2018年9月6日
リサイクルに適した単一素材(モノマテリアル)のフィルムパッケージを開発
リサイクル業者等とリサイクル技術や仕組みの構築にも取組み、海洋汚染の低減に貢献
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発しました。
今回、洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に最適なポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを開発しました。
【モノマテリアルパッケージ開発の背景】
地球温暖化などの環境課題が世界的に広がるなか、パッケージにも環境負荷を低減することが求められています。特に近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されるなど、全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進していくことが求められています。それに対して、これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせることで、保存性や強度などの各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという課題がありました。
DNPは、環境配慮パッケージシリーズ「Green Packaging」を開発しており、数年前より材料メーカーとともにモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に取り組み、今回その製品化に成功しました。
【開発したモノマテリアルパッケージについて】
洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に適したポリエチレンには、フィルムを貼り合わせる際のシール強度は優れていますが、酸素バリア性や耐熱性が弱いという課題がありました。また、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレンのフィルムには、用途によっては酸素バリア性が十分でないという課題がありました。
今回DNPは、これらのフィルムに、これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを活かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、ポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、ポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを実現しました。さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用した「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズのフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していきます。
これまで、パッケージの環境配慮に関心があっても、コスト障壁を越えてまで取り組む企業は多くありませんでした。しかしながら昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加しています。今後は益々環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測されます。
【今後の展開】
DNPは、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることにより、2025年度で国内と海外市場において年間500億円の売上を目指します。
現在DNPは、「ヒトから考えるパッケージイノベーション」を包装事業のビジョンとして掲げ、生活者視点に立ったパッケージの開発を行っています。今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や製品ラインナップの拡充を進めていきます。また、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していきます。
なお、本年10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースにて、今回開発したモノマテリアルパッケージを紹介します。
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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