2023年3月16日
東京国立近代美術館と大日本印刷 インタラクティブな作品鑑賞サービス「MOMATコレクション ナビキューブ」を協働で制作公開
新たな作品との出会いを創出
東京国立近代美術館(以下:同館)と大日本印刷株式会社(以下:DNP)は、新たな鑑賞サービス「MOMATコレクション ナビキューブ」を協働で制作しました。2023年3月17日(金)より開催する「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」の開幕とともに、同館の1Fエントランスロビーにて公開いたします。
「MOMATコレクション ナビキューブ」は、利用者が選んだ同館の所蔵作品から好みの傾向を読み解き、4つの視点でおすすめの作品を紹介するインタラクティブな作品鑑賞サービスです。これにより新たな作品との出会いを創り出し、美術作品への関心を拡げます。
同館ならびにDNPはこのサービスを通じ、1万3千点を超えるMOMATコレクションを、広く人々に親しんでいただく契機とするとともに、一人ひとりの美術鑑賞をより豊かにしていくことを目指します。
「MOMATコレクション ナビキューブ」の設置風景(左)と操作の様子(右)
【「MOMATコレクション ナビキューブ」とは】
利用者の好きな作品の傾向が分かる診断画面と、好みの傾向にあわせて美術作品を紹介する「ナビキューブ」から成るインタラクティブな作品鑑賞サービスです。診断画面で好きな作品を3つ選択すると、その作品の傾向を踏まえてナビキューブが4つの視点からおすすめの作品をナビゲートします。利用者はおすすめの作品を含む同館の作品画像や解説を自由に探索することができます。おすすめの作品は利用者の好みにより変化し、新たな作品との出会いを体験できます。
【「MOMATコレクション ナビキューブ」の特長】
○「MOMATコレクション ナビキューブ」では日本画、洋画、版画、彫刻、写真、映像など1万3千点を超える近代の日本美術を中心とした同館の所蔵作品の中から、人気の高い159点を収録しました。
○診断画面で好きな作品を3つ選択すると、その作品から連想される10のワードが表示され、選択された好きな作品の傾向を知ることができます。
○キューブ(立方体)型のインターフェース「ナビキューブ」では「作品制作年」「作品分野」「作家が作品をつくった時の年齢」を軸に収録作品を立体的に配置し、利用者はそれらを自由な角度から比較し、鑑賞できます。
○ナビキューブでは利用者の好みの傾向を踏まえ、同館独自の4つの視点で、あなたにおすすめの作品と、所蔵作品展「MOMATコレクション」*1で実物を鑑賞できる作品の一部を紹介します。紹介する作品はハイライト表示され、新しい作品との出会いを創出します。
○ハイライト表示される「4つの視点」:
- 「AIのおすすめ」:作品画像をAIが解析し、あなたの好みの傾向を踏まえたおすすめ作品を紹介。
- 「みんなのおすすめ」: 同館が実施する対話を交えた鑑賞プログラム「所蔵品ガイド」*2に参加した来館者の感想を元に、あなたの好みの傾向を踏まえたおすすめ作品を紹介。
- 「学芸員のおすすめ」:同館の学芸員による解説を元に、あなたの好みの傾向を踏まえたおすすめ作品を紹介。
- 「展示中の作品」:所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)で展示中の作品を紹介。
なお、本サービスは独立行政法人国立美術館が新たに設立する国立アートリサーチセンターの協力を受けるとともに、DNPコンテンツインタラクティブシステム「みどころキューブ®」*3を活用し直感的な操作が可能なユーザーインターフェース(UI)を実現しています。
「MOMATコレクション ナビキューブ」の診断画面(左)とナビキューブ(右)画面イメージ
【「MOMAT支援サークル」におけるDNPの取り組み】
東京国立近代美術館とDNPは、同館が推進する美術館支援システム「MOMAT支援サークル」*4のゴールドパートナーシップ契約を2017年に締結しました。DNPは技術メセナパートナーとしてこれまでに作品解説を多言語でスマートフォン等に配信するサービスを提供し、2021年からは、来館者向けの「MOMATコレクション ナビキューブ」の制作を協働で推進してきました。
【東京国立近代美術館(MOMAT)について】
東京国立近代美術館は、日本で最初の国立美術館として1952年に開館し、2022年12月1日に開館70周年を迎えました。最大の特徴は重要文化財 18 点(うち寄託2点)を含む 1万3千点を超える国内最大級のコレクション。19 世紀末から今日まで、国を代表する多数の名作を所蔵しており、所蔵作品展「MOMATコレクション」では、会期ごとに選りすぐりの約 200 点を展示しています。また、都会の中でありながら自然豊かなエリアに位置し、最上階の休憩室「眺めのよい部屋」からは、皇居の緑と丸の内ビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。
【国立アートリサーチセンターについて】
国立アートリサーチセンターは、日本におけるアート振興を持続的かつ国際的に展開するための総合的な拠点として、独立行政法人国立美術館が2023年3月28日に設立する組織です。「アートをつなげる、深める、拡げる」をキーワードに、国内外の美術館、研究機関をはじめ社会のさまざまな人々をつなぐ新たな拠点として、専門領域の調査研究にとどまらず、情報収集と国内外への発信、コレクションの活用促進、人的ネットワークの構築、ラーニングの拡充、アーティストの支援などに取り組み、日本の美術館活動全体の充実を目指します。
【DNPの文化活動事業】
DNPは、美術館・博物館/図書館/文書館(MLA:Museum/Library/Archives)等の文化施設や、企業ミュージアム・ショールーム、学校教育ミュージアム等と協働して、デジタルアーカイブの構築や新たな鑑賞システムの開発などを推進し、多様な人々と多様な芸術文化の出会いがより豊かになることを目指しています。今回の「MOMATコレクション ナビキューブ」の展開を通じた技術・ノウハウや実績を基盤とし、さまざまな文化財の保存・継承や作品公開の機会の拡大に一層貢献していきます。
*1 所蔵作品展「MOMATコレクション」:同館の1万3千点を超す所蔵作品の中から、会期ごとに選りすぐりの約200 点を3フロア12室にわたって展示。19 世紀末から現代までの日本美術の歴史を、海外作品も交えながら、毎回多様な切り口で紹介しています。
*3 DNPインタラクティブコンテンツシステム「みどころキューブ」について
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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