2016年9月16日
製品製造時に排出される紙を活用し、再製品化する資源循環システムを構築
FSCリサイクル認証のコースターとして自社内で再利用を開始
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、製造工程で発生する余白分や余剰分などの紙を活用し、再度DNPグループの工場で製品を生産する“資源循環システム”を構築しました。
第一弾として包装材を製造する田辺工場(京都)で運用を開始し、DNPの国内各拠点の応接室などで使用する「コースター」を製品化しました。今後ほかの工場に展開していきます。
【開発の背景】
近年、消費される資源やエネルギーの増大、それに伴う天然資源の枯渇や資源採取に伴う自然破壊などの課題が顕在化し、CO2排出量の削減や自然資源の保全が世界的に重要な課題となっています。それを受けて、日用品や食品メーカーを始め、多くの企業が、木材の乱伐による森林破壊を防止するために、適切に管理されている森林から伐採した木材を使用した紙である森林認証紙や再生紙などの環境に配慮した紙を自社製品や販促物などに積極的に採用し、持続可能な紙の利用を進めています。
これまでDNPは、持続可能な社会の構築に向けて、「資源生産性の向上」や「不要物の再利用の推進」など資源循環の取り組みを進めるとともに、持続可能な森林資源の利用を図るため、森林認証紙や再生紙の使用を積極的に進めてきました。今回、これらの取り組みをより強化するため、本資源循環システムを構築するに至りました。
【DNPの資源循環システムについて】
本資源循環システムは、リサイクルパルプの分野でFSC®*認証をアジア地域で初めて取得したパルプメーカーの株式会社日誠産業と連携し、工場から排出した紙を、再び製品の原材料として使用するものです。DNPでは、工場で使用する原材料の紙から管理しているため、工場で排出された紙を再び再製品化するまで、すべての工程で資源のトレーサビリティを確保することができます。また、再製品化の際に、森林認証マークの付与も可能です。
■資源循環システムの流れ
1 DNPの工場から排出される産業古紙の収集
2 産業古紙をパルプ化
3 パルプで再生紙を製造
4 再生紙を原材料として、DNPの工場で再製品化
【資源循環システムの特長~従来のリサイクルとの違い~】
1 自社で排出したものを自社で使用する循環型のリサイクル
2 トレーサビリティの確保
3 森林認証マークの付与など、より付加価値の高いリサイクル製品の製造が可能
【今後の展開など】
今回、この資源循環システムを活用した第1弾の事例として、DNPの国内各拠点の応接室などで使用する「コースター」を製品化しました。このコースターは、DNPの工場から排出された紙を主体とした古紙だけで製造されており、FSCリサイクルマークが付与されています。
今後、本資源循環システムで製造する製品のバリエーションを増やし、社内利用だけでなく得意先企業とさまざまな事業の展開を行っていきます。
DNPは、ビジネスの成長と地球環境保全の両立を目指し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに進めていきます。
なおDNPは、10月4日(火)~7日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYOPACK 2016(2016東京国際包装展)」で本取組を紹介する予定です。
*FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)は、木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関。FSCリサイクルとは、FSC規格で認められているリサイクル材のみを原料に使用したもの。2015年10月より、プレコンシューマー回収紙(産業回収紙)をFSC認証原材料やポストコンシューマー回収紙(市中回収紙)と同等と分類することが可能となった。
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