2015年2月5日

日本マイクロソフトと連携して、学校の授業で使用するテストをタブレット端末で解答・採点できるデジタルテストシステムを開発

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、学校の授業で使用する紙の小テストを、タブレット端末用教材として活用できる「DNP学校向けデジタルテストシステム」を開発しました。

既存の小テストの多くは、教師がマイクロソフトの文書作成ソフト「Word」で作成しているため、日本マイクロソフト株式会社(本社:東京代表執行役 社長:樋口泰行)と連携し、Wordで作った小テストをタブレット端末用のデジタルテストに変換できるようにしました。当システムは、福岡県の県立高校で採用が決定したほか、全国10数校の公立小・中学校で具体的導入を想定した実証実験を3月に開始します。実験用の教材は、教師が自作した小テストのほか、啓林館(啓林館DB)、数研出版、教育出版など複数の教材会社が、当システムに対応した小テスト教材を学校に提供します。また、自治体が保有する独自教材も実験に使用し、各自治体の児童や生徒の学力傾向も把握する計画です。

【開発の背景】

学校では現在、教師が生徒の理解度を日々の授業の中で把握し、その場で指導に反映するために小テストを実施していますが、生徒一人ひとりがどこまで理解でき、どこで間違ってしまったのか、といった詳細な把握をすることは難しく、クラス全体の理解度を教師の直感に頼って判断する傾向にありました。また、速い時間で正解できた効率的な解法や解答例などは指導に活かせる貴重な情報ですが、従来の紙による小テストでは、これらを時間に限りがある授業の中で把握して活用することは困難でした。

現在、小中学校では生徒用タブレット端末の導入が進んでおり、2020年までに学校内で1人1台配備される予定です。現状のタブレット端末の利用は、資料閲覧やインターネットでの「調べ学習」、タブレット端末に生徒が書き込んだ多様な考え方を共有する「協働学習」、選択問題や漢字の書き取りなどの「ドリル学習」が中心で、学習の理解度をはかる小テストでの利用実績はほとんどありませんでした。

今回DNPは、タブレット端末上でテストを行い、解答までのプロセスの把握やテスト結果の集計が容易にできるデジタルテストシステムを開発しました。自動採点の難しい記述問題についても、教師による採点機能を持たせることで、解答プロセスから生徒の理解度を把握できるようにしました。また、日々の学習の状況をデータとして管理できるため、日々の指導内容と学力の関係の振り返りや、学習状況に基づいた生徒の評価にも利用できます。 

【DNP学校向けデジタルテストシステムの概要と特長】

当システムの使い方は以下の通りです。

1. 教師は、Wordで自作した教材に、自身の端末で配点や正答などの設定をすることでデジタルテストのコンテンツを作成し、生徒のタブレット端末に校内のファイル転送環境を用いて、問題を配布することができます。

2. 生徒は手元のタブレット端末に配布されたテスト問題に直接解答します。

3. 解答内容は、解答までの記述プロセスを含めてWord形式で保存され、校内のファイル転送環境を用いて、教師に提出されます。

4. 教師は、回収した解答を端末上で集計し、生徒ごとの合計点や問題ごとの正答率や解答時間をExcel形式のデータで確認できます。

 

当システムの特長は以下の通りです。

・教師の自作テストだけでなく、自治体、教材会社などがこれまで作成した教材をタブレット端末で使用することができます。

・自由記述問題の採点機能を強化しており、選択問題では測れない詳細な理解度の把握ができます。

・動画再生機能を利用すれば、答えを記述していく過程が把握できるため、生徒がつまずいた箇所がわかり、より細やかな指導につなげることができます。

・生徒の解答例を電子黒板などに投影して、授業素材として使用することが可能です。

・教師は自身の端末で全員分の解答を一覧で見ることができます。自動採点が難しい記述問題などを教師が目視で採点する機能にも対応しているほか、動画再生機能により、生徒の答案記述プロセスを確認することができます。

・生徒の解答は、タブレット端末に直接答えを入力する方法をはじめ、専用紙にプリントされたテストにデジタルペンで記入することで、教師のタブレットに取り込むことができます。

 

当システムは、デジタルテストシステムの開発・販売を行うゼッタリンクス株式会社(本社:東京社長:山田 邦裕 資本金:990万)と共同で開発したものです。教育向けタブレット端末やパソコンの販売大手のダイワボウ情報システム株式会社(本社:大阪 社長:野上 義博 資本金:118億)などからDNP学校向けデジタルテストシステム「AnswerBoxCreator(アンサー・ボックス・クリエーター)」として2015年3月から本格的に販売を行います。

  

     (左)従来のテスト教材/(右)本システムを活用したテストの様子

* DNPデジタルテストシステム「Answer Box Creator」の詳細は商品紹介ページをご覧ください。

【価格】

DNP学校向けデジタルテストシステム「AnswerBoxCreator」ライセンス価格 :

オープン価格(校内フリーライセンス)

*Windows、Office等のソフトウェアの料金は含みません。

マイクロソフトの提供する教育機関向けライセンスプログラム(ライセンス形態:OVS-ES、EES)をご利用いただくことで、生徒用タブレットに追加費用無くOffice製品をインストール・利用できる場合があります。詳細はマイクロソフト教育機関向けサイトをご参照ください。

http://www.microsoft.com/ja-jp/education/

【今後の展開について】

DNPはタブレット端末導入済みまたは導入予定のある学校や自治体を中心に、2015年3月から協力会社を通して販売し、2015年度で1500校への導入を目指します。

また教材会社とも協力して、AnswerBoxCreatorに対応する教材を増やし、タブレット端末の導入が進む教育機関における、最適なデジタルテスト環境の整備を進めていきます。

 

※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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