2024年12月18日

飲料・食品の生産ラインの設備状態を数値化できるセンシングサービスを開始

数値化したデータを分析し、工場のDXを支援

大日本印刷株式会社(以下:DNP)は2023年から、工場等の製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「DNP工場支援サービス Meglus Port®(メグラスポート)」*1を提供しています。このサービスに今回、独自のDX・自動化技術を活用してPETボトル充填ライン用「搬送パーツ」のセンシングモジュールを追加しました。このモジュールは、従来は難しかったPETボトル充填ライン用「搬送パーツ」の状態の数値化によって、測定・保守業務の効率化につなげ、生産設備の管理・保全の負荷軽減を実現します。

DNPは、「PETボトル用無菌充填システム*2」で国内No.1のシェアを獲得しており、国内外で190の導入実績があります。これらの実績を基に、今回PETボトル充填ライン用の搬送パーツに関するセンシングのサービスを拡充し、2024年11月に飲料メーカーでの運用を開始しました。

「DNP工場支援サービス Meglus Port」の全体イメージと今回拡充した機能

【機能拡充の背景】

近年、国内では特に、労働人口減少による人手不足や人材育成の課題が深刻化しており、飲料・食品メーカーでもこうした課題の解決に努めています。製造工場においても、DXの推進による作業の自動化や生産性の向上、従業員のエンゲージメントを高める取り組みが急務になっています。

このような課題の解決に向けてDNPは今回、生産設備にセンサーを新たに装着して、従来は困難だった生産設備状態の数値化を可能にするセンシングモジュールを開発しました。既に提供中の、工場の生産ラインのデータを管理・解析する「情報集計・分析ツール」と連動することで、より精度の高い設備管理を実現します。これにより、従業員のデータ分析の負荷低減と効果の拡大を実現し、業務効率化や省人化につなげます。


【センシングモジュールを拡充したMeglus Portの特長】

  • 本サービスは、成形機・充填機のグリッパ(物体を掴む・保持するためのデバイス)の自動測定、ラベル搬送の挙動解析、ベルトコンベアでの倒瓶解析など、PETボトル充填ラインだけでなくあらゆる生産設備や包装資材の状態の計測・可視化・分析に利用できます。

成形機・充填機のグリッパのイメージ

  • センシングモジュールを活用し、PETボトルの成形機・充填機のグリッパの位置や動作状況を自動で測定することで、PETボトルの成形によって傷がつかないように予防保全が可能になります。
  • PETボトル用無菌充填システムでは、グリッパを数百個単位で使用しています。メンテナンスの際にこれまでは、人手で1つずつグリッパの位置を0.01mm単位で測定する必要がありました。今回開発したセンシングモジュールの活用によって、センサーが必要な修正箇所を適時に識別し、該当部分のみをメンテナンスすることができます。グリッパの日常的な寸法測定業務の作業負荷を大幅に軽減し、導入前と比較して約90%の時間短縮ができます(当社調べ)。
  • 本サービスは、2024年11月に飲料メーカーで採用されました。PETボトルの充填ラインにおけるラベル搬送の挙動監視や分析、PETボトル成形機・充填機で重要となるグリッパの測定・保守業務で活用されています。


【今後の展開】

DNPは、機能を拡充した「DNP工場支援サービス Meglus Port」を飲料・食品メーカー向けに提供し、2030年までに50ラインの導入を目指します。また、オペレーションサポートツール、自動化装置、メンテナンスサポートツール、教育・技術伝承ツール、コンサルティングサービスなど、本サービスの機能・メニューも拡充していきます。


*1 DNP工場支援サービスについて → https://www.dnp.co.jp/news/detail/20169406_1587.html

*2 PETボトル用無菌充填システムについて → https://www.dnp.co.jp/biz/products/searchtag/20171727_4962.html

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