アイトラッキングとPOSデータによるマーケティングサービスを開始

大日本印刷株式会社（以下:DNP）は、アイトラッキング技術^＊1とID-POSデータ^＊2を活用した実店舗での調査・分析によって、パッケージデザインや販促物などのマーケティング評価を行うサービスを展開します。これは、対象商品に対する生活者の購買行動プロセスの把握と問題点を抽出する「課題抽出サービス」と、パッケージや販促物などが計画通りの効果を発揮しているのかを評価する「効果検証サービス」を行うサービスです。

今年2月、静岡鉄道株式会社が発行する「しずてつカードLuLuCa」の会員を対象にして、同グループのスーパーマーケットチェーン「しずてつストア」の一部店舗と連携し、当サービスを開始します。

＊1 アイトラッキング技術 ： 商品パッケージや販促物などを見るときの眼球の動きを測定、分析することで、生活者の無意識行動を解析する生理計測システムの技術。視線の軌跡から、パッケージや販促物のデザインの注視ポイントはどこか、どのような順序で視線が動いたか、などを知ることができます。

＊2 ID-POSデータ ： どの商品が・いくつ・いつ売れたというPOSデータに、「誰が」という個人認証用のID情報を加えたもので、性別や年代などの属性や、その人の購入回数や購入時間も把握でき、顧客一人ひとりに応じたマーケティングに役立てることができます。

【開発の背景】

近年、生活者の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、脳科学や心理学を活用して生活者の行動や潜在的な心理状況を把握・分析する科学的なマーケティング手法へのニーズが高まっています。特に日用品や食品のメーカーなどは、自社の商品パッケージや販促物が生活者の購買行動に与える影響について、より実体験に近い実店舗で科学的なマーケティング手法を用いることで、より高い精度で分析したいという要望を持っていました。

これに対してDNPは、眼球の動きや脳波などのデータを活用したリサーチやマーケティングのサービスを提供しており、今回、実際の店舗でアイトラッキング技術とID-POSデータを活用したマーケティング評価サービスを開始します。

【サービスの特徴と概要】

・実際の店舗で調査を行うことで、生活者の行動や心理をより正確に把握することができます。

・「しずてつストア」店舗でID-POSを利用する実働会員は約25万人で、そのうち調査対象ブランドの商品を定期的に購入しているユーザーや、毎回異なるブランドの商品を購入しているユーザーなど、購買履歴に基づいてモニターを選択することで、定性調査の精度を高めることができます。

・アイトラッキング技術によって、意識的に、または無意識的に来店者が見ている店舗内の場所や商品などの情報を蓄積して生活者の心理や行動を分析し、商品開発に活かすことができます。またスーパーマーケットチェーンの陳列において、科学的に生活者目線を取り入れることが可能です。

・商品開発に関するPDCAサイクルは、Plan（計画）-Do（実行）までで終わることが多く、そこに当サービスがCheck（評価）-Act（改善）を付与することで、充実したマーケティングに活かすことが可能です。

○課題抽出サービス

企業（今回は静岡鉄道）が保有するID-POSデータに基づいて対象モニターを選出します。モニターがアイトラッキング用の機器を装着して、できるだけ普段通り買い物をすることで、商品の購買決定プロセスや、商品パッケージ・販促物の課題を明確にするためのデータが蓄積できます。それによって、店頭で商品の魅力をより的確に伝える効果的なパッケージのデザインや販促物の企画、陳列展開などを、脳科学的知見に基づいて提案します。

○効果検証サービス

新製品やリニューアル商品を店舗でテスト販売し、ID-POSデータの解析や出口調査を行うことで、パッケージデザインや販促物がどのような効果を生活者に及ぼしたのかなどを検証します。

（左）アイトラッキングの実施風景　（右）アイトラッキング用の機器を装着し、見た時の映像

【価格】

課題抽出サービス ： 300万円（税別）～

効果検証サービス ： 200万円（税別）～

【今後の取り組み】

DNPは、日用品や食品のメーカーなどを中心に本サービスを開始すると同時に、包装材などの関連製品も合わせて提供していきます。

 

大日本印刷株式会社  　：　本社:東京　社長:北島義俊　資本金:1,144億円

静岡鉄道株式会社    　：　本社:静岡 社長:酒井公夫　資本金:18億円

 ※ ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい