2020年2月7日
東京都プログラミング教育推進の実証研究に協力、教科横断的な授業事例を公開
大阪市プログラミング教育推進事業、文科省事業に続き、新学習指導要領を踏まえたモデル事例を創出
東京都プログラミング教育推進への協力と、実証授業の実施について
大日本印刷(DNP)は、2020年度からのプログラミング教育必修化を見据え、授業設計や指導の方法が確立できていないという学校現場の課題解決に向けて、国や自治体の研究に協力してきました。この実績をもとに、東京都のプログラミング教育推進に約2年間にわたり協力し、“教科のなかで年間を通してプログラミングに取り組む事例“を創出しました。
2018年度から2年間行われた「東京都小学校プログラミング教育推進」では、新宿区立落合第四小学校の実証研究に協力しました。小学校4~6年生の社会・国語・音楽・図工・総合の教科学習に対し、プログラミングを取り入れるための教科横断的なカリキュラム計画を作成し、ICTを効果的に活用することで教科の狙いを達成する系統的な授業事例の創出を支援しました。例えば5年生の音楽では、「日本の音階」をもとに自分の音楽のイメージをプログラミングで表現し、旋律の音色やリズムが変わると曲のイメージが変わることを学び、友達の旋律とつなげてグループで音楽を作り上げる学習を行いました。また、グループで作った音楽をイメージして抽象画を描き、鑑賞するという図画工作の学習にもつなげました。
*実践事例の詳細は(http://www.shinjuku.ed.jp/es-ochiai4/3266dd17.pdf)をご参照ください。
こうした取り組みは、文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引」*1で示されるプログラミング教育の在り方を実践する一例であり、今後「GIGAスクール構想」*2で整備される予定の各学校のICT環境を有効活用し、主体的に学び、対話を通じて考えを深める学習活動を、プログラミングを通じて実施する学習のモデルの事例にもなります。今回、2月下旬に落合第四小学校で、6年生を対象に、「ネットワークを利用した双方向性のあるプログラム」*3という題材で、AIスピーカーの仕組みを学ぶ開発中の教材を使用して、実証授業を行います。これは2年間の教育推進校としての実践を基本に、中学校でのより発展的なプログラミング教育へのスムーズな橋渡しを狙ったものです。
プログラミング教育への貢献
DNPはこれまで、小学校でのプログラミング教育必修化に対し、様々な取り組みを行ってきました。「大阪市プログラミング教育推進事業(2018年度)」*4では、児童の発達段階に合わせた指導方法や、プログラミング教育を実施する学年、学校のICT環境でのソフトや機材の適合など、プログラミング教育に取り組むための基礎づくりに協力しました。文部科学省「小学校プログラミング教育に関する指導案作成(2018年度)」*5では、教科でのプログラミングの学習活動に先立ち、プログラミングの言語や技能の基礎についての学習や、楽しさ・面白さ・達成感を味わえる学習活動の指導案を、全国の有識者や授業実践協力校と連携して取りまとめました。「東京都小学校プログラミング教育推進」は、これらの実績をもとに取り組んできたものになります。
今後の取り組みについて
DNPは、国・自治体との研究、また有識者*6の協力のもと、独自に約200時間のプログラミング授業の研究することでプログラミング教材ソフト「SWITCHED ON Computing日本版」*7を開発、学校現場のニーズをもとに教材の仕様拡張を続けており、現在は全国45自治体の小学校で導入されています。これにより、学校でプログラミング教育を実践するための基礎づくりから、年間を通した教科の中でプログラミングに取組むなど実践事例を多数蓄積してきており、多様な学校の要望に応えることが可能になりました。今後は、「GIGAスクール構想」で整備するICT環境を有効活用できるよう、教材配信とともにこれまでの取り組みを通して培ったノウハウを、DNP学習クラウド『リアテンダント®』*8のクラウドから提供できるよう進めていきます。
*1 文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm)
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