2017年4月5日
大日本印刷と京都美術工芸大学の教育・文化領域における共同プロジェクト
「洛中洛外図屏風」を活用した多言語マルチメディアシステムの開発・公開
大日本印刷株式会社(以下:DNP)と学校法人二本松学院京都美術工芸大学(以下:京都美術工芸大学)は、教育・文化領域のデジタルコンテンツに関する共同開発プロジェクトを、2016年11月に発足して活動をすすめています。今回、本プロジェクトの成果第一弾として「洛中洛外図屏風(池田本)※1」の高精細画像を活用した多言語マルチメディアシステムを開発し、2017年4月5日から2019年3月31日まで、京都美術工芸大学東山キャンパス(京都市東山区川端七条上ル)の鴨川七条ギャラリーにて公開します(入場無料)。同時に、DNPが製作した「洛中洛外図屏風(池田本)」の高精細複製「伝匠美(でんしょうび)」および「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」における高精細映像作品も同ギャラリーで公開します。
【プロジェクトの背景】
訪日外国人数の増加と、日本文化に対する国内外の関心の高まりのなか、文化財を含む日本の観光資源の更なる有効活用が求められています。一方、良好な保存状態を維持しながら日本の文化財を公開するには、公開期間を限定したり、ガラス越しの鑑賞としたりするなどの制約が課題となっています。
DNPは、デジタルアーカイブの技術を活かして、高精細複製「伝匠美」の作製や、明日の京都文化遺産プラットフォーム※2と株式会社毎日放送とともに実施している「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト※3」などの活動を通じて、さまざまな手段による文化財の保存と活用の両立に取り組んでいます。一方、二本松学院は、京都の文化力を活かした観光・産業の振興やまちづくりの推進に向け、2016年10月に、京都市と「『文化財観光資源活用』に関する包括連携協定」を締結しました。また、2017年4月5日には京都美術工芸大学東山キャンパスを開校し、文化の振興を担う人材育成を強化していきます。
今回、京都美術工芸大学の美術工芸や歴史文化遺産関連の研究と、文化財のデジタルデータ作成やコンテンツ加工に関するDNPのノウハウとを組み合わせ、京都の文化や観光資源に求められている課題解決に向けたデジタルコンテンツの共同開発を行いました。
【公開の概要】
プロジェクトの一環として、共同開発した多言語マルチメディアシステム、DNPの高精細複製「伝匠美」の展示、高精細映像作品の上映を行います。鑑賞者は、美術作品の技法を間近に鑑賞したり、触れたりすることができます。
■多言語マルチメディアシステムの展示
DNPが2014年に「洛中洛外図屏風(池田本)」(六曲一双、林原美術館蔵)の高精細複製「伝匠美」制作時に撮影した高精細デジタルデータを活用し、屏風上に表現されている史跡・名所の説明や、歴史的背景などの過去から現代における多面的な情報を、鑑賞者が興味に応じて選択して鑑賞できる多言語マルチメディアシステムです。※本展では日本語・英語の2ヶ国語に対応しています。
鴨川七条ギャラリーに常設される84インチの大画面の「多言語マルチメディアシステム」
■高精細「伝匠美」の展示
DNPが文化財の保存と公開の両立を目的に製作した、「洛中洛外図屏風(池田本)」(六曲一双、林原美術館蔵)の高精細複製「伝匠美」を展示します。DNPの特許技術で金箔上に直接高精細な印刷を施した複製で、全面にたなびく金雲や金地の質感を忠実に再現しています。また、印刷を重ねることで、金雲の立体感も表現しております。
高精細複製「伝匠美」の「洛中洛外図屏風(池田本)」
■高精細映像作品の上映
「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」で撮影した高精細映像作品のなかから、2017年が大政奉還から150年を迎えることにちなみ、二条城の唐門や国宝二の丸御殿の障壁画空間など、二条城の見どころを約5分のダイジェスト映像として特別編集しました。世界文化遺産の4K映像を鑑賞できます。
高精細映像作品の上映
会場:京都美術工芸大学 東山キャンパス 鴨川七条ギャラリー
(京都市東山区川端七条上ル)
期間:2017年4月5日~2019年3月31日まで
※高精細映像作品については期間を変更する可能性があります。
※入場無料
お問合せ:京都美術工芸大学 東山キャンパス TEL 075-525-1515
【今後の展開】
今後もDNPと京都美術工芸大学は、今回の「洛中洛外図屏風」にとどまらず、美術工芸、歴史文化遺産関連の様々なテーマにおける共同研究と、その公開を行っていく予定です。
※1:洛中洛外図屏風(池田本):岡山藩主池田家に伝来し、現在は林原美術館所蔵。数ある洛中洛外図の中でも代表作のひとつとして「池田本」と呼ばれてきた。江戸時代初頭の京都市中や郊外が描かれており、風俗描写も精緻で、登場人物の数は現存する洛中洛外図の中で最多と言われる約三千百人に及ぶ。
※2:明日の京都文化遺産プラットフォーム:古都京都の文化遺産を保存・継承するため文化遺産所有者、行政、市民、研究者、企業が協力して景観問題、防災問題、公開・保存の問題等に取り組む組織として2010年10月に設立。http://tomorrows-kyoto.jp/
※3:京都・文化遺産アーカイブプロジェクト: DNPとMBSが「明日の京都文化遺産プラットフォーム」※2と連携して、京都の世界文化遺産「古都京都の文化財」(17社寺・城)をはじめ、有形・無形の文化遺産を特別な許可を得て、4K映像を収録・保存し、次代へ継承していくプロジェクト。
大日本印刷株式会社: 本社 東京都新宿区 社長 北島義俊 資本金:1,144億円
学校法人二本松学院京都美術工芸大学: 所在地 京都市 理事長 新谷秀一
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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