2015年4月15日

ナノインプリント技術を活用した市場創出型超微細加工の新ビジネスを開始

ナノメートル単位の超微細加工品の金型製作から試作品の作製・量産までを提供

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、ナノインプリント技術を活用して、超微細加工品関連の用途開発・商品企画から、金型製作、試作品作製、量産まで、市場の創出にもつなげていく新ビジネスを4月に開始します。

ナノインプリントとは、基材上の樹脂などに金型を圧着して、nm(ナノメートル:10のマイナス9乗メートル)からμm(マイクロメートル:10のマイナス6乗メートル)単位のパターンを安定的かつ安価で転写する微細加工技術です。今回DNPは、この技術を活かした業界初となる本格的な一貫ラインの超微細加工ビジネスとして、磁気記録媒体、発光ダイオード、有機EL、導光板、太陽電池などの各種電子材料、バイオ・医療関連材料等、さまざまな製品を提供していきます。

 

【開発の背景】

近年、ディスプレーなどの光学製品や、バイオ・医療などのさまざまな分野の製品に、新規な機能を発現できるナノレベルの超微細な加工を施した部品・部材を使用したいというニーズが高まっています。しかし研究機関やメーカーでは、超微細加工品を製造する際に必要な金型や、製造工程に関する専門的な知見や技術を有していないことが課題となっていました。また、nm単位にも対応する専用設備の導入コストも負担となっていました。

DNPは、半導体回路や電子機器の微細化に対応してナノインプリント技術の開発にいち早く取り組み、十数nmの半導体回路パターンの金型製作や、透明なフィルムの表面に数百nmの微細な凹凸を転写形成することで光の反射を防止する超低反射フィルム「モスアイ®」などの実績を重ねてきました。これらの活用実績を通して培ってきた経験・ノウハウ・技術を活かし、業界の要望も強かった金型製作から試作品の作製、製品の量産化までを一貫して行う超微細加工ビジネスを展開します。また、それぞれの製品用途に応じた金型性能、製造工程の改善提案も行い、幅広い分野に貢献していきます。

【新ビジネスの内容と特徴】

1.用途開発、提案等の企画サポート、金型設計

2.基になるマスター金型*の作製

3. マスター金型の複製金型、及び複製金型を面付けした(複数を並べた)大判金型の作製

4. 金型の形状を転写した試作品の作製、及び製品の量産

 

本ビジネスの特徴は以下の通りです。

・企画から開発、金型作製、転写試作、製品の量産まで、一貫したサポートが可能です。

・nm単位からμm単位までの微細形状の加工を広範囲に提供します。

・大型のロール状のフィルム基材を加工し、ロール状に巻き取り製造・納入する“ロールtoロール”

の金型や製品の量産も提供できます。

・DNPが保有する多様な製造設備を活かした量産。

・使用している金型の性能評価や改善のサポートにも対応いたします。

 

*マスター金型について

1.6インチ角の基板上に20nm程度の微細パターンや3次元形状パターンを形成したマスター金型を作製できます。

2.大型基板(1200mm×1000mm)上にサブミクロン(10のマイナス4乗メートル=10のマイナス7乗メートル)単位のパターンを形成したマスター金型を作製できます。

3.μm単位のパターンを形成した、1500mm×930mmの面サイズの金型(ロール版、バラード版)を作製できます。

上記マスター金型を使用し、フィルムやガラス上に微細加工を施した試作品の提供が可能となります。

  

【今後の展開について】

DNPは、デバイスメーカー、光学部材、ライフサイエンス、など、幅広い分野の研究部門、開発部門に、この超微細加工ビジネスを提供し、2016年に20億円の売り上げを見込んでいます。

※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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