機能性フィルム商材の量産設備開発に向けて、設備仕様を決定するために、材料・機械・プロセス等の多様な観点から検証を行っています。具体的には、製品に使用するコーティング樹脂や接着剤、フィルムなど、それぞれの材料の物性を評価し、それと併せて、実際の生産機に近い大型テスト機でのサンプル作製から試作品の評価まで実施しています。これらの検証結果をもとに、実際の工場の生産機を使った検証を行い、設計に必要なデータの測定も行います。テスト機から生産機へスケールを拡大する際には、品質上の課題解決に苦労することもありますが、DNPの各部門と連携し、さまざまな分析評価から工場への生産機導入まで幅広い業務を経験するなかで、日々自己成長も感じています。
大学では自動車の燃費向上のための発電デバイスの研究に取り組んでいました。このデバイスの材料に関して、素材の表面解析や構造分析によって発電に寄与する要因を調査し、サンプルを作製していました。また、発電量を評価する実験装置の開発のほか、自動車会社の協力の元で発電量の実機評価を行うなど、一貫して発電量向上の材料開発に取り組んでいました。私の専攻は電気ですが、研究を進める過程で無機化学や電気工学、熱力学などの幅広い分野の知識と経験を得ることができ、材料に起因した現在のプロセス設計や生産機械の仕様設計に活かされています。