2014年6月17日
ディスプレーでも読みやすい「秀英横太明朝」をモリサワにライセンス提供
視認性が高いユニバーサルデザイン対応の書体が誰でも利用可能に
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、DNPのオリジナル書体『秀英体』の「秀英横太明朝M」と「秀英横太明朝B」の2書体を株式会社モリサワ(本社:大阪 社長:森澤彰彦 資本金:1億円)にライセンス提供しました。モリサワは、本年9月に当書体を発売します。
これまでモリサワは、DNPのライセンスに基づき、2009年から秀英体フォント14書体を発売しており、今回はその第5弾となります。
【「秀英横太明朝M/B」の概要】
明朝体は印刷物で最も多く使われている書体ですが、漢字の横線が縦線に比べて細いため、テレビなどの映像字幕で利用された場合に、横線がかすれてしまうという課題がありました。また、印刷の工程がデジタル化され、横線がより細く表現されるようになったため、むしろ高齢者をはじめ視力の弱い人にとって、印刷された文章を読む際に文字がはっきり見えにくいという課題がありました。
この課題に対してDNPは、『秀英体』の明朝体に対して、漢字の横線を太くするなどの調整を施して視認性を高めた『秀英横太明朝』を2008年に開発しました。縦線の太さは変えず、漢字の“はらい”や仮名にしなやかな筆の運びや太さの強弱を残すことで、明朝体の味わいや気品を損なうことなく、視認性の高い明朝体を実現しています。
これまで『秀英横太明朝』は、コンテンツの表示や閲覧の用途を主な対象として、電子書籍やデジタルサイネージなどのコンテンツ提供側しか使用できませんでした。今回、モリサワから販売することで、誰もがフォントとして表示系コンテンツや印刷物など多くの分野で使用できます。
【フォントの仕様と販売方法】
「秀英横太明朝M」「秀英横太明朝B」ともにフォーマットはOpenTypeフォントで、文字数はAdobe-Japan1-3に準拠した9,354文字です。モリサワのフォント製品「MORISAWAPASSPORT」「MORISAWA PASSPORT ONE」「MORISAWA PASSPORT アカデミック版」「MORISAWAFont Select Pack 1/3/5」として販売するほか、Webフォントとして利用できるモリサワのクラウドフォントサービス「TypeSquare」でも提供します。
【今後の取り組み】
DNPは、秀英体の利用範囲をさらに拡張すべく、クラウドフォントのほか電子書籍などの閲覧用ソフト、スマートフォンやタブレット端末などのデバイスやデジタルサイネージなどの多様な分野へのライセンス提供を推進していきます。
※ 記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
- 参考 -
【秀英体について】
秀英体は、DNPが明治時代から開発を続けているオリジナルの書体で、優美でしなやかな線画を持ち、美しく読みやすい書体として、書籍の作り手や読者から高い評価を得てきました。2006年からは、DNP創業130周年の一環として、秀英体リニューアル事業「平成の大改刻」に取り組み、既存のデジタルフォントである秀英細・中・太明朝の改訂、金属活字時代の秀英初号明朝のデジタル化、新書体の開発などを行ってきました。DNPはこれまで秀英体を、電子書籍ビューアーなどの限られた用途を除いては、DNPの社内で作成する製品に限定して使用してきました。昨今、DTPソフトの普及にともない、秀英体をDTP環境で使用したいという出版社やブックデザイナーなどのニーズが高まっています。これに応えて、秀英体をより多くの方が利用できるよう、「平成の大改刻」の成果である最新の書体をモリサワにライセンス提供し、モリサワはデザイナーや生活者などに向けて、誰もがパソコンなどで利用できるフォントとして販売しています。
【モリサワへのライセンス提供の経緯】
DNPはモリサワに対して1984年と2001年に金属活字時代の仮名書体「秀英3号かな」「秀英5号かな」をライセンス提供し、モリサワはフォント製品として販売しています。2009年11月には、秀英体リニューアル事業「平成の大改刻」で開発した「秀英明朝L」、2010年9月には「秀英明朝M/B」「秀英初号明朝」、2012年10月には「秀英角ゴシック金L/B」「秀英角ゴシック銀 L/B」「秀英丸ゴシック L/B」、2013年9月には「秀英初号明朝撰」が発売されました。今回のライセンス提供は第5弾です。
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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