2014年12月8日

国内初! バイオマスプラスチックを使用した断熱紙容器 『HI-CUP-Bio』を開発

植物由来原料を用いた環境配慮型包装材としてカップスープ容器などに展開

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、植物由来原料の『バイオマテック®PETフィルム』とポリエチレン樹脂を使用した断熱紙容器『HI-CUP-Bio(エイチアイ-カップ-バイオ)』を国内で初めて開発しました。カップスープや縦型カップ麺などに適した容器として12月11日に発売します。

 【HI-CUP-Bio開発の背景】

 DNPは、環境負荷が低く持続可能性に配慮した多様な包装材を開発しています。2012年に植物由来の原料(サトウキビから砂糖を精製した後の廃糖蜜)などによるポリエチレンテレフタレート(PET)を使った『バイオマテック®PETフィルム』の量産を世界に先駆けて開始しました。その後、2013年に酸素と水蒸気のバリア性を高めた透明な蒸着フィルム『バイオマテック®IB-PETフィルム』を、2014年7月にバリア性と遮光性に優れたアルミ蒸着フィルム『バイオマテック®VM-PET』を製品化し、本年9月には植物由来のポリエチレンを紙の表裏にラミネートした液体紙容器『L-Bio』の開発によって紙容器への展開も開始しました。

またDNPは、1998年に断熱紙容器『HI-CUP®』を開発しました。これは、紙製の内カップと外装紙の間に断熱効果を生む空気層を形成したもので、味噌汁やスープ、ラーメンやどんぶり物などの容器として幅広く採用されています。『HI-CUP』は内容物の移り香と湿気を防ぐため、紙カップの内面にPETフィルムやナイロンフィルムをポリエチレン樹脂で貼り合わせています。今回開発した『HI-CUP-Bio』は、PETフィルムやナイロンフィルムの代わりに『バイオマテック®PETフィルム』を使用し、ポリエチレン樹脂の代替として植物由来のポリエチレン『バイオマテック®PE』を使用しました。HI-CUPとバイオマテックシリーズのそれぞれの強みを組み合わせた製品ラインアップとして、食品容器向けに提供していきます。

 【HI-CUP-Bioの特長】

■ すべての層で植物由来材料を使用し、95%以上のバイオマス度を達成

バイオマス度とは、使用する原料全体の乾燥重量の中で、植物由来のバイオマス原料の乾燥重量が占める割合のことです。今回バイオマス度20%のPETフィルムと同95%のポリエチレン樹脂の使用により、もともと植物を原料とする紙の外装部分を含めたすべての層で植物由来の材料を用いることになり、容器全体で95%以上のバイオマス度を達成しました。メーカー各社は、製品にバイオマスマークを添付することができるため、環境に配慮する企業であることを生活者にアピールすることが可能になります。

■  環境対応

『HI-CUP-Bio』は、食品容器としての従来の機能を損なうことなく、原料を石油由来から植物由来に置き換えて石油使用量を削減することができます。製品のライフサイクル全体で環境負荷の低減効果を定量的に評価するLCA(LifeCycle Assessment)によると、当製品1個あたりのライフサイクルで、石油由来材料を使用した従来品と比較して、CO2排出量を約13%削減できることがわかりました。

 

 【今後の展開】

 DNPは食品や飲料、日用品などのメーカーに、バイオマテックシリーズへの切り替えを促していきます。バイオマテックシリーズの普及とともに、HI-CUP-BioやL-Bio等で紙容器のバイオマス化を進め、地球温暖化防止に貢献していきます。DNPは、バイオマテックシリーズを利用した包装材で、2017年度までの累計で150億円の売上を目指します。

なお、DNPはバイオマテックシリーズを12月11日(木)~13日(土)に東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2014」のDNPブースで紹介します。

 
※「バイオマテック」は、大日本印刷株式会社の登録商標です。
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

ニューストップへ

検索・絞り込み

発表時期
カテゴリ
製品・サービスの16カテゴリで絞り込む
IRの9カテゴリで絞り込む

検索