2024年6月4日
京都dddギャラリー ヴェロニカ・ディッティングの個展を6月8日から開催
「フォリオ フォリオ フォリオ:プリント バイ ヴェロニカ・ディッティング」
公益財団法人DNP文化振興財団は、京都dddギャラリー(京都市・下京区)にて、2024年6月8日(土)~7月28日(日)に、ヴェロニカ・ディッティングの「Folio Folio Folio: Print by Veronica Ditting フォリオ フォリオ フォリオ:プリント バイ ヴェロニカ・ディッティング」を開催します。
同氏は多くの世界的ファッションブランドをクライアントに持ち、デザイン・ミュージアム(ロンドン)のデザイン・オブ・ザ・イヤー賞など数々の受賞歴を持つクリエイティブディレクター/グラフィックデザイナーです。本展では、ヴェロニカの手による過去20年間の作品を多岐にわたって展示します。
Designed by Veronica Ditting
企画展「Folio Folio Folio: Print by Veronica Ditting/フォリオ フォリオ フォリオ:プリント バイ ヴェロニカ・ディッティング」について(by エミリー・キング:本展キュレーター/デザイン史家)
本展で紹介するヴェロニカの過去20年間の作品は、本や雑誌、その他の出版物、展覧会用デザイン作品をはじめとしたさまざまな印刷物です。会場では、この展示会のためにデザインされた展示用のスタンドを一つひとつ高さや方向を変えて設置することで、いろいろな視点から作品を見ることができ、それによって作品の素材感と立体感を際立たせる展示法をとっています。ギャラリーに集められたこれらの印刷物が一つの風景を創り出し、集合体としてのヴェロニカの制作物が持つ本質的特徴が浮き彫りになっています。
今回展示する主なプロジェクトの一つに、『ザ・ジェントルウーマン』誌があります。この雑誌は、ある小さなチームが2010年に創刊したもので、唯一無二かつ非常に影響力を持つ同誌の感性は、ヴェロニカがチームの一員として創造し、進化させてきたものです。展示では、同誌の考え抜かれたレイアウトと、読者に人気の高い情報ページにフォーカスしており、編集に対するヴェロニカのアプローチ手法を明確に見て取ることができます。また、エルメスのビューティ部門の立ち上げを牽引した多くの印刷物も展示します。この展示では、ビューティ製品そのものの特性とヴェロニカ自身の色使いとの比率に関して、ヴェロニカが見せた駆け引きの手腕を際立たせています。これらのプロジェクトについて、アーティストブック、エディトリアル(編集)、展覧会デザインとともに展示することで、ヴェロニカがそうした作り手たちと築いているユニークな関係性を表しています。さらにこの展覧会では、完成品だけではなく、写真家チュウ・ヤンよる模型やダミー、校正刷り、デザインスケッチなどの素材を集めた大規模な写真作品も展示します。複雑に構成され、美しく照らし出された作品たちを目にすると、それぞれのデザインプロセスを感じられるだけでなく、アーカイブの範囲とスケールも伺い知ることができます。そしてまた、ヴェロニカがクリエイティブディレクターとして特に重視する、写真の依頼という仕事についての示唆もあります。
作品キャプションには、各プロジェクトの素材とプロセスについて詳しく記載しておりますが、そこにはまた、グラフィックデザインを三次元的に鑑賞することを推奨する意図が込められています。とは言え、この展覧会では、やはりまず、来場者に作品に対する即時的かつ官能的な反応が励起されます。それこそが、何にも増して印刷物の可能性に対する祝福なのです。
Hermès Beauty Publications and invitations 2020–current
Miu Miu Musings Voting blocks 2019 Photograph by Joyce Ng
The Gentlewoman mini magazine Image for System magazine 2019 Photograph by Matthieu Lavanchy
開催概要
- 会期 : 2024年6月8日(土)~7月28日(日) 火~金 11:00-19:00、土日祝 11:00-18:00
- 会場 : 京都dddギャラリー(京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3F)
会場URL - 休館日 : 月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)
- 入館料 : 無料
- 主催 : DNP文化振興財団
- 企画 : エミリー・キング
- 日本語レイアウト : ニコール・シュミット
オープニングパーティ
- 日時 : 2024年6月8日(土) 16:30~18:00
- 会場 : 京都dddギャラリー内
■スタジオ・ヴェロニカ・ディッティングについて
クリエイティブ・ディレクションおよびデザインを専門とするスタジオ。ロンドンを拠点とし、ファッションメーカー、アーティスト、文化施設などの国際的なクライアントを持ち、キャンペーン、ブランディング、エディトリアル、展覧会デザインなど、手がけるプロジェクトは多岐にわたる。ヴェロニカは、『ザ・ジェントルウーマン』誌のクリエイティブディレクターとして、12年間、同誌の出版に携わり、2010年の創刊号から計24冊を制作。決然としたエディティング姿勢から生まれるパワフルで個性的なアプローチで知られるヴェロニカは、写真家、アーティスト、編集者、ライター、キュレーター等との緊密な共同作業を通して、概念を最も確かな形に具現化する。主な顧客は、エルメス、ザ・ロウ、ルイ・ヴィトン、メゾン・マルジェラ、ティファニーなどのファッションブランドと、サマセット・ハウス、ヘット・ニューウェ・インスティトゥートなどの文化施設。2005年にヘリット・リートフェルト・アカデミーを卒業。デザイン・ミュージアム(ロンドン)のデザイン・オブ・ザ・イヤー賞、D&AD賞、オランダデザイン賞などの受賞歴を持つ。
ヴェロニカ・ディッティング 2024年3月 ロンドン
ポートレート:Anton Gottlob
■エミリー・キングについて
ロンドンを拠点とするデザイン史家、キュレーター。専門はグラフィックデザイン。1999年、デバイスに依存しないデジタル時代黎明期のタイプフェイス・デザインに関する論文で博士号を取得。以降、アラン・フレッチャー、リチャード・ホリス、ロバート・ブラウンジョンなど、数多くの著名デザイナーの展覧会を企画した。また、「グラフィックデザインにおける時間の役割と表現」「装飾の力」などのテーマでグループ展覧会も行っている。近年手がけた プロジェクトには、韓国人グラフィックデザイナー、ナ・キムと、オランダ人アーティスト、マガリ・レウスのカタログのエッセイがある。
※記載された内容などは発表日現在のものです。今後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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