2020年3月26日
5G対応製品向け透明アンテナフィルムを開発
アンテナに透明性を付与し場所を選ばずに設置が可能
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、第5世代通信規格(5G)に対応した「透明アンテナフィルム」を開発しました。
本製品は、透明なフィルム上に、目に見えないほどの金属配線を超微細なメッシュ(網目)状に形成したものです。優れた透明性に特長があり、5G対応製品の透明表面材にアンテナを設置でき、アンテナ設置場所に余裕のなかったモバイル機器や窓ガラスにおいて、視認性を損なうことがありません。
【開発の背景】
5Gの高速大容量のデータ通信にはミリ波帯の電波(波長1~10mm、周波数30~300GHz)が用いられますが、従来のマイクロ波と比較しミリ波は近傍製品の影響を受けやすくアンテナ設置場所の自由度が低いという問題がありました。また、ミリ波は電波の直進性が強く、従来以上の通信環境を確保するにはアンテナの設置数を増やす必要性もありました。
こうした課題に対してDNPは、視認されない超微細金属メッシュ配線を開発し、透明アンテナフィルムを実現しました。これにより、5G対応のさまざまな製品に意匠性を損なうことなくアンテナ機能を追加できる為、モバイル機器のみならず基地局やIoT機器等への自由なアンテナ設置が可能になります。
【5G対応製品向け透明アンテナフィルムの概要】
○5G対応アンテナとして室内の壁や天井、大型モニター、窓ガラスなどの建造物、車体のガラス等にも貼付することで、さまざまな空間で5G電波を受信しやすくすることが可能です。
○基材となる透明フィルム上に、視認困難な金属の超微細メッシュを形成して透明性を持たせているため、製品の意匠性や視認性を損ないません。
○金属材料の選択と形状設計により、メッシュを視認できない線幅にしても、アンテナに適したシート抵抗(2.5Ω/□)(オームスクエア)を実現できるため、5G対応製品のアンテナとして充分な性能を発揮します。
【今後の展開】
DNPは、印刷技術と情報処理の強みを活かし、本「透明アンテナフィルム」や放熱部品「ベーパーチャンバー」などの5G向け電子部品と、IoT(モノのインターネット)の情報セキュリティを高めるプラットフォームなどを掛け合わせて、5Gが実現する快適な情報社会を支えるソリューションを提供します。さらに、5Gを活用し、場所や時間を問わず臨場感のある体験を提供するVR・ARコンテンツや4K・8K映像配信、安全な自動運転や遠隔医療などにも取り組んでいきます。
DNPは、今回開発した「透明アンテナフィルム」をさまざまな企業へ提供し、2022年度に量産を開始し2025年度に年間100億円の売上を目指します。
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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