルコール/免許証チェックをしないと公用車の鍵を取り出せない運用を確立したいと思っています。
新庁舎移転のタイミングで総務課管理下の公用車が増える可能性があり、適正な鍵の管理を行うため「鍵ボックス※1 2式」の導入を検討いただいております。
※1:鍵ボックス1台で、30台分の鍵を収納できます。
鍵ボックスとの連携
VD-3の点呼実施結果と鍵ボックスの開錠は連動させることができます。アルコールチェック、免許証の有効期限チェック、乗車する車両の選択を実施し、運転可能な方のみ鍵を取り出せます。運転可能な方の免許証を鍵ボックスへかざすと、選択された車両に紐づいたボックスが開きます。そのため、鍵ボックスに公用車の鍵やETCカード等を収納することで、「運転資格のない方の乗車」「受け渡しミス(鍵の取り違い)」を防止できます。
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これから活用したい機能「運転者台帳」
塩谷町 総務課様:
現在、運転者台帳を作成していないので、今後作成する機会があればVD-3の運転者台帳作成機能を利用していきたいです。
運転者台帳作成機能
VD-3では、登録した免許証の情報をドライバーリストとして一覧化できます。各運転者の詳細な情報は、アプリケーションで確認することができ、運転者台帳として出力することができます。
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塩谷町 総務課様:
今まで免許証のチェック自体を徹底できていなかったため、今後は有効期限切れや免許不携帯での運転防止にも役立つと考えています。新庁舎移転後、総務課で管理する公用車が増加してもVD-3があれば運転前後の厳格なチェック体制を確立できると思います。
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取材にご協力いただいた塩谷町様の情報
- 業種:自治体
- 人口:10,213人(2023年6月1日現在)
- 運転者数:約150人
- 車両台数:39台(総務課管理分)
- 導入時期:2023年3月
- 導入内容:VD-3 1式、アルコール検知器(FC1200) 1式
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※内容について、予告なく変更することがあります。
この事例で導入した製品・サービスについて
関連製品・サービス
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ソフトウェア開発キット
DNP運転免許証読み取り/認証ソフトウェア
DNP運転免許証読み取り/認証ソフトウェアは、運転免許証(以下、免許証)によるドライバー管理・ICチップデータを活用した社員証のような個人認証・ICチップデータとスキャン画像による本人確認時のチェック(真贋判定補助)などの機能を簡単にシステム組み込み可能なソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)です。スタンドアローンで運用向けの「運転免許証確認アプリケーション」では、自動車教習所(以下、教習所)など、免許証チェック(真贋判定補助/ICチップデータ読み取り)や、帳票(確認記録)の印刷が、簡単にできます。 -
窓口・カウンターなど限られたスペースに設置可能なICリーダーライター内蔵のスキャナー
IDドキュメントリーダー
IDドキュメントリーダーは、レンタカー、携帯電話、会員申し込み手続など、店頭や窓口で法律・規則により、本人確認を行う際に、お客様の目の前で、運転免許証(以下、免許証)、在留カード、特別永住者証明書、マイナンバーカード、パスポート(旅券)などの本人確認書類のスキャンができます。 本体にICリーダーライターを内蔵しているため、スキャナーに本人確認書類やカードを挿入・かざすことで、スキャン画像とICチップデータの読み取りが可能です。