2014年9月30日
“色味”の再現性にこだわった法人向けオリジナルタブレット端末を発売
台湾Quanta Computerと共同開発したカラーマネジメント用LSIを搭載
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、ノートパソコンやタブレット端末の製造受託大手のQuantaComputer Inc.(本社:台湾 社長:C.C. Leung 資本金:385億元 以下:クァンタ)と共同開発したカラーマネジメント用LSIを搭載した法人向けオリジナルタブレット端末2機種を、企業や教育機関、美術館等に向けて本年12月に発売します。
【トータルカラーマネジメントソリューション「IROMI®(いろみ)」について】
DNPは1876年の創業以来、印刷物をはじめとするコミュニケーションツールの企画・制作に携わり、その品質を高めてきました。DNPは、長年培ってきた“正しい色の再現”に関わるカラーマネジメント技術のノウハウを活かし、ディスプレーで実物に合わせた色再現を追求した、DNP独自のトータルカラーマネジメントソリューションの考え方である「IROMI®」を提唱します。
このカラーマネジメントの技術は、2006年にスタートしたフランス・ルーヴル美術館とDNPによる美術鑑賞のための共同プロジェクト「ルーヴル-DNPミュージアムラボ」にも採用され、本プロジェクトで開発し、ルーヴル美術館本館の常設展示室で稼働中の、8種の鑑賞システムの色再現性の向上に活用されています。
今回、クァンタと共同開発したカラーマネジメント用LSIは、このトータルカラーマネジメントソリューション「IROMI」を実現する「IROMIエンジン」として、3つの機能(色補正・調整、コントラスト調整、ブルーライト調整)を保有するものです。「IROMIエンジン」を搭載した法人向けのDNPオリジナルタブレット端末は、この「IROMI」を実現する第一弾製品として発売します。
【『IROMIエンジン』搭載DNPオリジナルタブレット端末の概要】
今回発売するタブレット端末は、“色味(いろみ)”の再現性に徹底的にこだわり、それを実現する機能を持つ「IROMIエンジン」を搭載したタブレット端末です。具体的には、実際の商品とディスプレーに表示する商品写真の色を揃える「色補正・調整」、白飛び、黒つぶれした画像の視認性を上げる「コントラスト調整」、色調の変化を抑えてブルーライトを低減する「ブルーライト調整」の3つの機能を備えています。
■商品ラインアップ
製品名 |
FGAD(オープン価格) |
UY8A(オープン価格) |
OS |
AndroidTM4.4 |
AndroidTM4.4 |
外形寸法(突起部含まず) |
約263.0(幅)×183.5(奥行き)×9.85(厚み)mm |
約140.6(幅)×200.0(奥行き)×8.2(厚み)mm |
重さ |
約595g |
約350g |
CPU |
MT8127 Mobile Processor1.30GHz(Cortex-A7TM Quad Core) |
MT8121 Mobile Processor1.30GHz(Cortex-A7TM Quad Core) |
キャッシュメモリ |
512KB |
512KB |
ディスプレー |
10.1型 WXGA (1,280×800ドット) IPSカラー液晶 |
8型 XGA(1,024×768 ドット)IPSカラー液晶 |
タッチパネル |
静電容量式、マルチタッチ対応 |
静電容量式、マルチタッチ対応 |
通信機能 |
無線LAN、Bluetooth、NFC |
無線LAN、Bluetooth |
ビジュアル機能 |
IROMI®エンジン搭載 |
IROMI®エンジン搭載 |
カメラ |
本体前面(有効画素数120万画素)本体背面(有効画素数500万画素) |
本体前面(有効画素数120万画素)本体背面(有効画素数500万画素) |
バッテリー駆動時間 |
約11.5時間 |
約8.0時間 |
【タブレット端末に搭載する「IROMIエンジン」の特長】
1.色補正・調整機能 : 機器のカラーマネジメントを実施
DNPが印刷の画像処理で培ってきたカラーマッチング技術を活用して、タブレット端末に表示する画像をより実物に近い色調に補正することができます。また、機器の違いによるディスプレー上の色調のばらつきを最小限に抑えることができます。
(左)色補正前 (右)色補正後
2.コントラスト調整機能 : 美しくリアルな映像表現を低消費電力で実現
「IROMIエンジン」は、人間の網膜と同じように、同一画面内の明るい部分と暗い部分を認識し、適切なコントラストに補正する英国のアピカル・リミテッド社の技術を搭載しています。これにより、視認性が向上し、リアルで美しい映像表現が可能になります。また、ディスプレーのバックライトの出力(輝度)を下げても元の出力(輝度)時と同等の視認性を確保できるため、消費電力の低減を実現することが可能です。
(左)コントラスト補正前 (右)コントラスト補正後
3.ブルーライト調整機能 :色調の変化を抑えてブルーライトを低減
液晶ディスプレーが発するブルーライトを調整する機能により、人の眼に優しいタブレット端末を実現します。
(左)ブルーライト調整前 (右)ブルーライト調整後
【タブレット端末の活用分野】
商品や各種資料などの実物に近い色を再現できるため、電子カタログ等の企業の販促ツールや、学校・教育機関や美術館等の教材、資料など、幅広く活用していただけます。
■販促活動
実際の商品の色調に合わせて、紙の書籍やポスター・カタログ・店頭POP等の印刷物、ウェブサイト・電子カタログ等のディスプレーに表示するコンテンツを近似色で再現することが可能になるため、生活者に対するブランドイメージを高めることができます。
■学校教育
今後、急速な普及が見込まれるタブレット端末に表示するデジタル教科書・教材と、従来の紙の教科書や教材の併用が想定されるためそれぞれの色調を合わせる必要があります。また、文部科学省が公表した「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」では、専門家のコメントとしてブルーライトによる目の疲れなどの影響について指摘されています。今回開発したタブレット端末がこれらの課題を解決していけるように、ブルーライト調整機能をはじめとするIROMIエンジンの機能の効果について、慶應義塾大学医学部眼科の坪田一男教授らの研究チームと共同研究を進めていく予定です。
■美術教育・ワークショップ
DNPは「ルーヴル-DNPミュージアムラボ」プロジェクトを通じて、色再現性にとりわけ厳しい品質が求められる美術の分野で、カラーマネジメントのノウハウを活かしたオリジナルの教育コンテンツを制作してきました。そこで開発した「ルーヴル美術館の作品鑑賞が楽しめるタブレット用ワークショップアプリ」は、首都圏や東北地方の小学校・中学校で、美術の授業の新しい試みとして利用いただいており、今回開発したタブレット端末と組み合わせた提供も予定しています。
【今後の展開】
DNPは、法人向けオリジナルタブレット端末や、コンテンツと表示機器を組み合わせて、トータルカラーマネジメントを実現するDNPオリジナルシステム等を、流通小売業などの対面販売を行う企業や通販業界、あるいは教育業界や美術館・博物館等幅広い分野に向けて提供し、関連売上を含め2016年度に15億円の売上を目指します。
今後はタブレット端末に限らず、デジタルサイネージ機器をはじめとした各種ディスプレーに、この「IROMIエンジン」を搭載し、DNPのトータルカラーマネジメントソリューション「IROMI」を提供していきます。
※ IROMIは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
※ 記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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