国内初、抗菌・抗ウイルス効果のあるＩＣカードを開発

「生活者の高まる衛生意識」と「新しい生活様式」への対応を支援

大日本印刷株式会社（本社:東京　代表取締役社長:北島義斉　資本金:1,144億円　以下:DNP）は、抗菌と抗ウイルスの性能を兼ね備えた「非接触ICカード」を国内で初めて開発し、電子マネー、社員証や入館証などに向けて、10月から提供を開始します。

今回DNPが開発した非接触ICカードの抗ウイルス性能は、外部評価機関である地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所がISO 21702に準拠して実施した分析・評価の結果、抗ウイルスの効果があることが確認されました。

抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカードのデザインサンプル

【開発の背景】

新型コロナウイルスの影響により、衛生管理に対する人々の意識が急速に高まり、生活用品をはじめ、さまざまな製品に対して、細菌の増殖を防ぐ「抗菌」や、細菌より小さいウイルスの数を減少させる「抗ウイルス」へのニーズが広がっています。そして、日本政府が掲げる“キャッシュレス化”の推進により、電子マネーやクレジットカード等での決済が拡大するなか、カード自体の付加価値として「抗菌・抗ウイルス性能」が求められています。

こうしたニーズに対してDNPは、2000年代より抗菌仕様のプラスチックカードを提供しており、キャッシュカードやクレジットカードなど金融業界を中心に広く採用されています。今回、従来からの抗菌性能に加え、国内初となる抗ウイルス性能を兼ね備えた非接触ICカードを開発しました。厚生労働省が提唱する“新しい生活様式”に対応したカード決済を実現するとともに、社員証や入館証を利用する従業員や施設利用者等の安全・安心を実現します。

【「抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカード」の特長】

１．抗ウイルス性能を有する国内初の非接触ICカード

地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所によるISO 21702に準拠した分析・評価の結果、抗ウイルス効果が確認された非接触ICカードです。カード表面に付着するウイルスの数を減らすことにより、人の手につくウイルスを減らすことができます。

２．抗ウイルスに加え、抗菌性能も保持

抗ウイルス性能だけでなく、従来からの抗菌性能も兼ね備えており、衛生管理が一層求められる医療機関や福祉施設、食品関連の施設、教育機関などでも安心して利用することができます。抗菌性能はJIS Z 2801（抗菌仕様に関するJIS規格）に準拠し、カード表面の大腸菌と黄色ブドウ球菌の繁殖率を1％以下に抑える効果を持っています。

３．抗ウイルス効果を長く維持したまま利用が可能

抗ウイルス剤をカードの両面にコーティング（塗工）しているため、頻繁な利用などによってカード表面が傷ついたりした場合でも、抗ウイルス性能を維持したまま利用できます。

【価格】

本製品は、抗菌・抗ウイルス性能を持たないカードと比較して、およそ5～10％増の価格を目処として提供していく予定です。

＊価格は仕様や数量により異なります。内容に応じて別途見積りを行います。

【今後の展開】

DNPは、電子マネーカードを発行する事業者、社員証や入館証等を利用する企業や施設、ポイントカードや会員証等を提供する小売・流通企業などへ本製品を提供し、2023年度までに関連サービスも含めて6億円の売上を目指します。また、2021年春には、キャッシュカードやクレジットカードなど金融機関で利用される接触ＩＣカードや磁気ストライプ付きカード、接触・非接触の両インターフェイスを持つデュアルインターフェースカードにも抗ウイルス性能を付与して提供する予定です。