2024年1月26日

大日本印刷と三重県桑名市 行政サービス向上と窓口業務のDXに向けた「メタバース役所」の実証事業を開始

「誰一人取り残さない、デジタル社会の実現」に向けた連携協定を締結

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、三重県桑名市(市長:伊藤徳宇)と、「誰一人取り残さない、デジタル社会の実現」に向けた連携協定を2024年1月26日(金)に締結しました。両者はこの協定に基づき、「電子申請手続きの総合窓口」「各種相談業務」「市民交流の場」をインターネット上の仮想空間・メタバースで提供する「メタバース役所」の実証事業を2024年2月26日(月)に開始します。

左:伊藤 徳宇市長(桑名市)右:金沢 貴人常務執行役員(大日本印刷)

バーチャルの協定式の様子

【取り組みの背景】

桑名市は総合計画で「本物力こそ、桑名力。」を掲げ、「全員参加型の市政」を目指しています。効率的・効果的に行政を運営する「スマート自治体」への転換に向けて、オンライン申請の拡充やAI(人工知能)、RPA(Robotic Process Automation)の積極的な業務活用、メタバースを使った花火大会、婚活イベントなどを行っています。またDNPは、リアルとバーチャルの空間を融合する「XR(Extended Reality)」の技術を活かし、新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション®事業」*1を2021年から展開しています。

今回、両者は、市民の利便性向上や職員の業務効率の向上を目的に、仮想空間・メタバースで電子申請手続きの総合案内・各種相談・交流会が行える「メタバース役所」を構築して、その効果を検証する実証事業を行います。


【本協定の内容】

DNPが持つ「バーチャル空間の構築・運営のノウハウ」「さまざまな企業・自治体の業務プロセスを改善するBPO(Business Process Outsourcing)・BPR(Business Process Re-engineering)の知見」「安全・安心を担保する認証やセキュリティ技術」を活かし、以下(1)(2)の取り組みを通じて、桑名市の「誰一人取り残さない、デジタル社会の実現」に貢献していきます。

(1)リアルとバーチャルを掛け合わせた地域への新しい取り組み

(2)メタバース・AR(Augmented Reality:拡張現実)・MR(Mixed Reality:複合現実)等のXR技術を含む各種テクノロジーを活用した自治体DXの推進と市民サービスの向上


【実証事業の概要と主な取り組み】

桑名市の総合窓口を模した「メタバース役所」では、市民が直接市役所等に行くことなく、自宅や遠隔地から電子申請手続きの問い合わせや各種相談、市民交流会等ができます。この仕組みを活用して、行政が発信する情報やオンライン申請手続きの活用を促進し、移動手段や時間の制約を取り除くことで相談や交流会への参加をさらに促進することを目的とした実証事業を2月26日(月)~3月29日(金)に行います。

DNPと桑名市は、メタバースを活用した行政サービスの可能性を検証し、「誰一人取り残さない、デジタル社会の実現」を目指します。

1.電子申請手続きの総合窓口

各種申請手続きの電子化をさらに推進するため、今回、「メタバース役所」内に電子申請手続きの総合窓口を設置し、画面上で実際の申請画面を見ながら音声で記入方法や操作方法を案内することで、市民が迷うことなく電子申請を完結できるように支援します。

2.各種相談業務

桑名市では、「生活」「育児」「教育」「介護」「母子・父子のひとり親」「年金」「税務」など、さまざまな分野の相談を対面や電話で行っています。「メタバース役所」では、物理的・心理的・身体的な制約を受けずに、こうした相談したい市民と相談員の二人だけで会話できる機密性が保たれた空間を提供します。メタバース内で自身の分身となるキャラクター(アバター)を利用することで匿名性が確保されるため、市民がより相談しやすくなるようにして、課題の早期発見や解決につなげていきます。

3.市民交流の場

多くの自治体では、市民同士や市民と行政とのコミュニティー形成の一環で交流会等を開催していますが、リアルな交流会は物理的な場所の確保や設営準備等の負荷が高く、実施の時間や回数が限られるなどの制約がありました。メタバースでの交流会は、これらの制約を受けずに、市民がどこにいても、また市役所の開庁時間以外にも、参加可能にすることで、より多くの市民の参加が期待できます。心理的なハードルを下げて、参加しやすくなることで活発な交流を促し、市政への参画にもつなげます。


【今後の展開】

DNPは本実証事業を通じて桑名市のDXを支援するとともに、さまざまな地域でも同様のサービスを展開することで、各地域の課題解決を支援していき、2025年度に40自治体への導入を目指します。また、XR技術を活用した自治体業務の支援や住民向けサービスなどのラインアップ拡充や高度化を推進していきます。


*1 DNPのXRコミュニケーション事業 → https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/media.html

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