2021年4月8日
リサイクルプラスチック材を使用したICカードを製造
リサイクルPVC(ポリ塩化ビニル)を使用した非接触ICクレジットカードを日本で初めて提供
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、循環型社会の実現に向けて、ICカードの材料をリサイクルしたプラスチック材に切り替え可能とし、2021年4月に製造を開始します。これによってDNPは、プラスチックのリサイクル推進やCO2排出削減を実現し、環境負荷の低減につなげていきます。
リサイクルプラスチック材を使用したICカードの第一弾として、株式会社丸井グループがみんな電力株式会社と提携して発行している「みんな電力 エポスカード」で採用されました。DNPは2018年頃から丸井グループと共に環境に配慮したICクレジットカードについて検討を進めてきており、今回、日本初となるリサイクルPVC(ポリ塩化ビニル)を使用した非接触対応のICクレジットカード注を提供します。
注:カード重量に対するリサイクル素材使用率約70%
リサイクルプラスチック材を使用した「みんな電力 エポスカード」
【リサイクルプラスチック材を使用したICカードを製造の背景】
日本政府は、プラスチック関連の資源・環境両面の課題に対して、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」*1を策定し、プラスチックの使用量削減やリサイクル推進に取り組んでいます。また、2020年12月には、経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」*2を発表するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも加速させています。
こうしたなかでDNPは、2020年3月に「DNPグループ環境ビジョン2050」*3を策定し、2050年の温室効果ガス実質ゼロや資源の効率的な循環利用を掲げ、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを進めています。ICカードに関してDNPは、国内での製造シェアでトップを獲得しており、今回ICカード製造用のプラスチックをリサイクル材に切り替えることにより、プラスチックのリサイクル推進やCO2排出削減、環境負荷の低減を実現していきます。
【リサイクルプラスチック材を使用した「みんな電力 エポスカード」の特長】
1.ICカード製造用のプラスチックをリサイクル材に切り替え
今回、欧州のカード用リサイクルPVCを提供するサプライヤーと連携し、欧州のパッケージ工場から排出されるプラスチックの一つであるPVC(ポリ塩化ビニル)の廃材・中間材を回収し、リサイクル材の使用率99%に加工したシートを使用してカードを製造します。リサイクルPVCをICカードのコア部分に使用することで、リサイクル素材の使用率が約70%(重量比)になる、リサイクルプラスチック材を使用した非接触ICクレジットカードを日本で初めて実現しました。
2.カード1枚あたり9.8gのCO2排出削減効果
リサイクルPVCを使って製造することで、カード1枚あたり約9.8gのCO2排出量を削減する効果があります。「みんな電力 エポスカード」1,000枚で、約10KgのCO2排出削減効果を実現します。
【価格】
本製品は、リサイクルPVCを利用しない従来のカードと比較して、5%程度の価格上昇を目処として提供していく予定です。
*価格は仕様や数量により異なります。内容に応じて別途見積りを行います。
【今後の展開】
DNPは、2021年7月を目途に、リサイクル素材を使用したICカードの量産体制を構築します。「脱炭素社会」「循環型社会」などの実現に取り組む金融機関のほか、ICカードや電子マネーカードを発行する事業者、ポイントカードや会員証等を提供する小売・流通企業などへ提供し、2025年度までに関連サービスも含めて約40億円の売上を目指します。
*1 プラスチック資源循環戦略 : https://www.env.go.jp/press/106866.html
*2 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略: https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012.html
*3 DNPグループ環境ビジョン2050 : https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158096_1587.html
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