2021年11月2日
未来シェアと共同で「AIオンデマンド交通実証実験」を三重県大台町で実施
MaaSによる中山間地域での公共交通の利用促進を検証
大日本印刷株式会社(以下:DNP)は未来シェア株式会社と共同で、2021年11月1日~12月28日に、三重県大台町地域で「AIオンデマンド交通実証実験」を実施します。本実験は、大台町が総務省より交付された「過疎地域持続的発展支援事業」の一環として実施するものです。
道の駅などに設置されたデジタルサイネージ等で簡単に乗合タクシーを予約できる「DNPモビリティポート」*1のサービスと、リアルタイムで乗合タクシーを配車する未来シェアのサービス「SAVS(Smart Access Vehicle Service)」を利用し、“中山間地域”における公共交通の利用促進施策の実効性を検証します。なお“中山間地域”は、農業地域類型区分のうち中間農業地域と山間農業地域を合わせた山あいの農山村地域であり、日本の国土のおよそ70%を占めています。
【「AIオンデマンド交通実証実験」実施の背景】
中山間地域では、人口減少などによって公共交通の運営継続が困難となっていますが、高齢化にともなう免許返納の増加もあり、その重要性はさらに増してきています。こうした交通関連の課題解決に向け、自動車等の所有ではなく、移動手段としてのサービスを提供していく「MaaS(Mobility as a Service)」の活用に期待が集まっています。
こうしたニーズに対して今回DNPは、未来シェアと共同で、中山間地域に共通する公共交通の課題を抱える三重県大台町にて、AIを活用して高齢者を含む利用者一人ひとりのニーズに対応する“オンデマンド交通”などを気軽に利用できる新たなモビリティサービスを提供します。この実証実験の検証結果を大台町の公共交通計画に活用するとともに、同町を含む近隣の6町が推進する「三重広域連携スーパーシティ構想」にも活用し、地域の活性化を目指します。
【大台町「AIオンデマンド交通実証実験」のポイント】
大台町では、定時定路線型の乗合タクシーや、スクールバスを活用した町営バスを運行していますが、利用者が減少するなかで持続可能な経営を実現するという課題がありました。
今回の実証実験では、未来シェアが提供する「SAVS」を利用して、リアルタイムの“ドアツードア型乗合タクシー運行”を実現し、生活者の利便性向上を図ります。「SAVS」は、AIによって、生活者の利用希望とタクシーやバスの運行状況をリアルタイムで計算し、時間やルートを固定せずに、最適な乗合い車両の配車を決定するサービスです。
また、タクシー等の利用頻度が高い三瀬谷駅前の「道の駅 奥伊勢おおだい」と報徳診療所の2ヶ所に、デジタルサイネージで出先から自宅迄の配車を簡単に予約できる「DNPモビリティポート」を設置して、今回提供する“オンデマンド交通”を気軽に予約できるようにします。「DNPモビリティポート」は、デジタルサイネージで地域情報や公共交通の運行情報の表示、オンデマンドな交通手段の呼び出しなどができるシステムです。
■検証内容について
- 交通事業者が、定時定路線型からオンデマンド型へ運行方法を転換することによる収益性の分析
- スマートフォンを持たない高齢者等の利用者による、外出先でのリアルタイム予約システムの利用状況の分析
【今後の展開】
DNPは、2022年度に、大台町を含めた近隣の6町が推進する「三重広域連携スーパーシティ構想」の一環として、「DNPモビリティポート」を利用した6町広域連携による相互周遊で更なる移動活性化を計画しています。また将来的に、地域住民だけでなく、観光客が公共交通を活用する観光地の周遊や、周辺広域6町における「MaaS」の導入を図っていきます。
さらに、各地で展開されている交通結節点の整備、およびスマートシティやスーパーシティのモビリティ課題の解決に向けたプラットフォームとして「DNPモビリティポート」の提供に注力していきます。
*1 「DNPモビリティポート」のリリースはこちら → https://www.dnp.co.jp/news/detail/10160894_1587.html
大日本印刷株式会社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円
未来シェア株式会社 本社:北海道函館市 代表取締役:松舘 渉
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