2022年4月1日

国立工芸館向けに2作品の3Dデジタルコンテンツを追加制作

作品の質感を忠実に再現し、8K「デジタル鑑賞システム」に対応

大日本印刷株式会社(DNP)は、シャープマーケティングジャパン株式会社との連携により、新たに2作品の3Dデジタルコンテンツを制作しました。同コンテンツは、国立工芸館*1の「デジタル鑑賞システム」で展示公開されます。 DNPは、同館が所蔵する工芸作品の3Dデジタルコンテンツの制作に取り組んでおり、2020年10月に行った「川喜田半泥子 《志野茶碗 赤不動》」*2に続き、今回新たに、「板谷波山 《霙青磁牡丹彫文花瓶》」、「桂盛行 《鶉四分一打出水滴》」の2作品の3Dデジタルコンテンツを制作しました。デジタル化には、DNP独自の撮影技法・ノウハウ、カラーマネージメント技術を活用し、作品の質感などを忠実に再現しています。この新作は4月5日から同館設置の8K対応の「デジタル鑑賞システム」で公開されます。作品の随所に凝らされた技巧などを見たい角度や大きさで鑑賞する機会を提供します。 今後もDNPは、同館が所蔵する工芸作品の3Dデジタルコンテンツ制作を進めていきます。

左:3Dデジタル化した『霙青磁牡丹彫文花瓶』 右:『鶉四分一打出水滴』

【新作コンテンツの概要と特長】

本コンテンツは、独立行政法人国立美術館の主任研究員監修のもと、見る角度によって表情を変える細かな素材、技法、仕上げの違いを再現するため、高解像度な複数の写真画像から忠実な絵柄・質感並びに3D形状を作成するフォトグラメトリ手法を駆使し制作しました。来館者は、鑑賞システムのタッチディスプレイの操作により、高精細に再現された豊かな質感や技術の妙などを、自在に拡大・縮小・回転することで、さまざまな角度から鑑賞ができます。 

■「板谷波山 《霙青磁牡丹彫文花瓶》」(1925年)

「霙(みぞれ)」と名付けられた独特の青磁の光沢や、材質の特性上「至難の業」ともいえる彫りをさまざまな角度から鑑賞できます。

■「桂盛行 《鶉四分一打出水滴》」(1971年)

 主に銅と銀の合金が用いられており、成形が難しい中で、愛らしい鶉(うずら)の造形がなされています。金も用いた細かい装飾技法も見ものです。 

3Dデジタル化した「霙青磁牡丹彫文花瓶」のみどころを拡大した際の画像

3Dデジタル化した「鶉四分一打出水滴」のみどころを拡大した際の画像

【DNPの文化財アーカイブに関する取り組み】

DNPは、世界遺産をはじめとする京都の有形・無形の文化遺産を毀損することなく保存し、次代へ継承する「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」*3や、フランス国立図書館の貴重な作品のデジタル化や鑑賞システムの開発を行う「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」*4などを推進しています。 こうした取り組みを通じ撮影技法やデジタル化のノウハウを培うとともに、ITを活用したインタラクティブな鑑賞システムを開発し、美術館・博物館における作品のデジタル化、及び公開・利活用を支援していきます。 DNPは今後も、文化財等の保存・継承・公開などに関わる活動を推進し、多くの人々が文化を学び、さまざまな体験が得られる事業を展開*5していきます。 

*1 日本で唯一の工芸専門の国立美術館。2021年4月1日に正式名称を、東京国立近代美術館工芸館から国立工芸館に変更。
*2 2020年10月26日リリース「金沢市へ移転開館する国立工芸館の所蔵作品を3Dデジタルアーカイブ化」→ https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158767_1587.html
*3 有形・無形文化遺産の“保存と継承”高精細映像アーカイブについて→ → https://www.dnp.co.jp/biz/case/detail/10158085_1641.html
*4 フランス国立図書館 とのプロジェクトについて→ https://www.dnp.co.jp/news/detail/10160770_1587.html
*5 文化財のデジタルアーカイブソリューション→ https://www.dnp.co.jp/biz/theme/cultural_property/

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