2022年11月9日
書籍向けの出版コンテンツ編集・管理システムの提供を開始
「出版DX」を推進して、業界全体の働き方改革の実現へ
大日本印刷株式会社(DNP)は、出版社のコンテンツをオンラインで編集・管理し、書籍制作の業務フローの効率化を支援する「DNP出版コンテンツ編集・管理システム」を開発し、2022年11月に提供を開始します。DNPは、コンテンツの入出校や電子書籍制作のプラットフォーム、Wordデータから組版を行うソリューション、コンテンツの管理・保管用のアーカイブシステム、雑誌向けの編集制作支援とアセットマネジメント(資産管理)を行う「MDAM(エムダム)」*1などを出版社等に提供しています。こうしたサービスに今回、書籍向けのラインナップを追加し、既存のサービスと連動することで、コンテンツの編集・制作から管理・製造・配信までの「出版DX」を実現するとともに、出版業界における働き方改革を支援します。
*1 MDAMについて : https://www.dnp.co.jp/biz/column/detail/10162416_2781.html
出版コンテンツ編集・管理システム開発の背景
書籍制作は、著者がWord等のソフトで執筆した原稿に対し、印刷会社やデザイナー等がDTPアプリ(InDesign等)で体裁を整えて、主に紙に出力して確認・校正してきました。そのため編集者等の制作関係者は、校正紙の授受や修正箇所の記入などのために出社が必要となる上、その作業が属人化しやすく、業界の働き方改革や業務フローの効率化を進める際の課題となっていました。また、コンテンツの多メディア展開が進むなかで、電子媒体での利用も前提として、デジタル化に対応した最適なワークフローが求められています。
こうした課題の解決に向けてDNPは今回、オンラインで編集・校正ができる書籍向けの機能を開発し、書籍コンテンツの編集・管理システムとして著者、出版社等のコンテンツホルダーに提供します。
出版コンテンツ編集・管理システムの主な特長
1.書籍制作のDX化を推進
- 書籍制作全般のデジタル化とデータの一元管理に加え、校了後のDTPデータでの追加修正や重版時の奥付変更・確認など、アナログでは負荷の高い作業も含め、全工程をオンラインで行うことが可能です。
- 原稿管理、出校物や修正箇所を記入した紙の郵送等に関わる労働時間とコストを削減します。
- 原稿やデータファイルの破損・紛失などのリスクの軽減を図り、編集者の時間の創出・働き方の改革に貢献します。
主な機能として、下記作業をWebブラウザ上で実現します。
・「テンプレートとなる誌面データ(InDesign)への原稿(テキストデータ)の流し込み」
・「誌面データの文字修正・ルビ(振り仮名)入力などのテキスト編集」(図1)
・「誌面データ(PDF)への修正箇所の記入(赤字入れ)」(図2)
図1 オンライン編集画面
図2 赤字指示画面
2.既存サービスとの連携
- DNPはこれまでも、制作・データ入出校・データ管理など、個々の目的に応じたサービスを提供してきました。今回、既存の機能にオンライン編集機能を加えた一つのシステムとして提供いたします。複数のツールを組み合わせて導入・使用する必要がなく、出版社等の利便性向上につながります。
- 定額制のクラウドサービス利用料として、導入しやすいプランにてご提供いたします。
今後の展開
今後、システム上で奥付等の必要事項を変更するといった最低限の作業だけで、再版・増刷に対応する機能を実装するとともに、オフセット印刷や、少部数印刷に対応するプリントオンデマンドとも連携する機能追加を行い、生活者ニーズに合った書籍制作~製造まで一貫したプラットフォームを実現していきます。そのほか、オーディオブックへの展開、Webページの制作システム(CMS)との連携など、コンテンツの二次利用なども促進していきます。
DNPは本システムの提供を通じて、書籍出版の業務フローの効率化と、コンテンツの提供形態の多様化を支援し、人と本との出合いの可能性を広げ、より豊かな社会をつくるように努めていきます。
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