2022年9月5日

人のしぐさや振る舞いを分析する「行動認識AI」をBPOサービスに導入

接客スタッフや来訪者の行動データの分析を通して 、最適な接客現場を実現

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、2019年からベトナム国家大学ハノイ校と共同で、人の多様な行動や振る舞いを統合的に捉え、人のインサイト(特徴・状態・関心)を推定し把握する行動認識AIの研究を行っています。今回、DNPとグループ会社の株式会社DNPエスピーイノベーション(DSI)は、この研究結果に基づき、「行動認識AI」をオンサイト(接客現場)におけるBPO(Business Process Outsourcing:業務の委託)サービスに導入します。

本サービスでは、接客スタッフや来訪者の行動ログから、個々の接客現場に適した状況をつくり出すことで、スタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上、来訪者の体験価値の向上につなげていきます。

*ベトナム国家大学との共同研究についてはこちら → https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158064_1587.html

「行動認識AI」導入の背景

接客関連業務を受託するオンサイトBPOサービスは、期間が限定的でその都度実施場所も変わることが多いため、派遣するスタッフの折衝力・対応力が、大きな提供価値となりますが、特定のスタッフへの負荷の集中や、スキルへの依存が大きくなります。そのためナレッジマネジメントやスタッフの適切な評価、課題や状況変化の迅速な把握などが課題となっていました。こうした課題の解決に向けてDNPは、オンサイトBPOサービスに「行動認識AI」を導入し、売場の接客スタッフをはじめとする人の行動ログの収集・蓄積・分析を開始します。

「行動認識AI」の特長・強みについて

〇 今回導入した「行動認識AI」は、特定のエリア内にいる人の行動やしぐさ、振る舞いを認識します。カメラで人の骨格を捉え、手の動きや顔の向きのほか、しゃがむなどの身体の姿勢、物を持つなどのしぐさ、滞在時間や移動経路など、人のさまざまな振る舞いをAIが感知して行動ログを収集・蓄積します。この行動ログを活用して、各売場におけるさまざまな課題や変化を分析することで、DNPから派遣するスタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上を実現します。

また、個人情報保護の観点から、撮影した売場の映像を骨格情報の数値に置き換えて収集しています。これを視覚的・直観的に理解しやすい骨格動画に再現することで、誰にでもわかりやすい形にし、売場の状況や課題の可視化につなげます。

〇 本AIは、人の振る舞いを認識する汎用的なAIモデルにあらかじめ学習をさせて、売場に合わせて複数組み合わせて使うことで、最小限の情報から分析を開始することができます。ロケーションが変動的な出張窓口や出前授業などに向けたオンサイトBPOでの導入に適しています。

今後の展開

DSIは今後も、オンサイトBPO事業におけるAIなどのテクノロジーを活用した現場の可視化を推進し、売場における生活者の体験価値および働き手のモチベーションの向上を実現していきます。


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